北海道胆振東部地震における 訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査 SRC自主調査の調査結果について
株式会社サーベイリサーチセンター(本社:東京都荒川区)は、「北海道胆振東部地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」を実施しました。
北海道ツーリストインフォメーションセンター札幌狸小路での調査実施について、株式会社JTB様にご協力いただき実現しましたことを、心より感謝申し上げます。誠にありがとうございました。
■調査の背景
2018年9月6日3時8分頃に発生した「北海道胆振東部地震」(最大震度7)において、当時北海道に滞在していた訪日外国人旅行者が「どのような行動をとったか」「避難時に困ったことは何か」などを明らかにし、今後、さらに増加が見込まれる訪日外国人旅行者に対する災害発生時の情報発信方法や、受入環境のあり方を探ることを目的として、調査を実施しました。
※過去の訪日外国人関連の災害自主調査
2018年6月29日「大阪北部地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」
https://www.surece.co.jp/research/2441/
2016年4月27日「熊本地震における訪日外国人旅行者の避難行動に関する調査」
https://www.surece.co.jp/research/1782/
■調査の概要
・調査地点:北海道ツーリストインフォメーションセンター札幌狸小路(調査協力:株式会社JTB様)
・調査対象:2018年9月6日に北海道に滞在した訪日外国人旅行者
・調査方法:外国語の話せる調査員による質問紙を用いた面接聞き取り調査
・調査内容:地震発生時の行動/宿泊施設の避難誘導について/地震発生時に困ったことなど
・有効回答:185サンプル
・調査日 :2018年9月8日(土)、9日(日)
[国籍]
[旅行の手配方法]
■調査結果の概要
▼地震発生時にどのように思ったか
「身の危険を感じた」「今後の地震の発生が気になった」が約4割
・地震発生時に思ったことについては、「身の危険を感じた」が45.4%、「今後の地震の発生が気になった」が38.9%で共に約4割、次いで「旅行日程が心配になった」が35.7%となっている。
[地震発生時に思ったこと]
▼地震がおさまった後の行動
地震がおさまった後はその場にとどまり「インターネット」「SNS」で情報収集
・地震がおさまった後の行動は、「インターネットやSNSで情報を得ようとした」「その場で様子をみた」「インターネットやメール、SNSのFacebookやLINE等で家族や友人と連絡を取りあった」が高く、地震がおさまった後、人々は「インターネット」「SNS」等を通じて情報収集や安否確認を行いながら、その場にととどまり様子をみていたことがわかる。
[地震がおさまった後の行動]
▼避難や旅行行程などで役立った情報
リアルタイム情報の入手先では「宿泊先の従業員」がトップで、人的情報が重要
・避難や旅行行程などの情報入手で多かったものは、「宿泊先の従業員」(30.3%)「ツアーコンダクター」(25.4%)であり、停電していたこともあって「人的情報」が主となった。
・以下、「日本にいる外国人のSNSなどの書き込み」(23.8%)、「母国のWEBサイト」(22.7%)、「同行の日本語ができる人」(17.3%)、「日本のテレビ・ラジオ」(16.8%)等が続いており、発生時間が午前3時と夜中であったため、ホテルで被災し、宿泊先の従業員やツアーコンダクターへ確認した方が多かったと考えられる。また、日本にいる他の外国人や母国のWEBサイト、日本語ができる情報者など、言葉が理解しやすい情報源・方法も併用しようとした様子がうかがえる。
[役立った情報]
▼地震発生時に困ったこと
「停電」に関する項目が上位を占めるが言語対応不足も課題に
・地震発生時に困ったことは「停電で情報が得られなかった」「停電でスマートフォンの充電などが困難だった」(67.0%)と停電に関する回答が最も多かった。また、地震による不測の状況から「コンビニやスーパーでの物資不足」(46.5%)の回答も多かった。
・交通機関の混乱により「すべての日程が狂い多額の負担が生じた」(37.3%)や「今後の日程がどうなるのか想定ができなかった」(27.0%)といった今後の旅程の変更に関する不安や、「言葉がわからずどこに行けばよいかわからなかった」(29.2%)、といった言語に関する問題もあげられた。
[地震発生時に困ったこと]
▼地震発生時に希望する対応
「充電ポイントなどの提供」が求められているが、言語対応力向上も希望
・地震発生時に希望する対応は「充電ポイントなどを提供してほしい」(50.8%)、「インフォメーションセンターを充実してほしい」(42.2%)が特に多く、次いで「母国語のマニュアルを配布してほしい」(38.4%)となっている。
[地震発生時に希望する対応]
▼滞在中の宿泊施設での「避難指示の誘導」の有無と「理解」
地震発生時に滞在していた宿泊施設で、避難誘導があったとの回答は38.1%
・地震発生時の宿泊施設での避難誘導については、「避難誘導があり理解できた」(25.8%)、「避難誘導はあったが日本語で理解ができなかった」(12.3%)で、避難誘導があったとの回答は合わせて38.1%となる。そのうち約7割が「理解できた」と回答しているが、約3割は「理解できなかった」と回答していることになる。
・全体の約半数は、避難誘導が無かったと回答している。
※選択肢は「避難誘導は無く自分で避難した」としているが、【地震発生後に避難した場所】への回答からみる限り、実際に避難行動をとった割合は低く、全体の約65%が「避難しなかった」と回答している。
[宿泊施設での避難誘導]
[地震発生後に避難した場所]
▼滞在中の宿泊施設の到着時の「避難」についての説明
宿泊施設到着時の避難に関する事前説明は「なかった」が約7割
・宿泊施設到着時の避難についての事前説明の有無については、「なかった」が67.5%、「あった」が19.6%であった。
[宿泊施設到着時の避難についての説明の有無]
▼滞在中の宿泊施設で事前に「避難」についての説明があればスムーズに行動できたか
「事前説明があればスムーズに避難できた」と思う割合は半数近く
・宿泊施設到着時の避難の事前説明が「なかった」「わからない」と答えた人のうち、46.2%が事前の説明があればスムーズに行動「できたと思う」と回答し、「たぶんできたと思う」(40.8%)を合わせると9割近くの旅行者が、事前説明の必要性を感じているようである。
[事前説明があればスムーズに行動できたか]
▼日本は地震が多い国だということの認識
日本は地震が多い国であることを9割以上の人が認識
・日本は地震が多い国であることについては、「わかっていた」が80.5%と最も多く、「まあわかっていた」(11.9%)を含めると、9割以上の訪日外国人旅行者は、日本は地震が多い国であることを認識した上で来日している。
[日本は地震が多い国だということの認識]
▼今回の地震経験後の今後の訪日意向
「今後も日本には来たい」が7割以上
・今回の地震を経験した上で今後の訪日意向をたずねたところ、7割以上の人が「今後も日本には来たい」(73.5%)と考えている。
[地震経験後の今後の訪日意向]
▼母国に帰った際に、今回の地震についてどのような内容を話すか
「地震の恐怖感」「停電」以外に、「混乱が無かったこと」「日本人の対応のすばらしさ」も
・母国に帰った際に、今回の地震について話す内容としては、「地震の揺れの大きさや恐怖感」と「停電で困ったこと」が共に44.3%と最も多かった。
他にも「大災害なのに大きな混乱がなかったこと」(41.6%)や「日本人の対応の素晴らしさ」(40.5%)など、災害時の日本人の対応に関するものもあがった。
[帰国後に今回の地震について話す内容]
■サーベイリサーチセンター会社概要
会社名 : 株式会社サーベイリサーチセンター
所在地 : 東京都荒川区西日暮里2丁目40番10号
設立 : 1975(昭和50)年2月
資本金 : 6,000万円
年商 : 66億円(平成29年度)
代表者 : 代表取締役 藤沢 昌樹
代表取締役副社長 長尾 健
代表取締役副社長 石川 俊之
社員数 : 社員231名、契約スタッフ429名 合計660名(平成30年3月1日現在)
事業所 : 東京(本社)、北海道、北東北、東北、静岡、名古屋、大阪、岡山、広島、四国、
九州、南九州、沖縄
所属団体: 公益財団法人日本世論調査協会
一般社団法人日本マーケティング・リサーチ協会(JMRA)
日本災害情報学会
日本災害復興学会 など
その他 : ISO9001認証取得(2000年6月)
プライバシーマーク付与認定(2000年12月)
ISO20252認証取得(2010年10月)
ISO27001認証取得 (2015年11月)※
※認証区分及び認証範囲:
MR部が実施するインターネットリサーチサービスの企画及び提供
全国ネットワーク部が実施する世論・市場調査サービスの企画及び提供
URL : http://www.surece.co.jp
●調査結果の内容については無断転載・複製を禁じます。本文を引用される場合は、出典に「株式会社サーベイリサーチセンター」を明記してください。
●報道発表資料に記載している情報は、発表日時点のものです。
●その他調査結果につきましては、当社ホームページをご覧ください。
プレスリリース添付資料
記事掲載数No.1!「@Press(アットプレス)」は2001年に開設されたプレスリリース配信サービスです。専任スタッフのサポート&充実したSNS拡散機能により、効果的な情報発信をサポートします。(運営:ソーシャルワイヤー株式会社)