GSアライアンス、ナノセルロースと生分解性プラスチックとの 複合体材料の開発を強化 プラスチックごみ、海洋マイクロプラスチック汚染問題 解決を目指す
GSアライアンス株式会社(Green Science Alliance Co., Ltd.:環境、エネルギー分野の先端材料を研究開発、製造販売する化学会社/冨士色素株式会社グループ/本社:兵庫県川西市/代表取締役社長:森 良平 工学博士)は、次世代のバイオ素材として期待されるナノセルロースと各種生分解性プラスチックと混合した生分解性複合体マスターバッチ材料のラインアップを増やして、生産販売量を増やし始めています。
現在までにすでに非生分解性プラスチックとしてポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル(PMMA)、ポリスチレン(PS)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド6(PA6)、ポリビニルブチラール(PVB)などとナノセルロースを混合した複合体材料を作っていました。
今回、さらにポリ乳酸(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリブチレンアジペートサクシネート(PBAT)、ポリカプロラクトン、デンプン系プラスチック、そして微生物由来のポリヒドロキシアルカノエート系プラスチック(PHA)などの生分解性プラスチックとナノセルロース複合体材料を作りました。
このように多数の非生分解性、そして生分解性プラスチックにナノセルロースを複合化して、実際に機械的強度を向上させた新しい複合体材料を産業的に供給し始めているのは世界でもGSアライアンスだけです。
ナノセルロースは、鋼鉄の5分の1の軽さでありながら、5倍以上の強度を有するアスペクト比の高い幅4~20nmのナノ繊維で、熱膨張係数はガラス繊維並みに小さく、弾性率はガラス繊維より高く硬くて丈夫という優れた特性を有しています。プラスチックと上手く複合化すると成形時の寸法安定性も良いともいわれています。ナノセルロースは植物由来であることから環境負荷が小さくリサイクル性に優れた材料であり、かつ地球上にあるほとんどの木質バイオマス資源を原料にできるので資源的にも非常に豊富な材料であり、次世代の産業資材あるいはグリーン材料として注目されています。しかしながら、ナノセルロースは親水性で水分を多く含んだ状態にあるため、疎水性である樹脂に均一に分散させることが非常に難しい材料でもあるため、製品化に向けた応用開発が進みにくい状況にありました。
GSアライアンス株式会社は冨士色素株式会社のグループ会社であり、長年のナノ微粒子分散技術を応用してナノセルロースを各種樹脂中に凝集させること無く均一に分散させる技術を確立して、このように様々な種類のプラスチックと複合マスターバッチ化することに成功しています。
特に生分解性プラスチックを同じく生分解性天然材料であるナノセルロースと複合化することにより引張強度などのプラスチック特性を向上させたことは非常に有意義なことです。現在までガラス繊維、炭素繊維などを用いて生分解性プラスチックの機械的強度などを向上させることは可能でしたが、ガラス繊維などは生分解性素材ではなく環境汚染の原因となりえます。現在はこのマスターバッチ複合体を生産供給し始めていますが、今後はこの生分解性プラスチックとナノセルロースの複合体材料を元にフードトレイ、フードボックス、コップ、コップの蓋、ストロー、プラスチック製食器などのプラスチック成型品なども検討し始める可能性もあります。ただ今回のナノセルロースと生分解性プラスチックの複合体材料は100%水と二酸化炭素に分解して自然に戻ると断言するにはまだ早く、厳密にはコンポスト条件、家庭、淡水、海水中などのそれぞれの場合においての生分解性を試験する必要があり、今後それらの日本、世界の生分解性プラスチック認証機関の証明書を取得する検討もし始めます。
この生分解性プラスチックとナノセルロースの複合体材料は、近年世界的に深刻な問題となっているプラスチックごみ、また海洋のマイクロプラスチック汚染問題などを解決する1つの糸口となる可能性もあるので、GSアライアンスとしては今後ますますこの環境に優しい新材料に注力していく予定です。
■会社概要
商号 : GSアライアンス株式会社(冨士色素株式会社グループ)
代表者 : 代表取締役社長 森 良平
所在地 : 〒666-0015 兵庫県川西市小花2-22-11
事業内容: 環境、エネルギー分野向けの先端材料の研究開発と製造販売
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