企業の広告宣伝担当者209人に聞いた テレビCM出稿のDX化に対する意識調査
テレビCM出稿プロセスのDXにより期待されるのは、 デジタル技術活用による業務効率化と、データ活用による事業成果の獲得
株式会社サイカ(本社:東京都千代田区、代表取締役CEO:平尾 喜昭、以下 サイカ)は、独自の広告調査・研究レポートの第23弾として、「企業の広告宣伝担当者209人に聞いた テレビCM出稿のDX化に対する意識調査」を実施いたしましたので結果を発表いたします。
【本調査の背景】
近年、あらゆる業界において「デジタルトランスフォーメーション(DX)」の推進が関心の高いテーマになっています。平成30年12月、経済産業省が「DX推進ガイドライン Ver.1.0」を発表し、国内企業の競争力向上・強化のためにDXを実現していく上でのアプローチや必要なアクションについてのガイドラインを提示しました。さらに、今年は新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響もあり、企業のビジネスモデルや働き方にも変革が迫られたことで、社会全体でDX推進の機運がますます高まりつつあります。
マーケティング領域でもDXへの関心は高まっています。デジタル技術やデータを活用したマーケティングの変革は、特にインターネット広告領域で積極的に推進されてきました。一方、テレビ・新聞・雑誌・ラジオなどに代表されるいわゆるオフライン広告については、インターネット広告に比べてデジタル技術やデータの活用が進んでいないといわれています。
そこで今回は、オフライン広告の中でも特に広告投資額が大きいテレビCMに焦点を当て、テレビCM出稿業務に携わる広告宣伝担当者209名に対し、DX化の現状と今後の見通しを調査しました。
【調査結果サマリー】
・一連のテレビCM出稿プロセスのうち、現在最もDXが進んでいないプロセスは「出稿・運用結果の振り返り、戦略戦術設計のアップデート」であると回答した広告宣伝担当者が約4割(36.8%)。
・今後数年間でDXが最も進むと想定されるプロセスは、「出稿・運用結果の振り返り、戦略戦術設計のアップデート」
・テレビCM出稿の「出稿・運用結果の振り返り、戦略戦術設計のアップデート」プロセスにおいて、DX化が進むことで得られるメリットとして、業務効率化による工数削減、精度向上による事業成果の獲得を期待すると回答した広告宣伝担当者が半数以上(51.6%)。
【調査結果の概要】
1. テレビCM出稿プロセスにおけるDXの現状
テレビCM出稿に関わる一連のプロセスの中で、現在まだDX(デジタルトランスフォーメーション:デジタル化への改革)が進んでいないと思うプロセスを調査し、以下の結果を得ました。
※テレビCM出稿に関わる一連のプロセスは、下記のように定義しています。
・戦略戦術設計(数値計画、ターゲット設定、訴求設定など)
・実行プラン策定(予算のエリア配分、局配分、線引き、フライトパターン設定、クリエイティブ設計など)
・出稿・運用
・出稿・運用した結果のふり返り、ふり返りに基づく戦略・戦術のアップデート
・上長・経営陣への報告
最もDXが進んでいないプロセスとして挙げられたのは「出稿・運用した結果の振り返り、戦略戦術設計のアップデート(36.8%)」でした。次いで「出稿・運用(29.2%)」、「戦略戦術設計(28.7%)」も、約3割の方がまだDXが進んでいないと回答しています。
テレビCMを含むオフライン広告は一般的に効果測定が難しいと言われており、そのため「出稿・運用した結果の振り返り、戦略戦術設計のアップデート」や「戦略戦術設計」に回答が集中したものと推察されます。
またテレビCMは、成果の獲得状況に応じた出稿量の調整、クリエイティブの変更がインターネット広告ほど手軽に行えないことから、「出稿・運用」も多く挙げられたものと推測されます。
2. 今後DX化が進むと想定されるプロセス
Q1で「現在はまだDXが進んでいない」と回答したプロセスのうち、今後数年間でDX化が進むと想定されるプロセスを調査し、以下の回答を得ました(複数回答)。
今後数年間でDX化が進むと考えられるプロセスとして最も多く挙げられたのは、Q1と同じく「出稿・運用した結果の振り返り、戦略戦術設計のアップデート(62人)」でした。次いで「出稿・運用(49人)」「実行プラン作成(42人)」と続きます。
先述のとおり、テレビCM出稿プロセスにおいて難しいとされている効果測定の部分で、デジタル技術やデータ活用によるDX化が期待されていることがうかがえます。また、テレビCM出稿の非常に複雑な実行プラン作成を現在は人力で行っている場合が多いことから、デジタル技術やデータ活用によるテレビCM出稿のプランニングが可能になり、業務が最適化されることを期待する様子が見受けられます。
3. DXの進行によりもたらされるメリット
Q1、Q2ともに1位であった「出稿・運用した結果の振り返り、戦略戦術設計のアップデート」のプロセスについて、DXの進行によって得られると思うメリットを調査し、下記の回答を得ました。
DXの進行によって得られると思うメリットとして「業務が効率化・簡略化され、楽になる(業務にかかる工数が軽減される)(25.8%)」「精度が上がり、事業成果がより獲得できるようになる(25.8%)」が同率1位となりました。
デジタル技術やデータ活用により、いままで人力で行っていたテレビCM出稿の複雑なプロセスが効率化され、業務工数が削減されることが最も期待されている様子がうかがえます。また、DXの進行により、テレビCMの成果の数値化・可視化が進むことも予想され、数値ベースでの分析が可能になることで、事業成果につながる、より精度の高い戦略戦術設計や振り返りができるようになることを期待していると推測されます。
【調査の概要】
調査名 :企業の広告宣伝担当者209人に聞いた
テレビCM出稿のDX化に対する意識調査
調査対象期間:2020年10月
調査方法 :Webアンケート調査
調査対象 :以下の条件を満たす209人の広告宣伝担当者
・テレビCMを出稿している企業の勤務者
(テレビCMのみを出稿している企業に限定せず、
並行してその他のオフライン広告やインターネット広告を
出稿している企業も含みます)
・その企業にて、テレビCMの広告出稿業務、ならびに
出稿した広告の効果測定業務に現在従事している者
※サイカおよびXICA、XICA ADVAの名称・ロゴは、日本国およびその他の国における株式会社サイカの登録商標または商標です。
※その他、記載されている会社名・商品名についても、各社の商標または登録商標です。
●株式会社サイカについて https://xica.net/
サイカは、“データ分析を民主化し、マーケティングの適正評価を民主化する”というミッションのもと、2012年の創業以来、統計分析システムの企画・開発・提供分野において急成長を続けているITプロダクト開発企業です。創業当時より「分析のプロ」ではなく「現場のプロ」であるビジネスパーソンをユーザー対象としており、ビジネス現場での実践を通して磨かれた「事業に活きる分析技術」を有する企業として高く評価されてきました。
●XICA ADVAについて https://xica-adva.net/
サイカが提供する、データサイエンスに基づくマーケティング最適化ソリューション。XICA ADVAのサービスラインナップには、国内No.1のオンライン・オフライン広告統合分析ツールである「ADVA MAGELLAN」や、国内初の“成果報酬型”テレビCM出稿を実現した「ADVA PLANNER」「ADVA BUYER」が含まれます。ADVAという名称には、高い分析技術により広告を適正評価する「AD Valuate」と、出稿プロセスで売上などの事業成果向上の付加価値を提供する「Add Value」という2つの意味が込められています。
●ADVA MAGELLANについて
2016年9月に「XICA magellan」として提供開始。インターネット広告やテレビCM、交通広告など多種多様な広告の効果を統合的に分析し、企業のマーケティング投資の最適化を支援する広告効果分析ツール。国内No.1のMMMツール(*1)としてテレビCMを出稿する国内大手企業を中心に120社以上の企業に導入され、国内の広告宣伝費トップ100企業(*2)の10%以上の企業で広告分析にマゼランが利用されるなど、高い評価を得ています。2020年9月、「XICA ADVA」のリリースに伴いADVAのサービスラインナップに統合され、「ADVA MAGELLAN」に改称。
1 調査期間:2019年10月16~18日/調査概要:マーケティングミックスモデリングツールおよびオンオフ統合分析ツール10社を対象としたイメージ調査/調査手法:インターネット調査/調査対象者:22-69歳、男女、全国、マーケティング職種、上場企業勤務、TVCM出稿企業勤務/調査委託先:株式会社ショッパーズアイ
2 出典:「広告宣伝費」が多いトップ300社ランキング|東洋経済オンライン|2017年09月10日( http://toyokeizai.net/articles/-/187757 )
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