親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ 高精細複製によるあたらしい日本美術体験」
東京国立博物館では、夏休みに向けて、親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ」を開催します。
今回の企画は、トーハク所蔵の名品「松林図屏風」および米国フリーア美術館所蔵の「群(ぐん)鶴図(かくず)屏風(びょうぶ)」の複製と映像のインスタレーションにより、屏風絵の世界を体感できる画期的な試みです。屏風は古来、装飾用あるいは間仕切りとして実用的にも使用されてきましたが、現代生活では遠い存在となってしまいました。今回は、複製画を利用することにより、映像空間とともにケースなしに向き合うことを可能にしました。絵師が屏風に描いた世界をより能動的に五感で楽しむことができます。
複製画は、キヤノン株式会社と特定非営利活動法人京都文化協会による「綴プロジェクト」の一環として高精細画像により制作されたものを使用、映像は、本企画のためにオリジナルで新規に作成しました。これまでになかった屏風の世界に入りこむ体感型展示は、大人も子どもも、日本人も外国人も、どなたでも自分なりにお楽しみいただける全く新しいアート体験です。
☆7月30日(日)はキッズデー☆
芝居仕立てのギャラリートークや子どもコンサートなど、一日博物館で遊べる子どもたちのための企画がいっぱいです。
1)「松林図屏風」の世界を体感! 本館特別5室「松林であそぶ」
特別5室は「松林図」の世界に遊ぶ体験型展示です。高さ約5メートル、直径約15メートルの半円形の大型スクリーンに映し出される映像と、松林図屏風の高精細複製画により、長谷川等伯の描いた松林の風と匂いをリアルに体感! 畳に座ってみるという、屏風本来の鑑賞スタイルで、松林図の世界を堪能できます。
【松林図屏風について】
●原品:長谷川等伯(1539~1610)筆 安土桃山時代・16世紀
紙本墨画、6曲1双、東京国立博物館蔵、国宝
●複製品:2008年製作、和紙に印刷、6曲1双
各156.8×356.0cm、東京国立博物館蔵
豊臣秀吉(1537~98)が、天下を統一した頃に描かれた日本の水墨画の最高傑作です。画面に大きく描かれた松の樹は、墨一色の線と濃淡の加減だけで描かれていて、松林が霞の間から見え隠れする様子や、木々の間を渡る爽やかな風まで実感できます。
この絵はある時、屏風に仕立てられたものですが、この松林の周囲にも、さらに風景が広がっていたようです。海や山々、里山の景色が遠くに描かれていたかも知れません。日本では松林を描いた風景画は、三保の松原や天橋立などが知られますが、この絵はいったい何処の松林を描いたものでしょうか。みなさんの記憶の中にあらわれる光景と重ねてみることで、潮騒が聞こえ、海辺の湿った空気や松の香り、鳥たちが木々の間を飛び交う姿さえ見えてくることでしょう。
2)「群鶴図屏風」の世界でたわむれる 本館特別4室「つるとあそぶ」
特別4室では、「群鶴図」に鶴が降り立つ不思議な世界を演出します。展示室に入ると、大きなスクリーンで鶴が羽ばたき、地面に降り立ちます。そして、最後は江戸時代に活躍した琳派の雄、尾形光琳(おがた・こうりん)が作り出した金屏風の中へ。鑑賞者の動きに合わせて鶴が動くインタラクティブな演出や、金屏風の美しさを引き出す光の演出とともに群鶴図の世界を楽しめます。
【群鶴図屏風について】
●原品:尾形光琳筆 江戸時代・17~18世紀
紙本金地着色、6曲1双、米国・フリーア美術館蔵
●複製品:2012年製作、和紙に印刷・金箔貼付、6曲1双
各166.0×371.0cm、東京都美術館(公益財団法人 東京都歴史文化財団)蔵
江戸時代の元禄文化の華やかなりし頃に描かれた鶴の群れ頃に描かれた鶴の群れ。同じ向きですらりと立つ姿は実際の鶴より、かなりスマートです。
光琳は高級呉服商の息子でしたが、着物の柄の型のように、同じ姿形の鶴がリズミカルに配置されて、そのうち数羽が異なるしぐさです。ちょっと見たところ鶴は、動きがなく固まっているようですが、屏風を見る場所を移すと、金の照り返しの具合が変わって、鶴たちが動いて見えるはずです。写真のように本物の鶴を描かないことで、かえって動きを感じることができるのです。背景の金がきらきらと光って、水を含んだ湿った地面に見えるかも知れません。この絵を見ることで、上空からさらに鶴の一群が舞い降りて、餌をついばみ、恋の相手を呼ぶ泣き声や、姿が目の前に広がってくることでしょう。
【関連事業】
●みんなで遊ぼう!ハンズオンコーナー 「びょうぶにさわる」
屏風はどんなふうにつくられているの? パネルの曲げ方を変えると絵はどんなふうに見える? 屏風のミニチュアで遊びながら、屏風について楽しく学べるコーナーです。
会期中毎日 10:00~閉館時間まで
●ワークシートで自分だけのびょうぶをつくってみよう
自分で絵を描いてびょうぶをつくることができるワークシートを配布します。
会期中毎日配布
●ワークショップ 「びょうぶをつくる」
屏風の鑑賞と研究員によるレクチャーののちにオリジナルのびょうぶつくりを体験するワークショップです。自分だけの松林図をデザインし、昔の屏風と同じ構造の屏風に仕立ててみましょう。
日時 :(1)8月13日(日) (2)8月20日(日) 各日10:00~12:30
会場 :本館地下みどりのライオン(教育普及スペース)
対象 :小学生とその保護者
定員 :10組(応募者多数の場合は抽選)
参加費 :無料(ただし、当日の入館料が必要)
申込方法:当館ウェブサイトのフォームでお申し込みください。
申込締切:(1)(2)ともに7月20日(木)必着
【親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ 高精細複製によるあたらしい日本美術体験」 開催概要】
開催期間:7月4日(火)~9月3日(日)
開催場所:東京国立博物館(上野公園) 本館特別4室・特別5室
開館時間:9:30~17:00
※金・土曜は~21:00、日曜・祝日は~18:00。入館は閉館の30分前まで。
休館日 :月曜 ※7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館、7月18日(火)は休館
観覧料 :一般620円(520円)/大学生410円(310円)
※総合文化展も観覧できます。
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、および満18歳未満と満70歳以上の方は無料。
入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
※障がい者とその介護者1名は無料。
入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
※子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した方
(子ども1名につき同伴者2名まで)は、団体料金で観覧できます。
※特別展は別料金
主催 :東京国立博物館、キヤノン株式会社
協力 :京都文化協会
「びょうぶとあそぶ」公式サイト: http://canon.jp/byobu
東京国立博物館WEBサイト: http://www.tnm.jp
今回の企画は、トーハク所蔵の名品「松林図屏風」および米国フリーア美術館所蔵の「群(ぐん)鶴図(かくず)屏風(びょうぶ)」の複製と映像のインスタレーションにより、屏風絵の世界を体感できる画期的な試みです。屏風は古来、装飾用あるいは間仕切りとして実用的にも使用されてきましたが、現代生活では遠い存在となってしまいました。今回は、複製画を利用することにより、映像空間とともにケースなしに向き合うことを可能にしました。絵師が屏風に描いた世界をより能動的に五感で楽しむことができます。
複製画は、キヤノン株式会社と特定非営利活動法人京都文化協会による「綴プロジェクト」の一環として高精細画像により制作されたものを使用、映像は、本企画のためにオリジナルで新規に作成しました。これまでになかった屏風の世界に入りこむ体感型展示は、大人も子どもも、日本人も外国人も、どなたでも自分なりにお楽しみいただける全く新しいアート体験です。
☆7月30日(日)はキッズデー☆
芝居仕立てのギャラリートークや子どもコンサートなど、一日博物館で遊べる子どもたちのための企画がいっぱいです。
1)「松林図屏風」の世界を体感! 本館特別5室「松林であそぶ」
特別5室は「松林図」の世界に遊ぶ体験型展示です。高さ約5メートル、直径約15メートルの半円形の大型スクリーンに映し出される映像と、松林図屏風の高精細複製画により、長谷川等伯の描いた松林の風と匂いをリアルに体感! 畳に座ってみるという、屏風本来の鑑賞スタイルで、松林図の世界を堪能できます。
【松林図屏風について】
●原品:長谷川等伯(1539~1610)筆 安土桃山時代・16世紀
紙本墨画、6曲1双、東京国立博物館蔵、国宝
●複製品:2008年製作、和紙に印刷、6曲1双
各156.8×356.0cm、東京国立博物館蔵
豊臣秀吉(1537~98)が、天下を統一した頃に描かれた日本の水墨画の最高傑作です。画面に大きく描かれた松の樹は、墨一色の線と濃淡の加減だけで描かれていて、松林が霞の間から見え隠れする様子や、木々の間を渡る爽やかな風まで実感できます。
この絵はある時、屏風に仕立てられたものですが、この松林の周囲にも、さらに風景が広がっていたようです。海や山々、里山の景色が遠くに描かれていたかも知れません。日本では松林を描いた風景画は、三保の松原や天橋立などが知られますが、この絵はいったい何処の松林を描いたものでしょうか。みなさんの記憶の中にあらわれる光景と重ねてみることで、潮騒が聞こえ、海辺の湿った空気や松の香り、鳥たちが木々の間を飛び交う姿さえ見えてくることでしょう。
2)「群鶴図屏風」の世界でたわむれる 本館特別4室「つるとあそぶ」
特別4室では、「群鶴図」に鶴が降り立つ不思議な世界を演出します。展示室に入ると、大きなスクリーンで鶴が羽ばたき、地面に降り立ちます。そして、最後は江戸時代に活躍した琳派の雄、尾形光琳(おがた・こうりん)が作り出した金屏風の中へ。鑑賞者の動きに合わせて鶴が動くインタラクティブな演出や、金屏風の美しさを引き出す光の演出とともに群鶴図の世界を楽しめます。
【群鶴図屏風について】
●原品:尾形光琳筆 江戸時代・17~18世紀
紙本金地着色、6曲1双、米国・フリーア美術館蔵
●複製品:2012年製作、和紙に印刷・金箔貼付、6曲1双
各166.0×371.0cm、東京都美術館(公益財団法人 東京都歴史文化財団)蔵
江戸時代の元禄文化の華やかなりし頃に描かれた鶴の群れ頃に描かれた鶴の群れ。同じ向きですらりと立つ姿は実際の鶴より、かなりスマートです。
光琳は高級呉服商の息子でしたが、着物の柄の型のように、同じ姿形の鶴がリズミカルに配置されて、そのうち数羽が異なるしぐさです。ちょっと見たところ鶴は、動きがなく固まっているようですが、屏風を見る場所を移すと、金の照り返しの具合が変わって、鶴たちが動いて見えるはずです。写真のように本物の鶴を描かないことで、かえって動きを感じることができるのです。背景の金がきらきらと光って、水を含んだ湿った地面に見えるかも知れません。この絵を見ることで、上空からさらに鶴の一群が舞い降りて、餌をついばみ、恋の相手を呼ぶ泣き声や、姿が目の前に広がってくることでしょう。
【関連事業】
●みんなで遊ぼう!ハンズオンコーナー 「びょうぶにさわる」
屏風はどんなふうにつくられているの? パネルの曲げ方を変えると絵はどんなふうに見える? 屏風のミニチュアで遊びながら、屏風について楽しく学べるコーナーです。
会期中毎日 10:00~閉館時間まで
●ワークシートで自分だけのびょうぶをつくってみよう
自分で絵を描いてびょうぶをつくることができるワークシートを配布します。
会期中毎日配布
●ワークショップ 「びょうぶをつくる」
屏風の鑑賞と研究員によるレクチャーののちにオリジナルのびょうぶつくりを体験するワークショップです。自分だけの松林図をデザインし、昔の屏風と同じ構造の屏風に仕立ててみましょう。
日時 :(1)8月13日(日) (2)8月20日(日) 各日10:00~12:30
会場 :本館地下みどりのライオン(教育普及スペース)
対象 :小学生とその保護者
定員 :10組(応募者多数の場合は抽選)
参加費 :無料(ただし、当日の入館料が必要)
申込方法:当館ウェブサイトのフォームでお申し込みください。
申込締切:(1)(2)ともに7月20日(木)必着
【親と子のギャラリー「びょうぶとあそぶ 高精細複製によるあたらしい日本美術体験」 開催概要】
開催期間:7月4日(火)~9月3日(日)
開催場所:東京国立博物館(上野公園) 本館特別4室・特別5室
開館時間:9:30~17:00
※金・土曜は~21:00、日曜・祝日は~18:00。入館は閉館の30分前まで。
休館日 :月曜 ※7月17日(月・祝)、8月14日(月)は開館、7月18日(火)は休館
観覧料 :一般620円(520円)/大学生410円(310円)
※総合文化展も観覧できます。
※( )内は20名以上の団体料金
※高校生以下、および満18歳未満と満70歳以上の方は無料。
入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。
※障がい者とその介護者1名は無料。
入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。
※子ども(高校生以下および満18歳未満)と一緒に来館した方
(子ども1名につき同伴者2名まで)は、団体料金で観覧できます。
※特別展は別料金
主催 :東京国立博物館、キヤノン株式会社
協力 :京都文化協会
「びょうぶとあそぶ」公式サイト: http://canon.jp/byobu
東京国立博物館WEBサイト: http://www.tnm.jp
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