庄子:SDGsに関しておそらく歴史的な背景等もあるとは思うんですけれども、海外(SDGs先進国)と国内のSDGsに関する情報を両方見てらっしゃる森田さんが感じている日本企業の特徴や魅力、課題などありましたら教えて下さい。
森田氏:日本も海外も、世の中全体を見渡すとネタは沢山あるんです。企業や自治体、NPOなど、色々なところがSDGsに関する情報発信をしています。ただ、実はメディアから見ると探すのが大変みたいなところが少しありまして、実際の所海外と日本を比べたときに(日本は)取り組みの数に対して記事になっている数がそんなに多くないというギャップがあるように思います。
日本企業の取り組むSDGsは、本当は(記事になっている取り組み以外にも)もっと凄いものが沢山あると我々は思っています。それなのにそこが実態(記事)に反映されていないことは、メディアの責任かもしれないという反省点でもあるのですが、少し残念に感じています。
古い話になりますが、江戸時代の暮らしは持続可能な循環型社会だという研究もあります。日本には昔から「もったいない」という言葉があって、ノーベル平和賞を受賞されたアフリカの方がこの言葉を世界に広めてくれたということもありました。
我々ニューズウィークは海外を見てきましたが、だからこそ海外と比べて見ると、日本には既に資質がある。つまりSDGsに取り組むためのベースがあると思います。
庄子:資質があるけど重要視されていないというのも、もったいないですね(苦笑)確かに、日本企業の取り組みは目立たない場合もありますが、それでも実は多くの企業がSDGsに向けた活動を行っているのですね。
森田氏:仰る通りで、実際に日本企業が取り組まれている活動の中にも、日本では注目されづらいけれど海外から見ると実は凄い、みたいな取り組みが結構あると感じています。
もったいない文化の他にも、例えば、日本はペットボトルのリサイクル率は8割以上と(海外と比較して)高いのですが、そうした点も注目されづらい。
メディアはしばしば注目度の高い企業や話題性のある取り組みに焦点を当てがちですが、地道な活動や中小企業の取り組みも重要です。情報を発信する側も、より多様な視点で取り上げることが必要ですし、日本のSDGsは実はすごい、というところを含め、ニューズウィークではSDGsの情報発信を強化していきたいと考えています。
庄子:なるほど、見過ごされがちな側面としては既に表に出ている情報に偏りがあったり、それによって注目度に差が出てしまっている、ということがあるのですね。
私たち(プレスリリース配信サービス)としても、SDGsの情報を積極的に発信できるツールとして中小企業のサポートだったり、実は凄いSDGsの活動を行っている企業をメディアに発掘してもらえるような発信方法・プレスリリースの書き方を研究しなければならないですね。
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