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AIを活用した道路路面診断サービスのトライアルについて ~ICTによる道路メンテナンスサイクルの効率化をめざして~

 西日本電信電話株式会社(代表取締役社長:村尾 和俊、以下、NTT西日本)は、効率的な道路メンテナンスサイクルの確立に向けてAIを活用した道路路面診断サービスのトライアルを実施します。

 本トライアルでは、NTT西日本とICT連携協定を締結している堺市の道路においてサービスの有用性を検証し、早期の商用化をめざします。



1.背景

 高度成長期に集中的に整備された舗装道路は建設後40年以上が経過し、老朽化が進行しています。道路の適時適切な修繕による予防保全型管理の必要性が高まる中、広範囲な道路の点検、診断にかかるコストや労力が大きな課題となっています。

 このような背景のもと、NTT西日本はAIを活用した安価かつ効率的な道路路面診断の実現により道路維持管理の課題解決に貢献すべく、今回のトライアルを実施いたします。



2.トライアルの概要

(1)実施内容

 本トライアルでは、AIを活用して、道路路面性状に関する「データ収集」「データ解析・診断」「解析・診断結果の視える化」をワンストップで実施します。これによって、従来の高価な機材や専用車両を用いた手法に対するコスト優位性、道路パトロールによる目視点検に対する効率化を検証します。(従来点検との違いは【別紙】を参照)


図1 サービス概要


<1>データ収集

 市販のビデオカメラとスマートフォンを一般車両に設置し走行することで、道路路面性状を解析・診断するためのデータを収集します。


<2>データ解析・診断

 収集したデータをNTTグループが有する高度なフィルタリング技術やAIを活用して解析を行い、路面点検における主要な指標である「平たん性(乗り心地 IRI※1)」「ひび割れ※2」「わだち掘れ※3」に準拠する値を算出します。


※1 IRI(International Roughness Index:国際ラフネス指数)とは舗装の平たん性(乗り心地)を客観的に評価する尺度。IRIの算出は、JIPテクノサイエンス株式会社(以下、JIPテクノサイエンス)と連携して行います。IRI算出にかかわる技術は、内閣府の「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP) インフラ維持管理・更新・マネジメント技術」の研究として、JIPテクノサイエンスと東京大学2機関(工学系研究科、生産技術研究所)で実証・開発を進めています。

※2 ひび割れの検出にはエヌ・ティ・ティ・コムウェア株式会社の「Deep Learning画像認識プラットフォーム(Deeptector(R))」を活用します。これはNTTグループのAI「corevo(R)」を構成する「画像不適切度合い判定技術」「ディープラーニングによるリアルタイム人物検出技術」「道路不具合自動検出システム」で共通に利用されるAI技術をプラットフォーム化したものです。

「corevo(R)」は日本電信電話株式会社の商標です。( http://www.ntt.co.jp/corevo/ )

※3 わだち掘れとは道路走行部分に縦断方向に連続して生じた凸凹。本トライアルでは、AIを活用したわだち掘れ検出・解析技術の開発および性能向上を行います。


<3>解析・診断結果の視える化

 Web地図上に解析・診断結果をマッピングすることにより、損傷状況の把握、異常箇所の特定を容易にします。また、Web地図上に表示されたアイコンをクリックすることで路面画像を表示し、「ひび割れ」等の状況確認を可能にします。


<4>LCC※4算定のシミュレーション

 診断結果を活用し、予防保全対策を考慮した最適な修繕計画策定をサポートします。


※4 LCC(Life Cycle Cost:ライフサイクルコスト)

計画・設計・施工から、その維持管理、最終的な解体・廃棄までに要する費用の総額



(2)検証項目(本サービスの導入による期待効果)

 ・コスト低減:高価な機材や専用車両が不要となるため、点検コストの低減が期待できます。

 ・点検効率向上:フィルタリング技術やAIを活用した損傷状況の自動検出により、目視点検に対する点検効率の向上が期待できます。



(3)実施期間

 2017年11月~2017年12月末



(4)実施エリア

 堺市内の生活道路 約200km



3.今後の展開

 NTT西日本では、本トライアルで得られたノウハウや道路管理者のご意見・ご要望を反映し、道路路面診断サービスの早期商用化をめざします。

 また将来的には、道路路面診断をベースとしてAIのさらなる活用により路面表示や標識、街路灯など、さまざまな道路構造物の画像データ取得や異常検出にもメニューを拡大し、幅広い道路インフラの維持管理効率化に貢献するサービスの開発をめざします。



【別紙】従来の点検方法との違い

https://www.atpress.ne.jp/releases/142914/att_142914_1.pdf

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