「新しい熊本市」の創造に向けて、熊本市様とともに「クラウドソ...

「新しい熊本市」の創造に向けて、熊本市様とともに 「クラウドソリューションを活用した 働き方改革基盤構築プロジェクト」を開始

 熊本市と日本マイクロソフトは、デジタルトランスフォーメーションによる市職員および教職員(計12,500名)の働き方改革の推進を目指して連携し、2018年4月3日(火)より、「クラウドソリューションを活用した働き方改革基盤構築プロジェクト」を開始しました。


熊本市長 大西 一史(向かって右)と日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野 拓也(向かって左)


 熊本市では、同プロジェクトの推進にあたり、日本マイクロソフトと連携して2019年4月までに、マイクロソフトのクラウドベースの統合ソリューション「Microsoft 365」(注1)を活用した基盤を構築することで、職員間および教職員間の情報交換を活性化し、迅速な意思決定を加速、市が推進する「多彩なライフサイクルに合わせた行政サービスの向上」に一層拍車をかけ、市民への情報提供を活発にし、コラボレーションをより深め、行政改革の徹底的な推進を目指します。

 日本マイクロソフトは、熊本市のITパートナーとして、デジタルトランスフォーメーションによる働き方改革の推進を支援していきます。



[経緯]

 2016年4月に発生した熊本地震は、短期間に近接した場所で震度7の揺れを2回記録した、気象庁の観測史上初めての地震であり、大きな被害をもたらしました。最も多かった時で約11万人の方が267か所の避難所に避難され、交通網も寸断されたことから、避難所、市役所、物資拠点の間で円滑に情報を共有し、できるだけ効率的に支援物資を届けるための、情報共有の仕組みが求められていました。

 日本マイクロソフトは、2011年に発生した東日本大震災の際に、被災された複数の自治体において、復旧・復興の様々な場面で Microsoft Azure や Office 365 などのクラウドサービス活用いただいた経験があり、その経験もふまえて、熊本市に同様の情報共有基盤と自社デバイス(Surface)の提供をご提案し、ご活用いただきました。のちに「くまもとRねっと」(Restoration(復旧) & Reconstruction(復興))と呼ばれるようになったこのシステムにおいて、日本マイクロソフトは、ユニバーサル志縁センターと連携し、東日本大震災以来、支援連携してきた、特定非営利活動法人 @リアスNPOサポートセンターなどの団体にも参加いただき、災害からの復興経験の共有とアドバイスも熊本市にご提供しました。くまもとRねっとにより、避難所、市役所、物資拠点のご担当者が、日々の様々なニーズや、復興の段階に応じて変化する環境にも柔軟に対応しながら、円滑な運営や復興支援に取り組めるようになったと伺っています。


[ビデオ]災害を乗り切り豊かな市民生活をめざす『上質な都市』熊本へ( https://www.youtube.com/watch?v=vSu19ePMm-g )


 2017年6月には、当社代表取締役 社長の平野 拓也が熊本市役所に招かれ、熊本地震後の当社の取り組みに対して、大西 一史 熊本市長より感謝状をいただきました。平野は、熊本市の復興に向けて市長と意見交換をさせていただくとともに、被害を受けた熊本城など市内の状況を視察しました。


 熊本市では、くまもとRねっとの利用により、行政のICT基盤をクラウド上に置くことの重要性と有効性を確認できたことから、さらに災害に強い ICT基盤をクラウドソリューションで構築することを検討されるようになりました。また、熊本地震からの復興を加速し、本格的に「新しい熊本市」の創造に取り組むため、2017年4月に改革プロジェクト推進課を組織し、「C-ACTION」というキャッチコピーの元、職員の意識改革や働き方改革に着手してきたものの、現行のICT基盤では、業務に必要な資料の活用や、職員間のコラボレーションにおける自由度や即応性が十分でなく、ICTを効果的に活用した働き方改革の推進に課題を抱えていました。

 熊本市では、職員間および教職員間の情報交換を活性化し、迅速な意思決定を加速、市が推進する「多彩なライフサイクルに合わせた行政サービスの向上」に一層拍車をかけ、市民への情報提供を活発にする、行政改革の徹底的な推進を目指されており、くまもとRねっとで活用したOffice 365を含む統合ソリューションであるMicrosoft 365 を導入することで、自由度の高いシステムを構築できること、また、「働き方改革推進会社」である当社のノウハウや経験、ツールを活用したデジタルトランスフォーメーションにより、働き方改革を正しい方向へ進められるとお考えになり、当社と連携して、「クラウドソリューションを活用した働き方改革基盤構築プロジェクト」を開始されることにしました。


 同プロジェクトでは、熊本市立小中高等学校の教職員、約4,500名の働き方改革も対象としており、Microsoft 365 Educationの導入によって、教育現場で顕在化している教職員の長時間労働を軽減し、児童や生徒とふれあう時間を増やすことも目指しています。



[連携内容]

熊本市と日本マイクロソフトは連携して下記を行います。


1.市職員の働き方改革

●Microsoft 365をフル活用した、市民サービスの提供:

パブリッククラウドをベースとしたMicrosoft 365を全庁で採用することで、時間や場所にとらわれない市民サービスの提供や、市民協働を推進するための環境を整備します。配備済のタブレットデバイス(約600台)においてMicrosoft 365を先行利用し、市民からの問い合わせ対応などに Skype for Business(注2) を活用し、本庁とオンラインで接続してサポートするなどの、市民向けサービスにおける活用シナリオを検証します。


●AIを含む最新技術の活用を前提とした、職員の働き方改革を検証・実現:

膨大かつ複雑な処理が必要となった現行システムでの業務に対して、AIのチャットボットなどを活用することで、職員の業務量を軽減しながらも、さらに充実した市民サービスの実現を目指します。市民からの問い合わせ対応、窓口支援、施設予約などを、プロトタイプを作成し検証するほか、外国人対応のための多言語化も予定しています。


●ビッグデータやAI活用による、労働状況の可視化と改善:

 ●AIが日々の働き方を分析し助言する、マイクロソフトの生産性分析ツール

 「Microsoft MyAnalytics」(注3)を全庁職員が使用し、

  働き方を可視化したり、

  AIによる助言を元に、改善のための「気づき」を得て、

  非効率的な会議を削減するなどの業務改善を行うほか、

  その過程で作成された、各職員の働き方に関する

  客観性の高い基礎データを、働き方改革の進捗確認に活用します。

 ●日本マイクロソフトの社員の働き方ノウハウや社内実証データを

  熊本市に提供し、働き方改革における、行政機関と民間企業との違いを

  比較し、両者の働き方改革の推進に活用します。


●災害に備え、官民連携を含めた強化基盤を構築:

 ●クラウドサービスの特性を最大限に利用し、平常時の情報インフラを、

  そのまま非常時の連携手段の情報基盤として転用できるよう整備するほか、

  災害時に庁内情報基盤を活用することで、必要な人材、物資、資金等の

  リソースの割り当てを最適化できるようにします。

 ●東日本大震災において災害復興支援に活躍されたNPOと連携して、

  「地域情報ネットワーク(みんなの縁側)」を立ち上げ、

  そのノウハウを共有することで官民連携の強化を図ります。

 ●新しい支援方法を自律的に生み出せる情報基盤として、発展性を

  持った仕組みを検証します。


2.教職員の働き方改革

 熊本市は、全136校の市立小中高等学校の教職員に対して、Windows 10 搭載デバイスを整備し、校務・教務クラウドシステムを活用して、文書のデジタル化・情報共有による印刷文書とそのコストの削減、授業コンテンツの共有、テレワークの運用などにより、校務の効率化と時間外労働の縮減を図ることで、教職員の働き方改革を推進します。


[共同記者会見での発表内容]

 4月3日(火)に、日本マイクロソフト品川本社オフィスで開催した共同記者会見から、熊本市 大西 一史 市長と日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野 拓也の発表内容の一部をご紹介します。


 熊本市 大西 一史 市長の発表内容:

 平成30年度のスタートを切ったばかりですが、熊本市においては、今年度は、熊本市の震災復興計画の折返しとなる年であり、被災された方々の生活再建など震災復興を加速化することを最優先に取組んでいるところです。併せて、限りある経営資源である「ひと・もの・かね」・そして「情報」をいかに効率的に投入し、ワーク・アンド・ライフのバランスをとりながら、市役所の働き方改革を行っていくのかが、鍵になるのではないかと感じております。

 本市の庁内ネットワークシステムを再構築するに当たりまして、Microsoft 365をフル装備する予定で、これをフル活用すべく、働き方改革の最先端をいく日本マイクロソフト社の改革マインドを含めて全面的に導入したいと思っておりまして、この会見前にオフィスで働く社員の皆様方の様子を拝見し、私ども自治体の働き方を変えていくために必要なパートナーであることを改めて感じ入ったところです。

 マイクロソフト社のMicrosoft 365にある AI を使うと、個々人への働き方のアドバイスを得ることができると伺っており、世界中の労働者の行動分析されたデータ(エビデンス)に基づくアドバイスを得ながら、相当な効果あるものが期待できるのではないかと感じているところです。これらのことから、熊本市が導入するMicrosoft 365をもって、働き方改革の先端を走る日本マイクロソフト社のノウハウが不可欠であると確信いたしました。

 被災者支援に集中して取り組む体制をとる。上質な生活都市を実現する市役所を再構築するという課題に取り組む。何よりも、日本マイクロソフト社と同じ働き方改革のマインドを持つ職員に変えていかなければならないし、日本マイクロソフト社と同じような社風、文化を熊本市に導入することができたときに、真の働き方改革が実現できると考えております。


 日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野 拓也の発表内容:

 日本マイクロソフトでは、2年前に熊本地震が発生した直後から、何とか復旧・復興活動の中でお役に立ちたいという思いから、微力ではありますけれども、ご支援をさせて頂きました。これまでの2年間の協力関係を発展させ、このたび熊本市と日本マイクロソフトは、「クラウドソリューションを活用した働き方改革基盤構築プロジェクト」を開始することとなりました。2019年4月までに クラウドソリューション「Microsoft 365」を活用した基盤を構築し、市の職員や教職員の働き方改革を推進します。

 新たな基盤を構築することで、市の職員間および教職員間の情報交換を活性化し、迅速な意思決定を加速させ、市が推進する「多彩なライフサイクルに合わせた行政サービスの向上」に貢献するとともに、市民への情報提供を活発にし、コラボレーションをより深め、行政改革の徹底的な推進を目指します。

 今回の熊本市様の取り組みは、全国の自治体でも類を見ない、パブリッククラウドとAIを活用した、行政・教育の両方のICT環境の整備となります。地方自治体では最大規模のデジタルトランスフォーメーションの取り組みといえます。

 今後も日本マイクロソフトは、熊本市様のITパートナーとして、継続的な復興支援活動、そして働き方改革の推進を支援します。私自身も改めて熊本市の方へ訪問させていただき、このプロジェクトの進捗を把握し、協力をさせて頂きたいと思います。

 また、当社では、今回の熊本市様との取り組みの経験を、全国の他の自治体にも紹介し、パブリッククラウドやAIを活用した、自治体のデジタルトランスフォーメーションや働き方改革の推進を目指します。


本プロジェクトの詳細は下記をご参照ください。

https://news.microsoft.com/ja-jp/2018/04/03/180403-kumamoto-city-workstyle-innovation/


 (注1)Microsoft 365 は、最新の統合型情報共有クラウドサービス「Office 365」、最新オペレーティングシステム「Windows 10」、IDベースのセキュリティソリューション「Enterprise Mobility+Security」が含まれるインテリジェントな統合ソリューションです。

 (注2)Skype for Businessは、Office 365 に含まれる統合コミュニケーションツールとして、相手のプレゼンス(在籍状況)に合わせた最適なコミュニケーション手段を提供します。インスタントメッセージ、音声通話、オンライン会議、外線電話など、全てのコミュニケーションを一つのプラットフォームで実現します。

 (注3)MyAnalyticsは、Office 365 をベースとした「ワークスタイルビッグデータ」から働き方のデータを分析し、AIを活用して個人に気づきを提供します。会議やメールなどに費やしている時間を見える化し、社員自身が、AIを使って働き方を振り返ることで無駄な時間をなくしたり、コラボレーションを活性化して、付加価値の高い働き方を実現することをサポートします。

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