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ABB、画期的な電力技術の誕生10周年を祝う

洋上風力発電を可能にしたHVDC Light技術が10周年を迎えました。

企業動向
2009年12月10日 10:00
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(チューリッヒ、2009年11月19日発表) - 電力技術とオートメーション技術のリーダー、ABBのHVDC Light技術は、世界初の商用化から10周年を迎えました。HVDC Lightは、送電分野の新しい可能性を切り開いた革新的技術です。

ABBは、50年以上も前に直流送電(HVDC)技術を開発しました。さらに10年前より、HDVC Light技術を適用した、洋上風力発電基地の建設、長距離地中ケーブル送電など、多彩な新しい送電を次々と実現してきました。この新技術は、過去10年間で4大陸すべてに導入されることとなりました。

直流送電は、(商用周波数)交流送電と比べて送電損失が少なく、送電線用地や変電所などのシステムの専有面積も小さくてすみます。HVDC Lightは、IGBT(絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)を用いた電圧型コンバータ(VSC)によって交直変換をおこなっています。

1997年、スウェーデンのヘルション-グレンゲスベルグに10キロボルト(kV)の試験用HVDC Light送電システムが完成し、今から10年前、スウェーデンのゴットランド島にHVDC Lightの実用設備が導入されました。

1990年代、スウェーデンのバルト海海岸から90kmの沖合にあるゴットランド島にはすでに40メガワット(MW)を超える風力発電基地があり、大規模な新しい施設も計画されていました。そのため、送電容量を増やす必要があり、さらに系統の電力の品質を維持する方法も求められていました。出力が安定しない風力発電は、電圧低下や周波数変動を生じる恐れがあるためです。

ゴットランド島の設備が稼働して以来、ABBは20カ所以上の変換所の現地調整を完了しました。それらは合計で約1,500kmのHVDC Lightケーブルで接続され、28,000個以上のIGBTを使用しています。現在、以下のプロジェクトが進行中です。

・BorWin1:ドイツ北海沿岸から125kmの400MWの洋上風力発電所を結ぶ送電系統。
・East West Interconnector:アイルランドとウェールズをつなぐ長さ256km、500MWの系統連系線。
・Caprivi Link Interconnector:ナミビアに設置する長さ970km、300MWの系統連系線。

ご注目いただきたい点として、現在のHVDC Lightは、1,100MWレベルまで容量を拡大していることです。これにより、長距離送電、既存電力網の強化、洋上発電所との系統連系、僻地に設置される太陽光といった再生可能エネルギー電力の消費地への送電など、HVDC Light技術による様々な用途の可能性が拡がっています。

■ABBについて ( http://www.abb.com/ )
ABBは、世界のおよそ100カ国に120,000人の従業員を擁する電力技術とオートメーション技術のリーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながらお客さまの業務効率を最適化するソリューションの数々を、産業界と公益事業の皆さまに提供しています。

■ABB株式会社について ( http://www.abb.co.jp/ )
ABBの日本法人であるABB株式会社は、国内において電力およびオートメーション事業を、製造、販売、サービス分野にわたって展開しています。
また、ABBの日本国内における活動は、ABB株式会社と3つの合弁事業から構成されており、ABBジャパングループとして約750名の従業員、12都市にわたる販売/サービスネットワークを擁しています。