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~ 2011年夏 トレンドウォッチレポート ~  “節電の夏”、食のトレンドキーワード 「冷やしごはん」

女性とメディアに特化したマーケティングを手がけるトレンダーズ株式会社(東京都渋谷区)は、これから本格化する夏を前に、「食」のトレンドとして「冷やしごはん(冷たい米飯)」に注目し、レポートします。

冷やしたぬき茶漬け
冷やしたぬき茶漬け

今年の夏は、“節電”が求められ、“暑い夏”になると予想されています。節電・暑さ対策は、私たちの生活にさまざまな変化を及ぼしています。「衣」の分野ではビジネスファッションのカジュアル化を提唱するスーパークールビズ、「住」の分野ではグリーンカーテンや打ち水などのエコアクションなど、熱いカラダを外から冷やすための取り組みが各所で始まっています。「食」の分野では、カラダを内からクールダウンさせる冷涼メニューが、外食店から早くも登場しています。

日本では、ざるそばやそうめん、宮崎県の郷土料理の冷や汁など、冷たい料理は夏の定番として親しまれています。今年も、飲食店では趣向を凝らした冷涼メニューがいくつも登場していますが、特に2011年夏のトレンドとしては、冷やしリゾットや冷やし茶漬け、冷やしカツ丼など、「冷やしごはん(冷たい米飯)」を使った料理が続々と登場しており、ブームの兆しを見せています。

また、今年の夏は節電の影響により、電気やガスをあまり使用しない「節電レシピ」も話題になっています。冷えてしまったごはんを温めずに食べることは節電にもなり、「冷やしごはん」を使った「節電レシピ」もトレンドを後押ししています。

さらに、温かいごはんが冷めて、冷たくなる過程で、ごはん粒に「レジスタントスターチ」という食物繊維と似た働きをする成分が作られることが分かりました。食物繊維が不足している若い女性にはうれしい効果もあるようです。
トレンダーズでは、2011年夏のトレンドキーワードである「冷やしごはん」をレポートにまとめました。


トレンダーズでは、2011年夏のトレンドキーワードである「冷やしごはん」を、以下の3つのキーワードからレポートにまとめました。

【キーワード(1)】 飲食店人気メニュー
~中目黒や六本木など流行発信地から、新たな「冷やしごはん」ブームが~
【キーワード(2)】 レジスタントスターチ
~ごはんが冷えるときに食物繊維と似た働きをする成分が作られることが明らかに~
【キーワード(3)】 節電レシピ&夏バテ防止レシピ
~冷えたごはんも温めずに、おいしく簡単にアレンジできる、オススメレシピ~


【キーワード(1)】 飲食店人気メニュー
飲食店では、さまざまな冷涼メニューが続々と登場していますが、その中でも、2011年夏は「冷やしごはん」を使ったメニューがトレンドのようです。数ある店舗の中から、流行の発信地である中目黒、六本木のお店から、オススメの「冷やしごはん」メニューをピックアップしてご紹介します。

■中目黒の隠れ家居酒屋〈まんちゃ〉は、自慢の日替わりだし汁のいなり茶漬け

目黒川沿いの隠れ家的居酒屋〈まんちゃ〉。夏限定の「冷やしごはん」は、〈まんちゃ〉自慢のだし汁でいただく〆の一品「冷やしいなりだし茶漬け」です。冷えたごはんに鮭のほぐし身としば漬け、白ごまを混ぜ合わせたものを、横浜の石川豆腐店から仕入れている油揚げにつめた「おいなりさん」に、愛媛県宇和海から届いた新鮮な地魚からとっただし汁をかけていただきます。

ありそうでなかった「おいなりさん」のだし茶漬け。「今年はスーパークールビズなので、体の中から少しでも涼しくなってもらえたら」とオーナーの水口 昌哉(みずぐち・まさや)さん。家庭でつくる場合は、「しば漬けの代わりに梅干しでもおいしいし、冷蔵庫にある具材をお好みで。だしをとるのが面倒なら、市販のお茶漬けの素を使って簡単においしくできます」とアドバイス。火も使わない「節電レシピ」で、家庭でも真似したくなるお手軽「冷やしごはん」です。

【まんちゃ】
所在地 :東京都目黒区中目黒1-10-23 1F
Tel   :03-5722-1333
営業時間:火~日曜 18:00~2:00
     ※月曜は定休

店名の〈まんちゃ〉とは、英語でばりばり食べるという意味のmunchに、屋号のyaをつけたもの。
看板メニュー「ぼろん」のほか、京都風だしを効かせた酒の肴メニューが充実。おひとり女子も多いので、気軽に立ち寄れます。


■地産地消の畑レストラン〈N_1155〉ならではの、野菜たっぷりの冷やしサラダリゾット

おいしい野菜料理で人気のイタリアン〈ナチュラルレストランN_1155〉。夏限定の「冷やしごはん」は「旬野菜の冷製サラダリゾット」。シェフの熊谷 聡(くまがえ・さとし)さんによると、「美容と健康に関心の高い女性のために考えたレシピ」で、おいしさ、見た目、ヘルシーさの三拍子がそろったひと皿。赤と黄のパプリカ、かぼちゃ、ズッキーニ、ナス、枝豆、トマトをアンチョビベースのピリ辛スープに合わせ、冷やした玄米ごはんにのせていただきます。野菜たっぷりでカロリーはダウン、玄米ごはんで栄養バランスはアップ。健康と涼しさを実感できる、ビューティー&ヘルシーな「冷やしごはん」です。

【N_1155(エヌ・イレブン・フィフティファイブ)】
所在地 : 東京都目黒区中目黒1-1-55 1F・2F
Tel   : 03-3760-1001
営業時間: 火~金・日曜 12:00~15:00 18:00~24:00/土曜 18:00~24:00
      ※月曜は定休
URL   : http://www.n1155.jp/

店名〈N_1155〉は、中目黒とナチュラルの頭文字“N”に住所の番地をつなげたもの。1Fはバル風、2Fはゆっくり食事を楽しむレストラン。フロアでメニューが違うので、気分に合わせて使い分けて。


■“まかない”から生まれた〈旬味 井筒〉の冷やしたぬき茶漬け

料理人たちが自分たちのために作る“まかない”ごはん。チャンスがあれば食べてみたい、と思う人は少なくないはず。そんな憧れの“まかない”から誕生した「冷やしごはん」が、庄内料理の店〈旬味 井筒〉の「冷やしたぬき茶漬け」です。冷やして水洗いしたごはんに、きゅうり、ボイルしたエビ、カニかま、わかめ、炒り卵、ネギ、生しいたけを刻んだものと「てんかす」をのせ、冷やしたそばつゆをかけて、刻み海苔、わさびを添えていただきます。「これからの暑い時期、食欲もなく、食べることさえ面倒なとき、コレならお茶漬け感覚で食べられます」と添田 智憲(そえだ・とものり)料理長。おいしく、涼しくなるオリジナルメニュー、ぜひ一度体験してみて。
イメージ: http://www.atpress.ne.jp/releases/20732/1_1.jpg

【旬味 井筒(しゅんみ いづつ)】
所在地 : 東京都港区六本木4-12-2 1F
Tel   : 03-3470-4122
営業時間: 月-金曜 17:00-2:00/土曜 17:00-24:00
      ※日曜・祝日は定休
URL   : http://mikko.homeip.net/izutu/

海の幸と山の幸も、なんでもそろう庄内の郷土料理はどれも美味。夏の旬味は岩牡蠣やだだ茶豆がオススメ。見た目の老舗感に反して、お値段は大衆的。舌の肥えたオトナの女子会にも使いたい店。


【キーワード(2)】 レジスタントスターチ

「冷やしごはん」は、おいしさ以外にはどのような魅力があるのでしょうか。そこで、医学博士で管理栄養士の本多 京子先生にお話を伺ったところ、「レジスタントスターチ」という成分の意外な効果があることが明らかになりました。

■ ごはんが冷めるときに作られる「レジスタントスターチ」
「温かいごはんが冷めていくときに、ごはんの中に『レジスタントスターチ』という成分が作られます」と、本多先生。この「レジスタントスターチ」は、近年発見された成分で、米や豆などデンプンが入った食物が、加熱してから冷めるときにできるものです。再度加熱すると元に戻り、なくなってしまうものです。
デンプンと聞くと、太りそうなイメージがありますが、実は「レジスタントスターチ」は太るどころか、ダイエットやメタボにも効果があるのでは、と期待されている成分なのだそうです。


■ 食物繊維と似た働きをする「レジスタントスターチ」
デンプンは、お米などの炭水化物を構成する糖質の仲間で、「消化されるもの」「速度は遅いが消化されるもの」「消化されにくいもの」があります。「レジスタントスターチ」は、その名のとおり、「resistant=消化されにくい」「starch=デンプン」のことで、「難消化性デンプン」と呼ばれています。加熱されたデンプンは、胃や小腸で消化・吸収されますが、消化されにくい構造に変化した「レジスタントスターチ」は、大腸まで運ばれ排出されます。つまり、ダイエットの味方として私たちにおなじみの「食物繊維」と似た働きをすることが知られているのです。


■ 若い女性は食物繊維がかなり不足している
日本人の食事摂取基準(2010年版)では、食物繊維の1日あたりの目標摂取量は18歳以上の男性で19g以上、女性では17g以上となっていますが、[グラフ1]のとおり、実際の摂取量は目標値にすら届いていなことがわかります。特に、若い女性の摂取量(20代:11.4g、30代:12.4g)はかなり低め。「近年、女性の大腸がんが増えているのは、食物繊維を取らなくなったことと無関係ではありません。整腸作用のある食物繊維を取らないことで、腸内の悪玉菌が増え、発ガンにつながりやすくなると考えられます」と本多先生も指摘しています。
[グラフ1]: http://www.atpress.ne.jp/releases/20732/2_2.jpg


■「レジスタントスターチ」は血糖値の上昇がゆるやかでインスリンの分泌を抑制して体脂肪がつきにくい状態にしてくれる

ダイエット効果や便秘の予防・改善など、私たち女性にうれしい働きをしてくれる食物繊維。その一方で、食物繊維が大きく不足しているという現実もあります。「レジスタントスターチが、食物繊維不足の私たちの救世主になる」といえるほどの大きな効果を持つわけではありませんが、プラスに働くことは確かです。
本多先生が一番注目されている「レジスタントスターチ」の効果は、「血糖値の上昇がゆるやかになる」ということです。例えば、甘い飲み物やお菓子などは、摂取すると血糖値が上がり、インスリンというホルモンが急激に必要とされますが、「レジスタントスターチ」は血糖値の上昇がゆるやかなので、インスリンの分泌が抑えられます。
「インスリンは、別名〈体脂肪合成ホルモン〉とも呼ばれるもので、インスリンの分泌が少なければ、体脂肪が合成されにくいということ」と本多先生。つまり、同じカロリーを取っても、体内ですぐ消化されて血糖値が上がるものよりは、「レジスタントスターチ」のようにゆっくり消化されて持続性のあるものの方が、血糖上昇指数(グリセミックインデックス=GI)が低く、「カラダに負担が少なく、太りにくい」のだそうです。


■ごはんは「理想的な主食」
「ごはんは、主食の中で唯一、コレステロールも塩分もゼロの食品。さらに、粒状態で食べるので、消化がゆるやかで、アミノ酸スコアも高い理想的な主食。その上、冷めるとレジスタントスターチの効果もプラスされます」と本多先生。
節電の影響で、例年より暑い今年の夏。理想的な主食であるごはんに、レジスタントスターチの効果をプラスした「冷やしごはん」で、健康的に乗り切りましょう。


【本多 京子(ほんだ・きょうこ)先生】
医学博士・管理栄養士。本多ダイエットリサーチ主宰。
実践女子大学家政学部食物学科卒業後、早稲田大学教育学部体育生理学教室研究員を経て、東京医科大学で医学博士号を取得。各種スポーツ選手の栄養指導の経験を有する。国民運動「新健康フロンティア戦略」の健康大使、NPO日本食育協会ならびに日本食育学会理事。テレビ、雑誌、講演など幅広く活躍。著書は60冊を超える。


【キーワード(3)】 節電レシピ&夏バテ防止レシピ
冷えてしまったごはんを温めずに使うことは節電にもなり、また、具材をひと工夫すれば夏バテ防止にもなります。先ほど、「冷やしごはん」のレジスタントスターチ効果をお伺いした本多先生ご考案の「冷やしごはん」オススメレシピをご紹介。家庭でも簡単に作れる冷涼メニューは、2011年夏のトレンドの予感。

■レシピ1 豆腐とオクラの冷やし茶漬け
イメージ: http://www.atpress.ne.jp/releases/20732/3_3.jpg

●材料(1人分)
冷やしごはん   :100g
絹ごし豆腐    :1/6丁(50g)
焼き豚      :1枚(15g)
オクラ      :1本
市販のお茶漬けの素:1袋
冷水       :150ml
白ごま      :適量

●つくり方
(1)焼き豚は5ミリ角に切り、オクラはゆでて小口切りに。
(2)豆腐は水気を切って、荒く崩し(1)と混ぜ合わせる。
(3)さっと水洗いしたごはんを盛り、中央に(2)をのせて、お茶漬けの素をふりかけ、冷水(150ml)を注ぐ。お好みで白ごまをかける。

●本多先生のワンポイントアドバイス
夏はさっぱりしたものが増え、たんぱく質不足になりがち。それを手軽に解消してくれるのがお豆腐。大豆の植物性たんぱく質と一緒に女性にうれしいイソフラボンもいただけます。オクラのかわりにモロヘイヤを使うのもオススメ。お茶漬けの素は、味がついているので家庭では手軽。お好みでお酢をかけると、よりヘルシーで、おいしさも引き立ちます。


■レシピ2 豚しゃぶとゴーヤの冷や汁ごはん
イメージ: http://www.atpress.ne.jp/releases/20732/4_4.jpg

●材料(1人分)
冷やしごはん      :100g
豚ロース肉しゃぶしゃぶ用:30g
ゴーヤ         :大1/6本(40g)
白菜キムチ       :20g
だし汁         :150ml
白ごま         :適量

●つくり方
(1)ゴーヤは縦半分に切って、種とワタを除いて薄切りにする。豚肉とともに熱湯でさっとゆで、ザルにあげて、キムチと和える。
(2)さっと水洗いしたごはんを盛り、中央に(1)をのせ、だし汁をかける。お好みで白ごまをかける。

●本多先生のワンポイントアドバイス
夏場は基礎代謝が下がるので、カロリーは抑えながらも、必要な栄養素はきちんと取ることが大事。豚肉は、汗とともに失われるビタミンB1を補給します。さらに、ゆでることで余分な脂をとり、カロリーダウンを。ゴーヤはビタミンCがたっぷりで、苦み成分には抗酸化作用もある女性にうれしい野菜。さらさらと食べる汁ごはんと、ゴーヤの食感がアクセントで楽しめます。


<参考資料>
プレスリリース: http://www.atpress.ne.jp/releases/20732/2_5.pdf

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