atpress

ABB、ネットワーク管理事業強化のため、ベンティクス社を買収

~買収により、ABBはエネルギー管理ソフトウェア、 スマートグリッドの領域において主要プレーヤーへ~

企業動向
2010年5月10日 12:00
FacebookTwitterLine
(チューリッヒ、5月5日発表) - 世界的な電力とオートメーション技術グループ、ABBは、ビスタエクイティパートナーズ社より、ベンティクス社(Ventyx,Inc.)を10億米ドルあまりで獲得することに合意しました。これにより、ABBは、エネルギーネットワーク管理ソリューションソフトウェアの主要プロバイダとなります。

ベンティクス社は、世界のエネルギー、公益事業、通信や他の資本集約型事業向けに、設備管理、モバイル作業管理、エネルギー商取引およびリスク管理、エネルギー関連業務、エネルギー解析を含む様々なソリューションを提供するソフトウェアプロバイダです。また、再生可能エネルギーを含む電力需要計画、予想のためのソフトウェアソリューションも提供しています。

ABBは、パワーシステムディビジョン内の関連するネットワーク管理事業を、ベンティクス社の事業と一体化し、エネルギー管理ソフトウェアソリューションを単一のユニットとします。ABBはこれにより、ユーティリティエンタープライズ管理市場へより広範なアクセスを得ることとなり、この買収は、従来の3倍のエネルギー管理ソフトウェア市場をABBにもたらします。

「エネルギー会社、公益事業、産業界のお客さまへの大きな利点は、事業を通じた情報通信プラットフォームと、パワーオートメーションシステムを、ワンストップで得られるということです。」とABBの最高経営責任者、ジョー・ホーガンは述べています。「また、株主の皆さまにとっての利点は、これが成長著しい活気に満ちた市場への、現金を生み出す買収であり、素晴らしい経営陣と、大変評判の良い製品群、地理的優位性、そして魅力的な使用総資本利益率が得られることです。」

ジョージア州アトランタに本拠を置くベンティクス社は、米国、欧州市場に大規模な設置基盤を有しており、40カ国以上で操業しています。産業全般のほか、米、欧の大手電力公益企業もお客さまです。従業員は900人、2009年度の収益は約2億5千万米ドルでした。

この買収は、ABBの製品、技術、地理的ポートフォリオを補完する成長機会を追求するというABBの戦略に沿ったものです。この取引は慣習法および規制機関の承認を前提とするもので、ABBとしては、取引は第2四半期に完了すると見込んでいます。ABBは、本買収の決済を現金で行う予定です。

ベンティクス社の社長 兼 経営最高責任者、ビンス・バーケットは、「ベンティクス社の優れたソフトウェアと、ABBの電力業界における類まれな知識とシステムを組み合わせれば、急速に発展するエネルギーネットワークの課題に応えることのできるソリューションを提供する、理想的な事業を創り出すことができるでしょう。」と述べています。

ベンティクス社の主なソフトウェアアプリケーションは、公益事業、系統運用者のお客さまに、発電と電力消費のよりよいマッチングのために必要な情報を、家庭レベルに至るまで提供します。リアルタイムの電力需要、プライシング、供給力に関する情報を提供することによって、ベンティクス社のソフトウェアは公益事業のお客さまに、スマートグリッド、およびカーボントレーディングから収益を上げるための実践的なビジネスモデルを構築することができます。

ベンティクス社のロードカーブ予測ソフトウェアは、風力、太陽光発電など、予想の難しい再生可能エネルギーの電力系統への統合を支援します。同社は、公益事業とエンタープライズシステムを、バリューチェーン全体にわたって完全に統合するための他の資産管理アプリケーション、ネットワークの欠陥を効率的に解消することを支援する包括的なサービススイートも提供しています。

ビスタエクイティパートナーズ社は、サンフランシスコを本拠とする、投資先企業の企業価値向上を旨とする投資家で、専門性を活かし、企業が全ての可能性を実現することをあらゆる段階で支援します。


■ABBについて ( http://www.abb.com/ )
ABBは、世界のおよそ100カ国に117,000人の従業員を擁する電力技術とオートメーション技術のリーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながらお客さまの業務効率を最適化するソリューションの数々を、産業界と公益事業の皆さまに提供しています。


■ABB株式会社について ( http://www.abb.co.jp/ )
ABBの日本法人であるABB株式会社は、国内において電力およびオートメーション事業を、製造、販売、サービス分野にわたって展開しています。
また、ABBの日本国内における活動は、ABB株式会社と3つの合弁事業から構成されており、ABBジャパングループとして約700名の従業員、12都市にわたる販売/サービスネットワークを擁しています。