国立音楽大学 ベートーヴェン《交響曲第9番》の演奏会を同大講堂にて開催
国立音楽大学(読み:くにたちおんがくだいがく、所在地:立川市、学長:武田 忠善、以下「本学」)は、2021年11月20日(土)より、12月24日(金)に開催のベートーヴェン《交響曲第9番》ニ短調 作品125「合唱付き」を含む第136回オーケストラ定期演奏会のチケットを一般発売いたしますので、お知らせいたします。
本学で《第九》の公演を行うのは2019年12月以来となります。ソリストには本学講師陣でいずれもオペラ、歌曲等に定評のある石上朋美(ソプラノ)、押見朋子(アルト)、望月哲也(テノール)、成田博之(バリトン)、指揮に栗田博文、オーケストラに国立音楽大学オーケストラ、合唱に国立音楽大学合唱団と「オールくにたち」のキャストでみなさまをお迎えいたします。ぜひこの機会に年末の風物詩《第九》の演奏会をお楽しみください。
◯くにたちと第九
本学での《第九》の演奏の歴史は、そのまま本学の歩みとも深く関わっています。1926年の創立の2年後、1928年に近衛秀麿の指揮により現在のNHK交響楽団の前身である新交響楽団との共演を果たしました。この演奏会に本学の学生が合唱として参加したことを皮切りに約90年にわたる合唱での共演が続き、合唱に参加した卒業生が《第九》のソリストとして招かれ、合唱団との共演を果たすなど、長きに渡り関係を継続しました。終戦の1年後の1946年には、チャリティ演奏会での《第九》の演奏に関わるなど、《第九》の精神である人類への愛を高らかに歌い上げ、歴史をつないできました。ローゼンシュトック、カラヤン、ブロムシュテットといった世界的に著名な指揮者との共演を経て、本学の創立90周年にあたる2016年には、サントリーホールで準・メルクル指揮による「特別記念演奏会『第九』」の公演を行い、「くにたちと第九」をより印象付ける記念的な演奏会を成功裡におさめました。
本学にとって《第九》は伝統を守りながら未来へとその音楽、信念を引き継ぐ特別なプログラムであると言えるでしょう。
◯コロナ禍での「音楽の力」
2020年に世界中を不安と多くの悲しみに陥れ、今もなおウイルスとの闘いを続けているコロナ禍にあって、音楽をはじめとする芸術は危機的な状況におかれています。
本学でも、2020年5月には初めてとなるオンライン授業を開始し、厳しい環境下での教育活動を余儀なくされました。しかし、困難な状況にあっても、音楽が人々に力を与え、音楽は「人間にとってなくてはならないもの」として学生、教職員一同が思いを新たにしました。感染防止に留意しながら少しずつ演奏活動を開始し、オーケストラが揃って最初の音を出した時「言葉では言い尽くせない感動」を演奏者全員で共有したと、ある教員は語ります。今回の演奏会を通して、改めて「音楽の力」を感じていただく機会となれば幸いです。ぜひ、みなさまお誘い合わせのうえ、お越しください。
◯出演者プロフィール
・栗田博文(くりた ひろふみ、指揮)
1988年、第23回東京国際音楽コンクール指揮部門において第1位優勝を果たし一躍注目を集め、翌年、国内主要オーケストラを指揮しデビューする。1989年に渡欧。同年、第1回アントニオ・ペドロッティ国際指揮者コンクール(イタリア)に入賞。1995年、第1回シベリウス国際指揮者コンクール(フィンランド)の最高位に輝く。同年、フィンランド放送交響楽団より招かれ、ヨーロッパデビューを果たし大好評を博す。クラシック音楽の古典から現代作品まで、幅広いレパートリーを持つほか、様々なジャンルとのコラボレーションも積極的に行い、国内外の活発な指揮活動とともに、後進の指導にも力を注いでいる。国立音楽大学客員教授。
・石上朋美(いしがみ ともみ、ソプラノ)
東京藝術大学を首席にて卒業、同大学院修士課程オペラ科修了。第10回松田トシ賞受賞。第40回日伊声楽コンコルソ第2位、同時に歌曲賞受賞、イタリアにて第10回オペラ国際コンコルソ第2位受賞など国内外で多数受賞。
2007年『フィガロの結婚』伯爵夫人役にてデビュー後、ヨーロッパの数々の歌劇場に出演。2008年より文化庁海外派遣研修員、野村文化財団芸術文化奨学生としてジェノヴァ・トリノへ留学。国内でも『蝶々夫人』タイトルロールをはじめとする主要キャストで新国立劇場や主要団体の公演に出演。また『第九』、モーツァルト/ヴェルディ作曲『レクイエム』、その他宗教曲のソリストでも活躍。
長岡市民合唱団声楽アドヴァイザー。藤原歌劇団団員。国立音楽大学講師。
・押見朋子(おしみ ともこ、アルト)
国立音楽大学卒業、同大学院修士課程修了、同大学音楽研究所演奏家研究員として、バロック歌曲・歌劇を研究。ヘネシーオペラ『魔笛』(小澤征爾指揮)でメトロポリタン歌劇場の歌手と共演の他、『ポッペアの戴冠』、『フィガロの結婚』、『パルジファル』(ホルスト・シュタイン指揮)、『メリー・ウィドー』などオペラへの出演多数。『メサイア』、『ロ短調ミサ』、『ミサ・ソレムニス』などで深みのある声と緻密な表現で信頼も厚く高い評価を得ている。また、オリジナル楽器・バロック唱法による演奏に多く出演しており、モンテヴェルディをはじめとするデュオアンサンブルでの室内楽コンサートに出演。二期会会員。二期会研修所、国立音楽大学講師。
・望月哲也(もちづき てつや、テノール)
東京藝術大学卒業。同大学院修士課程オペラ科修了。学部在学中に安宅賞、松田トシ賞を受賞。大学院在学中にドコモ奨学金を授与。二期会オペラスタジオ修了。最優秀賞、川崎静子賞を受賞。文化庁派遣在外研修員として、オーストリア・ウィーンに留学。第35回日伊声楽コンコルソ第3位。第11回奏楽堂日本歌曲コンクール第2位。第70回日本音楽コンクール第2位(オペラアリア部門)。2018年6月には上海交響楽団に招聘され、シュトラウス『サロメ』ナラボート役で出演。
バッハ『マタイ受難曲』の福音史家の役をはじめ、40作品以上の宗教曲、交響曲のレパートリーを有し、著名な指揮者との共演も多い。二期会会員。国立音楽大学および大学院准教授。
・成田博之(なりた ひろゆき、バリトン)
国立音楽大学卒業。同大学院修士課程オペラコース修了。文化庁オペラ研修所第10期修了。第8回日本声楽コンクール1位。第69回日本音楽コンクール3位。第5回藤沢オペラコンクール2位。2003年ミトロプーロス国際声楽コンクール(アテネ)最高位。文化庁在外派遣研修員としてイタリア・ボローニャにて研鑽を積む。新国立劇場公演『愛の妙薬』ベルコーレ、『カヴァレリア・ルスティカーナ』アルフィオ、『カルメン』エスカミーリォ、「スーパーエンジェル」ジョージ、二期会オペラ『ドン・カルロ』ロドリーゴ、『リゴレット』タイトルロール、『イル・トロヴァトーレ』ルーナ伯爵等に出演。二期会会員。国立音楽大学講師。
・国立音楽大学オーケストラ
国立音楽大学オーケストラは学部3~4年次の弦 ・管 ・打楽器の学生を主体として編成されている。毎年の音楽鑑賞教室出演の他、年2回開催している定期演奏会は本年7月で第135回を数え、招聘した指揮者には故岩城宏之、尾高忠明、準 ・メルクル、高関健、飯森範親、阪哲朗の各氏などがいる。近年では、準 ・メルクル指揮メシアン《トゥーランガリラ交響曲》をはじめ、ベルリオーズ《幻想交響曲》やベートーヴェン《交響曲第9番》、また尾高忠明指揮ラフマニノフ《交響曲第2番》などが大きな成果をあげている。2013年より準 ・メルクル氏、2015年より尾高忠明氏を招聘教授として迎え、さらなる教育の充実を目指している。
◯開催概要
第136回オーケストラ定期演奏会
日時 :2021年12月24日(金) 19:00開演(18:00開場)
会場 :国立音楽大学 講堂大ホール
チケット発売日 :2021年11月20日(土)
料金 :1,000円 高校生以下及び本学学生*無料
※当日は学生証等の提示が必要です
チケット取り扱い:●チケットぴあ :0570-02-9999【Pコード:207-464】
(ファミリーマート、セブン-イレブン)
※ファミリーマートは事前にインターネットでの予約が
必要です。
●国立音楽大学書籍売店(宮地楽器):042-537-8200
●宮地楽器ららぽーと立川立飛店 :042-540-6636
●宮地楽器小金井店ショールーム :042-385-5585
出演 :ソプラノ/石上朋美、アルト/押見朋子、テノール/
望月哲也、バリトン/成田博之、管弦楽/
国立音楽大学オーケストラ、合唱/国立音楽大学合唱団
曲目 :D.ショスタコーヴィチ/祝典序曲 作品96
L.v.ベートーヴェン:交響曲第9番 ニ短調 作品125
「合唱付き」
会場アクセス :西武新宿(拝島)線、
多摩モノレール 玉川上水駅下車 徒歩7分
国立音楽大学公式Webサイト: https://www.kunitachi.ac.jp/
◯本演奏会に関する問い合わせ先
国立音楽大学演奏芸術センター
TEL:042-535-9535
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