広電圧範囲で動作するゼロドリフト・オペアンプ「S-89630AB」を発売
~ バイポーラアンプ比 オフセット電圧 “ばらつき” 約1/100を実現 各種センサの微小信号の増幅に最適、コスト削減にも貢献 ~
エイブリック株式会社(社長:石合信正、本社:千葉県千葉市、以下:ABLIC)は本日より、広電圧範囲で動作、低オフセット電圧、低オフセット電圧ドリフト、低消費電流の特性を併せ持つゼロドリフト・オペアンプ「S-89630AB」の販売を開始しました。ゼロドリフト・オペアンプは、アンプ自身が持つオフセット電圧を常に監視し、オフセット電圧がゼロになるように調整する機能を持ったオペアンプです。
近年、製造/生産効率の向上を図るため、工場内で使用される各種センサ機器や産業用ロボット等の高性能化が求められています。こうした産業機器では微小なアナログ信号を正しく計測することが求められます。
従来広く使われてきたバイポーラアンプは、オフセット電圧が数mVのばらつきがあるため、微小な信号を正しく計測できないという課題がありました。
新製品「S-89630AB」は、バイポーラアンプと比較すると、このばらつきは約1/100の(最大)50μVまで抑えられ、かつ、温度依存性(ドリフト)を25nV/℃に抑える機能を内蔵したオペアンプです。これらの機能により、産業機器などで使用されるひずみゲージ等のセンサデバイスから出力される微小なアナログ信号を正しく計測することが可能となるため、産業機器の高性能化に寄与します。
また、これまでは電圧のばらつきをソフトウェアで補正するなどの調整が必要とされてきましたが、この調整工程が軽減されるため、コストと時間の大幅な削減に貢献します。
【主な特長】
1.バイポーラアンプ比 オフセット電圧ばらつき約1/100を実現
従来のバイポーラアンプと比較して入力オフセット電圧のばらつきは約1/100の(動作温度範囲内で最大)50μV、また入力オフセット電圧ドリフトが25nV/℃(ナノボルト/℃)を実現しました。微少な信号の増幅用途に最適です。
2.広電圧範囲で動作
広電圧範囲(4.0~36V)で動作するため、5V系のシステムから12V、24V系のシステムまで幅広く使用することが可能です。また、単電源(4.0~36V)、両電源(±2.0~±18.0 V)のどちらにおいても使用可能です。
3.入出力Rail-to-Rail動作
入出力電圧範囲が電源電圧(VSS~VDD)と幅広いため、信号処理の幅を大きく取ることができ、ニーズに合わせた回路設計が可能となります。
【主な仕様】
- デュアルオペアンプ (2回路入り)
- 動作電源電圧範囲 : 4.0V~36.0V(単電源)、±2.0 V~±18.0 V (両電源)
- 動作温度範囲:Ta=-40℃~+125℃
- 入力オフセット電圧 :±50μV max.(Ta=-40℃~+125℃)
- 入力オフセット電圧ドリフト :±25nV/℃ typ. ±120nV/℃ max. (VDD=30.0V)
- 入力Rail-to-Rail
- 出力Rail-to-Rail
- 消費電流 (1回路あたり) :250μA typ.
- 利得帯域幅積 :1.2 MHz typ.
- スルーレート :0.45V/μS typ.
- パッケージ :TMSOP-8
【用途例】
・各種センサ機器、産業用ロボット
【製品詳細】
https://www.ablic.com/jp/semicon/datasheets/analog-ic/opamp/s-89630a/
【Webサイト】
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