コンビニ大手3社購買行動、130万枚のレシートから分析
~前半)各社購入金額は食品が半数以上、おでんは9月に売れていた~
10月の消費税増税後、現金を使わないキャッシュレス決済を対象にポイントを還元する取り組みや消費税の軽減税率導入で弁当などの販売が伸びたことが寄与し、コンビニエンスストア大手3社(セブン-イレブン/ファミリーマート/ローソン)における10月に既存店売上高はいずれも前年同月を上回ったと言います。
一方で、時短営業を各社容認する動きなど、ビジネスモデルの転換期を迎えるコンビニエンスストアについて、フィールド・クラウドソーシング事業を展開するソフトブレーン・フィールド株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:木名瀬博)は、アンケートモニターから独自に収集する「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)」(以下POB)のうち、「コンビニエンスストア大手3社」の購買データ(レシート総枚数:約130万枚:2018年4月~2019年10月)から購買行動を分析し、前半・後半に分けて紹介します。
前半は、POB会員のレシートから購入状況・曜日別レシート購入金額推移(図表1、図表2)、カテゴリ状況について(カテゴリ全体および、主力のおでん・揚げ物)分析をします。(図表3~図表5)
―平均レシート単価は586円のセブンが最多。買上点数は各社2~3個―
まず、コンビニエンスストア大手3社(セブン-イレブン・ローソン・ファミリーマート)の購入状況は、セブン-イレブン<平均レシート単価¥586円・レシート1枚あたりの買上点数2.8個>、ファミリーマート<平均レシート単価¥502円・レシート1枚あたりの買上点数2.5個>、ローソン<平均レシート単価¥556円・レシート1枚あたりの買上点数3.0個>となります。平均客単価においては、もっとも高いセブン-イレブン(¥586円)と、ファミリーマート(¥502)の差は¥84円となりましたが、レシート1枚あたりの買上点数は大きな差は見られませんでした。
―曜日別レシート購入金額は、各社金・土曜がピーク、ローソンは火曜も高い傾向あり―
次に、来店曜日別の購入レシート金額割合をみると、セブン-イレブンは<金曜日14.6%>から、2.1ポイント上昇し<土曜日16.7%>でピークを迎えます。比較的曜日に限らず、安定して購入されていることがわかります。これはファミリーマートについても同様です。
一方で、ローソンにおいては<木曜13.0%>から、7.0ポイント上昇し、<金曜日20.0%>で来店のピークを迎えます。その後<月曜11.3%>までは下降しますが、再び4.7ポイントの上昇し、<火曜日16.0%>となり、レシート購入金額の推移に特徴が表れました。
その背景には、セールやキャンペーンの実施が来店に寄与している可能性が高く、ローソン公式HPのキャンペーン情報を確認したところ、火曜日はキャンペーンの開始日となるケースが高く(直近11月の情報のみ確認)、金曜は、2018年3月から毎週金曜(16:00~21:59)には「揚げ物」「焼鳥」のタイムセールが実施されていることがわかりました。
3社のカテゴリ状況について、レシートからどのようなものが購入されていたか分析します。
―カテゴリ構成比、半数以上が食品関連カテゴリが占め、飲料、酒類が続くー
まず、コンビニエンスストア大手3社(セブン-イレブン・ファミリーマート・ローソン)の購入レシートからカテゴリ構成をみると、各社「生鮮・惣菜(主に生鮮三品、おにぎり、スイーツなど)」および「食品(主に菓子類、調味料類、アイスなど)」の「食品関連カテゴリ」の構成比が半数以上となります。セブン-イレブンと(生鮮・惣菜38.7%/食品19.5%)、ファミリーマートの(生鮮・惣菜32.7%/食品19.7%)の2社は、生鮮・惣菜が食品カテゴリを10ポイント以上上回りましたが、ローソンは(生鮮・惣菜28.6%/食品25.4%)となりました。次に大きな構成比を占めたのは、「飲料カテゴリ<13.3%~17.9%>」、「酒類<4.9%から8.6%>」と続きました。各社2割近くの構成比を占める「その他」に関しては、雑誌や文庫本などの書籍、たばこなどが含まれています。
次からは、コンビニエンスストアの主力商品カテゴリでもある「おでん」と「揚げ物」をセレクトし、全体のレシート購入金額に占めるシェアをみます。
―冬場じゃない、コンビニおでんは9月と10月に売れていたー
「おでん」の、レシート購入金額全体に占める割合をみると、セブンイレブンは0.7%、ファミリーマートは0.2%、ローソンは0.1%となります。(各社平均割合)
季節商品のため、他商品よりも割合が小さくなりますが、店頭に並び始める8月~10月に各社TVCMやキャンペーンなどを投下し、それに伴い各社の購入金額も上昇していることがわかります。特にセブン-イレブンは9月(2018年3.3%/2019年3.2%)に跳ね上がっているのが特徴的です。
―揚げ物は各社一定シェアあり。ローソンは企画実施時に大きな伸びをみせたー
「揚げ物」の、レシート購入金額全体に占める割合をみると、セブンイレブンは2.9%、ファミリーマートは3.3%、ローソンは3.5%となり(各社平均割合)、3社に大きな差はありませんでした。
各社購入金額のピークは、セブン-イレブンは4月(4.7%)、ファミリーマートは3月(5.9%)となります。ローソは8月(6.0%)に大きな伸びをみせ、背景を調べるとdポイントカード会員先着60万名に、Lチキが1個無料でもらえるキャンペーンが実施されていため、その影響が考えられます。
また、ファミリーマート(5.1%))は12月にも伸びがあり、主力のファミチキなどの商品が、クリスマスパーティを盛り上げるフードメニューとして選ばれていたことが予想されます。
<前半のまとめ>
・コンビニエンスストア大手3社平均客単価は500円台。586円のセブンが最多。アイテム数は2~3個
・来店曜日は、金・土曜が各社ピークだが、ローソンは火曜に再び上昇。キャンペーン、タイムセールが来店に寄与。
・主力のおでんは冬場ではなく店頭に並び始める9月10月にレシート金額がピークとなり、揚げ物においては、各社一定の割合は確保し続けており、ローソンはLチキ無料の企画実施月(2018年8月)に跳ね上がっていた。
後半は、POB会員のレシートから、時間帯別の購入レシート金額推移や、ローソン“バスチー”や“悪魔のおにぎり“などの、ヒット商品が与えたスイーツ・おにぎりカテゴリの影響について分析します。(12月12日木曜に配信予定)
Point of Buyデータベース(R)は、全国の消費者から実際に購入/利用したレシートを収集し、ブランドカテゴリや利用サービス、実際の飲食店利用者ごとのレシート(利用証明として)を通して集計したマルチプルリテール購買データです。
同一個人(シングルソース)から「消費行動」に関わる複数種類のデータを収集しており、ショッパーの行動結果からリアルなショッパーの実態に直接迫り、マーケティング戦略に不可欠なデータを、“より精度を高く” 企業・メーカーに提供します。
集計対象は、消費財カテゴリ68種類 約6,000ブランド、飲食利用カテゴリ10種類約200チェーン(2018年1月現在)。全ての利用証明に購入/利用理由(フリーコメント)がデータ化されています。
■当事業の特長:
- 日本初のレシートによる購買証明付き購買理由データ
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に基づく本人認証度の高いデータを提供
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詳細はこちら https://www.sbfield.co.jp/press/20170222-10722
※JICFS/IFDB:JANコード統合商品データベース (一財)流通システム開発センター
■ サービス詳細参照ページ:
・「マルチプルID-POS購買理由データPoint of Buy(R)」 https://www.sbfield.co.jp/multi-idpos
・レシートで貯める https://aqfpob.com/
・レシート de Ponta https://ponta-receipt.jp/
・レシーポ https://receipo.com/
【ソフトブレーン・フィールド株式会社 会社概要】
ソフトブレーン・フィールド株式会社は、ソフトブレーン株式会社(市場名:東証1部・4779、本社:東京都中央区、設立年月日:1992年6月17日、代表取締役社長:豊田浩文)のグループ会社として、全国の主婦を中心とした登録スタッフ約90,000名のネットワークを活用し、北海道から沖縄まで全国のドラッグストアやスーパー、コンビニ、専門店など169,000店舗以上をカバーし、営業支援(ラウンダー)や市場調査(ミステリーショッパー、店頭調査など)を実施しています。当社代表の木名瀬博は、2004年にアサヒビールの社内独立支援制度に応募し、合格第1号事業として独立しました。
「木名瀬 博のフィールド虎の巻」 URL:https://www.sbfield.co.jp/toranomaki
本社所在地 :東京都港区赤坂3-5-2 サンヨー赤坂ビル5階
設 立 :2004 年7 月 / 資本金 :151,499,329円
代表取締役社長 :木名瀬 博
URL : https://www.sbfield.co.jp/
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