業界初* 画像認識型無人レジシステムの学習自動化に向けた実証実験
~購入時に撮影した商品画像を活用し、AIの学習を効率化~
*2019年10月時点東芝テック調べ
東芝テック株式会社(以下 東芝テック)とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、NTTグループのAI技術corevo(R)(※1)の一つである「アングルフリー物体検索技術(※2)」を活用した、画像認識型無人レジシステムの運用自動化に向けた実証実験を、東芝テックの関係会社であるティー・ティー・ビジネスサービス株式会社が運営する「オーバルコート大崎マークイースト事業所内売店」にて実施いたします。
1. 背景・目的
日本社会における労働力人口の減少は、流通小売業においても大きな課題です。レジ業務を省人化する無人レジシステムの取り組みは、この課題を解決する方法の一つと言えます。
無人レジでは、各種センサー、カメラ(画像認識AI)で商品を自動認識することで、消費者がストレスフリーな購買を体験できます。しかし一般に、商品の自動認識を画像認識AIで行うためには、予め当該商品をさまざま条件で大量に撮影し、それらの画像をAIに学習させることが必要です。無人レジの実現にあたっては、その稼働が最大の課題となります。
このたび東芝テックとNTT Comは、「アングルフリー物体検索技術」によってこの稼働を削減する実験を行います。また、消費者が無人レジシステムを利用する過程で、AIの学習に必要な商品画像を自動的に登録し、効率的に学習する仕組みについて検証します。
2. 検証のポイント
本実験では、日本電信電話株式会社が研究開発した「アングルフリー物体検索技術」を用いることで、少数の画像だけで学習を行います。これにより、商品入れ替えのさいなどに予め行っておく画像認識の作業をどの程度削減できるかを検証します。さらに、無人レジの運用開始後に販売された新商品などのAIが認識できない商品については、お客様が無人レジを利用する過程を活用し、認識に必要な画像を自動的に取得して学習できるかを検証します。
3. 実証実験の概要
期間:2019年11月29日(金)~2020年1月31日(金)(予定)
対象:東芝テックグループ従業員
実施店舗:東芝テック オーバルコート大崎マークイースト事業所内売店
実験内容
[1] カメラ付きの専用台に、複数の商品を並べ、画像認識により一括で商品を特定します。
画像情報が無く商品が認識できなかった場合は、利用者がかわりに手動でバーコードをスキャンします。これにより、画像情報と商品情報をひもづけることができます。そのため、次にその商品が購入されたときには画像で商品が認識できるようになります。
[2] 画像・商品マスターから特定した商品のJANコードを抽出し、二次元コード化します。
[3] スマートフォンで二次元コードを読み取り、一括でレジ登録を行います。
従来のセルフレジの運用である、商品一つ一つの「バーコードを探す」、「バーコードをスキャンする」といった操作をなくします。
[4] 会計は予め紐づけられた従業員番号に従い、給与引き去り決済を行います。
4. 実験イメージ
商品を台に置き、カメラで商品を撮影し商品識別。読み取り結果を二次元コード化し表示。 | 二次元コードをスマートフォンで読み取り、一括でレジ登録。 |
5. 各社の役割
東芝テック:
新形態POSシステムの受容性・業務効率性・事業性の検証、検証環境の構築
NTT Com:
画像認識機能、追加登録機能の提供、サービスモデル検討、ネットワーク環境の提供
6. 今後の予定
本システムの商品化検討を行うとともに、本実験で蓄積される分析結果、知見を流通小売業のその他業務へ応用することについても検討を進めます。
※1: 「corevo(R)」は日本電信電話株式会社の登録商標です。
※2: 立体物を、アングル(撮影角度)によらず高精度に認識できる技術です。認識対象が折れ曲がっていたり、歪んでいても認識することが可能です。 (参考)『変形物体を少数の画像のみでも高精度に認識・検索する「変形対応アングルフリー物体検索技術」を開発(ニュースリリース)』https://www.ntt.co.jp/news2018/1811/181126b.html
- カテゴリ:
- 技術・開発
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