バクスター、ポリフラックスHヘモダイアフィルター発売 ユニークな3層構造を有する PAES(ポリアリルエーテルスルホン)膜を用いた 血液透析濾過器によって血液透析療法ポートフォリオの拡充へ
バクスター株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:アニシュ・バフナ)は、2018年6月29日、末期腎不全の治療選択肢の一つである血液透析濾過療法(HDF)に使用するポリフラックスHヘモダイアフィルター(血液透析濾過器)の発売を発表しました。
本製品は中空糸膜を介して血液透析濾過を行うもので、慢性腎不全または急性腎障害など腎機能が著しく低下した症例に対し、尿毒症によって体内に貯留した水分や尿毒物質を除去します。
本製品に用いられているPAES膜は、独自の3層構造を有しています。また高い透水性を実現しています。なお、本製品は単回使用を目的としています。
血液透析療法分野においてバクスターは1983年に世界初の合成高分子膜AN69を用いたH12ヘモダイアライザー(積層型透析器)(*i)の承認を本邦にて取得、高齢の低栄養の患者さんに使用されるなど、信頼される製品として提供してまいりました。今般のポリフラックスHヘモダイアフィルター発売によって腎臓病領域のリーディングカンパニーとして、これからも日本の透析治療分野におけるニーズに応えてまいります。
販売名 :ポリフラックスHヘモダイアフィルター
サイズ(型番):140H 170H 210H
承認番号 :22900BZX00393000
価格 :24本入り66,000円
■血液透析療法について
血液透析(Hemodialysis、HD)は、腕の血管に針を刺し、ポンプを用いて血液を体外に取り出し、人工腎臓といわれるダイアライザー(透析器)に通すことによって、血液を浄化する方法です。体内にたまった尿毒素の除去や血液中のNa(ナトリウム)・K(カリウム)・Ca(カルシウム)といった電解質のバランスの調節をし、血液は再び体内に戻されます。
ダイアライザーの種類には、中空糸(ホローファイバー)型、積層型があります。中空糸型は約1万本位のストロー状の管が筒の中に固定されており、この筒の内側を血液が、外側に透析液が流れる構造になっています。積層型は数層の平らな固定版の間に透析膜をはさみ、透析膜の間を血液が流れ、透析膜と固定板の間を透析液が流れる構造になっています。中空糸型、積層型ともに、拡散や濾過の原理によって血液中の対象物質を移動させることによって除去します。患者さんは基本的に週三回程度、透析クリニックなどの専門医療機関において透析治療を受けます。
血液透析濾過療法(Hemodiafiltration、HDF)は、拡散中心の通常のHDに加え、体重増加分以上の限外濾過を行いながら、連続的に補充液で補う治療法です。また市販の補充液を用いるオフライン方式と清浄化された透析液を用いるオンライン方式があります。拡散のみでは抜けない中大分子量物質の除去効率が高まり、HDでは改善されない不定愁訴改善を目的に施行されています。
■慢性腎臓病(腎不全)について
慢性腎臓病(chronic kidney disease=CKD)は21世紀の国民病とも呼ばれており、日本で約1,330万人(20歳以上の成人の8人に1人)の患者さんがいると推計されています(*ii)。慢性腎臓病は糖尿病、高血圧などの生活習慣病、慢性腎炎などさまざまな原因で慢性に経過するすべての腎臓病を指します。体調の変化に気をつけていても早期発見は難しいとされるこの病気は、腎機能が約15%以下まで低下すると末期腎不全と呼ばれる状態になり血液透析、腹膜透析もしくは腎移植の腎代替療法の検討が必要となります(*iii)。日本では毎年約4万人近くの患者さんが末期腎不全によって血液透析、腹膜透析、腎移植の治療を新たに必要とされており、2016年末時点、全国で約33万人の透析患者さんがいると報告されています(*iv)。
腎代替療法は病状や体調などの医学的な状況と生活スタイル、生活環境などの社会的な側面を踏まえ、患者さんがご家族や主治医とともに相談して決めることが大切です。
■バクスター株式会社について
バクスター株式会社は世界的なヘルスケアカンパニー、米バクスターインターナショナルインクの日本法人です。腹膜透析、血液透析、さらに急性血液浄化治療にかかわる透析製品事業分野および吸入麻酔や局所止血材をはじめとするホスピタルプロダクト事業分野を中心とした医薬品、医療機器のリーディングカンパニーとして、イノベーティブな製品とサービスを提供し、日本の医療現場に貢献してまいります。
■バクスター(米バクスターインターナショナルインク)について
バクスターは、「患者さんの生命を守る」という使命のもと、慢性腎不全のための透析治療、急性期治療、静脈内輸液、インフュージョンシステム、非経口栄養剤、吸入麻酔薬、ジェネリック注射剤、外科用止血材やシーラント製品からなる幅広いポートフォリオを世界中で提供しています。
バクスターの拠点とその製品はその性質をもって新興国や先進国におけるヘルスケアへのアクセスを向上するうえで不可欠な役割を果たしています。
バクスターの従業員は医学を飛躍的に進展させてきた豊かな伝統を礎に、より良い患者ケアに寄与すべく次世代のヘルスケアイノベーションを推進しています。
会社名 :バクスター株式会社(Baxter Limited)
設立 :1969年3月27日
資本金 :39億3,000万円
本社所在地:[晴海トリトンオフィス]
〒104-6009 東京都中央区晴海1丁目8番10号
トリトンスクエア・オフィスタワーX 9階
[虎ノ門ヒルズオフィス]
〒105-6320 東京都港区虎ノ門1丁目23番1号
虎ノ門ヒルズ森タワー20階
代表者 :代表取締役社長 Anish Bafna(アニシュ・バフナ)
事業内容 :透析治療製品、急性血液浄化製品、薬剤投与システム製品、
サージカルケア製品の輸入、製造、販売など
(*i)医療機器承認番号 15700BZY00150000
(*ii)平成23年度厚生労働省CKDの早期発見・予防・治療標準化・進展阻止に関する研究班
(*iii)一般社団法人 日本腎臓学会 CKD診療ガイド2012
(*iv)一般社団法人 日本透析医学会 2016「わが国の慢性透析療法の現況」(2016年12月31日現在)
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