男性不妊症の新たな治療法:鍼治療による精液所見の改善効果を確認 日本アンドロロジー学会第37回学術大会で発表
「SR鍼灸 烏丸」を開院させ、男性不妊症患者への施術を行っている明治国際医療大学はり・きゅう学講座と京都府立医科大学泌尿器科学教室の共同研究で、鍼治療により精液所見の改善が確認され、「日本アンドロロジー学会第37回学術大会(2018年6月15日 於:ラ・スイート神戸オーシャンズガーデン)」で発表されました。
※なお、この演題は学会賞候補演題に選出されています。
【研究の背景】
近年本邦では少子化が問題となっていますが、不妊症カップルは増加しているため、改善が急務とされています。WHOの調査により、不妊症の約半数は男性の問題であると判明しましたが、男性不妊症の約8割が造精機能障害であり、その半数以上は原因不明で治療法が確立されていません。これらのことより、精液所見を改善させる新たな治療法が求められています。
※造精機能障害:精子を造る機能に異常がある状態
【研究概要】
成人男性(24名)を対象として、鍼治療が精液所見に及ぼす影響を検討したところ、精巣の血液循環と前立腺機能が向上することで、精子数の増加と精子運動率の上昇が認められました。また、乏精子症と乏精子症・精子無力症の併発症例では、鍼治療により精液所見が正常値に改善されました。
※ 乏精子症:精子の数が少ない状態
精子無力症:精子の動きが悪い状態
乏精子症と精子無力症の併発症例:精子の数が少なく、また少ない精子の動きも悪い状態
【臨床応用】
同研究グループは、この研究成果を臨床応用するため、京都市中京区に「SR鍼灸 烏丸」を開院させ、男性不妊症患者への施術を行っています。また、鍼灸は女性の不妊症にも有効であると報告されているため、同院では夫婦をともにケアすることを理念として、病院やクリニックと連携する生殖統合医療を推し進めることで不妊治療の成功率を上昇させる取り組みが行われています。今後、更なる検討が必要ではありますが、不妊治療に鍼灸を用いることは有用であると考えられます。
■「日本アンドロロジー学会第37回学術大会」発表概要
発表日:2018年6月15日
会場 :ラ・スイート神戸オーシャンズガーデン
演題 :鼠径部への鍼通電刺激による精液所見の改善効果
- 精漿成分と精巣血流を指標とした検討 -
発表者:伊佐治景悠 1,2)、邵仁哲 3)、林知也 4)、平尾穂那美 2)、
高羽夏樹 5)、角谷英治 2)、納谷佳男 5)
1) SR鍼灸 烏丸
2) 明治国際医療大学 はり・きゅう学講座
3) 京都第二赤十字病院 泌尿器科
4) 明治国際医療大学 スポーツ科学講座
5) 明治国際医療大学 泌尿器科学教室
■「臨床施設」概要
SR鍼灸 烏丸
院長 : 伊佐治景悠 鍼灸師/博士(鍼灸学)
所在地: 京都府京都市中京区木之下町299 Coto Glance 姉小路通 4B
TEL : 075-708-5532
URL : https://srshinkyu.com
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