60歳以上の93%が『色の見えづらさを感じない』と回答 加齢...

60歳以上の93%が『色の見えづらさを感じない』と回答  加齢で視覚機能は低下するはずが 『年齢を重ねるにつれ、自覚がなくなる』結果に  「色の見えづらい」エピソードは “信号機や道路標識が見えにくい”など、交通関連が最多

~色と高齢者に関する実態調査~

公益社団法人 色彩検定協会は「改正道路交通法の施行」や「高齢者ドライバー問題」などに社会的関心が集まる中、「色と高齢者に関する実態調査」を行いましたので、その結果を報告いたします。

「色の見えづらさ」「色の見間違い」経験の有無
「色の見えづらさ」「色の見間違い」経験の有無

本調査では、60代以上の男女1,000人と30代の男女200人を対象にインターネットリサーチを実施。「色の見えづらさ」や「色の見間違い」の質問に対して、60歳以上の93%が「色の見えにくさを感じない」と回答。また、年齢が上がるにつれ、その傾向が高くなる結果となりました。加齢によって視覚機能は年々低下していくにも関わらず、高齢者にその実感や自覚が低い可能性が調査結果から伺えました。


■調査結果サマリー
<加齢で視覚機能は低下するはずが93%の高齢者が
 「色の見えづらさを感じない」と回答、自覚・実感が低い結果に>

加齢により眼の機能は衰えていく中、60歳以上の高齢者の93%が「色の見えづらさ」や「色の見間違い」を“感じたことがない”と回答。また、60代、70代、80代と年代が上がるごとにその回答が多くなる結果に。「色の見えづらさ」「色の見間違い」に対して高齢者の自覚や実感が低くなる傾向が伺えました。

<「色の見えづらさを感じた」具体的エピソードは
 “信号や道路標識が見えにくい”など、自動車運転や交通関連が最多>

「色の見えづらさ」や「色の見間違い」の経験があると回答した60歳以上の方にその具体的なエピソードを聞くと「自動車運転など交通関連」の回答が最多。“信号や道路標識が見えにくい”“赤信号が青信号に見えて危うく事故になりかけた”などの意見もありました。

<【安全】を感じる色は「高齢者=緑色」「30代=青色」など、
 イメージする色に世代間ギャップも>

【危険】【注意】【安全】で想起する色について60歳以上と30代の回答では、高齢者は「危険=赤色」「注意=黄色」「安全=緑色」、30代は「危険=赤色」「注意=黄色」「安全=青色」と【安全】で違う回答。また他にも「地味と感じる色」の質問では「高齢者=灰色」「30代=茶色」など世代間ギャップが伺える結果もありました。


■アンケート調査 概要
調査名称:色と高齢者に関する実態調査
調査期間:2017年2月10日~14日
調査方法:インターネットリサーチ
調査対象:全国60代・70代・80代 男女1,000人、
     30代の男女200人
     (有効回答数1,200人)


■「色の見えづらさ」「色の見間違い」経験の有無
https://www.atpress.ne.jp/releases/123681/img_123681_2.jpg

直近の1年間で「色の見えづらさ」「色の見間違い」の経験を聞くと、60歳以上の92.9%が「色の見えづらさを感じない」と回答。年代別では60~64歳(91.5%)、65~69歳(92.5%)、70~74歳(93.0%)、75~79歳(93.5%)、80歳以上(94.0%)。30代は86.0%と低くなり、60歳以上になると年代が上がるごとに「色の見えづらさ」「色の見間違い」の自覚や実感が低くなる傾向が伺えました。


■「色の見えづらさ」「色の見間違い」の具体的エピソード
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「色の見えづらさ」「色の見間違い」を経験した60歳以上の方に具体的なエピソードを聞くと、カテゴリー別では信号機や道路標識の色が見えにくいなど「自動車運転など交通関連」が23.4%で最多。次いで、文字が見えづらいなど「視力・目のかすみ(15.6%)」「ファッション・小物(12.5%)」のエピソードが上位に。回答の中には『夜間に運転中、歩行者用信号が赤か青かが分かりづらくなってきた』『信号機の青矢印が見えなくて、ブレーキをかけてしまうことが頻繁にある』など、交通事故に繋がりかねない意見もありました。


■【危険】【注意】【安全】イメージの世代比較
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【危険】【注意】【安全】から想起する色は、60歳以上では「危険=赤(79.5%)」「注意=黄色(57.6%)」「安全=緑(35.1%)」と回答。30代では「危険=赤(72%)」「注意=黄(50%)」「安全=青(43%)」という結果に。【安全】の部分で「30代=青」「60歳以上=緑」と世代間でイメージの違いが出ました。


■【地味】【恰好いい】【哀しい】と思う色の世代比較
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「地味と思う色」は、60歳以上は灰色(45.9%)が最も高く、茶色(29.1%)、シルバー(18.6%)の順に高くなる。30代では茶色(41.0%)、灰色(26.0%)、紺(11.5%)が高い。一方「恰好いいと思う色」を聞くと、60歳以上は青(29.1%)、30代は黒(29.0%)が最も高くなる結果となった。また「哀しいと思う色」は60歳以上が灰色(15.7%)、30代は青色(19.0%)と大きく意見が分かれている。30代はシルバーを「格好いい(22.5%)」と感じる方が多いが、60歳以上はシルバーを「格好いい(9.8%)」と感じるよりも「地味(18.6%)」と感じる方が多く、年代での差異が生まれている。


■一般財団法人日本色彩研究所 名取 和幸 氏 コメント
【視覚能力が衰える高齢者への自覚と注意喚起】

一般的に加齢でさまざまな視覚機能の低下が現れます。例えば、視力の低下や老眼、色を見分ける力の低下、そして暗い場所で物を見る働きの低下などがその代表例です。今回の調査では「色の見えにくさを感じない」という回答をした高齢者が多くなりました。今回の調査のように単色では「色の見えづらさはない」と思っているようですが具体的なエピソードを読む限り、高齢者は日常生活において少なからず色の見分けにくさを経験していると調査結果から推察できます。
高齢者が把握しづらくなる階段などの段差、信号機の色、道路標識、服用している薬の色見分けなど、日常生活における危険性を回避できるよう視覚能力の低下への自覚を促すとともに、自治体や企業も色のユニバーサルデザインに一層取り組む必要があると思われます。

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