ABBの状態管理システムが、世界一エネルギー効率の高いクルーズ客船の 省エネ電気推進システムに、24時間体制の遠隔モニタリングを提供

セレブリティクルーズ社が2008年11月に就航を開始したセレブリティ・ソルスティス号は、同社が所有する豪華クルーズ船である「ソルスティス・クラス」へ新たに加わった5隻のうちの最初の船です。セレブリティ・ソルスティス号をはじめとするこのクラスは、海上における最もエネルギー効率の高いクルーズ船となるべく設計されています。

セレブリティ・ソルスティス号

船を所有する同社によれば、設計や船体にエネルギー効率の良い技術を広く適用しているため、他の類似した船と比較して、エネルギー消費を30％低減しています。その技術とは、ソーラーパネル、LED(発光ダイオード)照明装置、低エネルギーHVACシステム(暖房、換気、空調)、流体力学の最適化、そして航行する際の抵抗を減らすシリコン船体コーティングなどです。

これらの省エネ技術のなかでも際立っているのが、ABBの電気推進システム「Azipod(R)」です。このシステムにより、クルーズ船などを含む外海を移動する船舶のエネルギー消費が、10～15％削減されました。

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過去20年間に新たに建造されたクルーズ船のおよそ30％に「Azipod(R)」が搭載されています。
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セレブリティクルーズ社のようなクルーズ船運航業者にとって、「Azipod(R)」の稼働率確保は非常に重要な課題です。そのためABBは、セレブリティ・ソルスティス号とその姉妹船であるセレブリティ・イクノス号(2009年進水)に独自の包括的な推進状態管理システム「PCMS」を取り付けました。

「Azipod(R)」の稼働率はすでに99.6％という優れたレベルにありますが、ABBの推進状態管理システム「PCMS」は船舶にさらなる防衛線を張り、予期せぬ脅威にも支障なく稼動できるようになっています。

「PCMS」は推進プロセスの重要要素を選び出し、そこからプロセスデータを連続的に収集・分析し、システム動作の連続像を組み立てます。この像はABBの技術者が遠隔アクセスできるようになっています。

他の推進状態管理システムに比べて「PCMS」が優れているのは、船の性能にとって重要な推進システム全体から他の搭載システムにいたるまで、モニターできる範囲が格段に広いという点です。

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「PCMS」独自の状態モニタリング機能は、以前では不可能であった広い範囲をカバーできます。
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セレブリティ・ソルスティス号はセレブリティクルーズ社によって所有・運航されていますが、同社は世界最大級のクルーズ船運航業者ロイヤル・カリビアン・クルーズの傘下にあります。世界最大のクルーズ船である巨大なオアシス・クラスも含め、ロイヤル・カリビアン社のクルーズ船のほぼ半数に「Azipod(R)」が搭載されています。

「Azipod(R)」は低燃費であるばかりでなく、より少ない電力でより高速、優れた操縦性、ノイズ・振動軽減、コンパクトなフットプリント、独自の流体力学的な高効率性といった特徴があります。


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