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IEEEメンバー、 災害対応、医療、バイオケミカル分野における ロボット技術のイノベーションについてコメントを発表

IEEE(アイ・トリプル・イー)は、災害対応、医療、バイオケミカル・エンジニアリングなど、ロボット分野のイノベーションを推進するため、日々テクノロジーやアイデアを取り入れています。新たなロボット技術の活用方法について、3名のIEEEメンバーがコメントを発表したのでお知らせします。

■ロボットに抱きつく救助方法
国際ライフセービング連盟によれば、毎年世界で溺死する人の数は120万人に上り、これらの事故のほとんどが夏の季節に起こっています。IEEEフェローであり、テキサスA&M大学のCRASAR(Center for Robot-Assisted Search and Rescue)でディレクターを務めるロビン・マーフィー(Robin Murphy)博士は、水難救助に利用されている水中ロボットの研究に取り組んでいます。
長さ4フィートのリモート・コントロール・ブイであるEMILY(Emergency Integrated Lifesaving Lanyard)は人間よりも早く、溺れている遊泳者に達することができ、水難救助だけでなく洪水発生時の被災者の探索、救助にも役立っています。

マーフィー博士は次のように述べています。「苦しんでいる人々は、まったく思いもよらない行動をとることがあるため、溺れている遊泳者や洪水の被災者への接近は常に危険を伴います。溺れている遊泳者に安心感を与える方法で接近するよう近接学(人による空間の使用とそれが人の行動、コミュニケーション、社会的交流に及ぼす影響に関する心理学的研究)の要素を取り入れEMILYをプログラムしています。」


■障がい者の歩行を支援するロボットの進歩
IEEEメンバーであり、カーネギーメロン大学でバイオケミカル・エンジニアリングを教えるスティーブ・コリンズ(Steve Collins)准教授は、障がい者やリハビリ患者の生活の質の改善のために、軽量で低消費電力、機動性に優れた外骨格である電気吸着クラッチ(Electroadhesive Clutch)の研究を続けています。電気吸着クラッチは、障がい者やリハビリ患者の機動性を向上させ、重い荷物の持ち上げや運搬、日常的な仕事など、より多くの作業を自分自身でこなせる可能性を高めます。このロボット・イノベーションは、歩行に使われるエネルギーを7%削減するコリンズ准教授の歩行補助クラッチ(Walking Assist Clutch)を改良したものです。

コリンズ准教授は次のように述べています。「電気吸着クラッチの概念、特に力をどのように転移させればわずかな電力でクラッチを作動できるかについては、サンドイッチの袋と数片のアルミ箔から思いつきました。人工器官や外骨格の設計でいちばんの課題となるのは、実際に人の役に立つ機能を見つけ出すことです。電気吸着クラッチでは、それぞれが薄く、軽量で低消費電力の、個別に制御された数百ものクラッチを単一の外骨格内で使用できるようになりました。これは、将来のロボット・システムの設計方法を根底から変えるでしょう。」


■ビデオ・ゲームを活用
ジョンズ・ホプキンス・メディスン・インターナショナルの研究者は、毎年250,000人以上の患者が医療ミスで亡くなっていると考えています。これは、米国で3番目に多い死因ということになります。IEEEフェローであり、ワシントン大学でバイオロボティクス・ラボラトリーのディレクターを務めるブレイク・ハナフォード(Blake Hannaford)教授は現在、手術の成功率を向上させるために、医療処置の間に執刀医を支援する半自動の手術ロボットRavenの開発に取り組んでいます。この半自動ロボットは、施術中の器用さと精度の向上によって執刀医を助け、合併症や死亡につながる医療ミスの可能性を低下させます。

ハナフォード教授は次のように述べています。「当大学のチームは、特定のビデオ・ゲームの敵キャラクター用に開発された『ビヘイビアツリー』というAIアルゴリズムが自動医療手順のモデリング言語にも変換可能であることを発見しました。AIビヘイビアツリーは、半自動手術ロボットRavenのプログラミングに直接応用され、何百万人もの患者に高い精度と最小限の侵襲性で最先端の医療を提供できます。」


■IEEEについて
IEEEは、世界最大の技術専門家の組織であり、人類に恩恵をもたらす技術の進展に貢献しています。160カ国、40万人以上のエンジニアや技術専門会の会員を擁する非営利団体で、論文誌の発行、国際会議の開催、技術標準化などを行うとともに、諸活動を通じて世界中の工学やその他専門技術職のための信用性の高い「声」として役立っています。

IEEEは、電機・電子工学およびコンピューターサイエンス分野における世界の文献の30%を出版、2,000以上の現行標準を策定し、年間1,300を超える国際会議を開催しています。

詳しくは http://www.ieee.org をご覧ください。

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