ABB、シェル社のオートメーションシステムを遠隔モニタリング

ABBは、シェル社のノルウェー海沖合の生産拠点、世界最大の深海ガス井戸と世界最長の海中ガスパイプラインにおける遠隔からの石油・ガスオートメーションシステムの操作、監視、管理業務を請け負っています。
ABBのソリューションは、石油・ガス業界が直面している次のような2つの大きな課題を解決します。

欧州第2の規模を誇るガス貯留地 Ormen Lange

a) 従来、高度な専門エンジニアの常駐を前提とするオートメーション・情報技術の急速な変化にどう対応するか

b) 専門家を遠く離れた沖合や陸地に常駐させるためにかかるコストを、生産性や安全性を損なうことなくどう削減するか。


■ABBのService Environmentのコンセプトは、オートメーション・情報技術の急速な進歩に対応するために開発されました。


Service Environment(TM)として知られるABBのソリューションは、ノルウェーの大陸棚におけるシェル社の最も大きくかつ複雑な生産拠点のうち、2箇所(Draugen油田とOrmen Langeガス井戸)において上記の課題に有効な対処をしています。このソリューションにより、ABBの担当者は、ノルウェーの陸上にある3箇所の遠隔モニター指令室(ABB remote monitoring and operations rooms: ARMOR(TM))から、現場のオートメーション・安全システムを操作・監視・管理できるようになっています。
ARMOR(TM)や24時間体制のサービスデスクを通じて、ABBは現場からの警告に素早く対応することや、システムの最適化、更新を行うことができます。また、人員の配置場所に関係なく、シェル社や権限を有する第三者とのプロジェクトでの協業が可能です。

このソリューションはシェル社にIT面での安全性を保証するだけでなく、機敏な反応、オートメーションに関するすべての課題に対するワンストップでの対応を提供しています。また、ABBの約60の製品グループやプロジェクトに従事している400人のエンジニアへのアクセスも可能です。

Service Environment(TM)コンセプトの重要な点はABBとシェル社の間に緊密で継続的な協力体制を維持し、透明性の確保、明確なコミュニケーション、正確な意思決定を常時行うことです。現場における生産・コストの目標を達成するためにはこれらすべてが不可欠です。

結果として、シェル社のオートメーション・安全システムは2007年以来、Service Environmentにより最良の状態で稼動し、最大の効率を維持しています。また、施設の状態監視保全は70％という高い数字を実現しています。2つの拠点における操業は改善し、シェル社はオートメーションに関する人的資源や能力を自社でまかなう手間を削減することができました。


■Service Environmentは石油・ガス産業向けの完全なサービス・サポートコンセプトであり、各社の操業ニーズに対応し、カスタマイズしたソリューションを提供しています。


ABBは、Ormen LangeとDraugenに電力およびオートメーションを統合した製品・システムのインストールベースを数多く持ち、当地域沿岸の石油・ガス施設の大部分にオートメーションシステムを提供しています。

ABBのService Environmentはノルウェーの大陸棚全体で信頼を得ており、ExxonMobil、Maersk Oil、Bideford Dolphin、KCA Deutagといった企業はすべてこのコンセプトのメリットを受けています。

Ormen Langeは欧州第2の規模を誇るガス貯留地で、ノルウェー海の海面から3,000メートルに位置しています。周辺は沖合120キロの氷点下の海底、最も深いところでは深さ1,100メートルです。ガスは沿岸のNyhamna工場(写真)に送られ処理された後、世界最長(1,200キロ)の海中パイプラインを通ってイギリスに運ばれ、同国内に供給されています。(写真提供：シェル)


■ABBについて ( http://www.abb.com/ )
ABBは、世界のおよそ100カ国に117,000人の従業員を擁する電力技術とオートメーション技術のリーディングカンパニーです。環境負荷を最低限に抑えながらお客さまの業務効率を最適化するソリューションの数々を、産業界と公益事業の皆さまに提供しています。

■ABB株式会社について ( http://www.abb.co.jp/ )
ABBの日本法人であるABB株式会社は、国内において電力およびオートメーション事業を、製造、販売、サービス分野にわたって展開しています。
また、ABBの日本国内における活動は、ABB株式会社と3つの合弁事業から構成されており、ABBジャパングループとして約700名の従業員、12都市にわたる販売／サービスネットワークを擁しています。