街づくりDTC 「空調制御最適化」システムの開発について
~アーバンネット名古屋ネクスタビルでの実証で快適性と省エネ(5割削減)の両立をめざす~
【概要】
NTTアーバンソリューションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中川 裕、以下NTTアーバンソリューションズ)、NTTコミュニケーションズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:丸岡 亨、以下NTT Com)、株式会社NTTファシリティーズ(本社:東京都港区、代表取締役社長:松原 和彦、以下NTTファシリティーズ)の3社はビル内の空調を最適制御するためのシステム開発に着手し、NTT都市開発株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:辻上 広志(※)、以下NTT都市開発)が開発を進めている次世代型先進オフィスビル「アーバンネット名古屋ネクスタビル」における実証実験(以下 本実証実験)を2022年より開始します。
本実証実験はNTTが取り組む「街づくりDTC(TM)」(※1)および4Dデジタル基盤(※2)技術を生かしたNTTの研究所やNTTグループ全体で取り組む技術実証・価値検証の一環であり、「カーボンニュートラルの達成」に向けた取り組みの一環でもあります。ビル内の空調とそこで働く人、集う人等のデジタルツインの連鎖・全体最適化により、単に省エネであるだけでなく、快適であること、生産性向上、満足度向上にも資する仕組みの実現をめざします。
【背景】
一般的なオフィスビルにおいては、エネルギー消費の約5割を空調が占めており、NTTグループが掲げる2040年のカーボンニュートラルを実現するうえでは、空調の省エネ化が非常に重要となっています。従来の設備更改や運用見直しによる改善だけでなく、新たにAIを用いた空調制御といった別の切り口からのアプローチが注目されています。
【システムの概要】
カーボンニュートラルにむけたエネルギー消費と快適性の両立を実現するために、NTTグループの持つ人流予測・環境再現・最適制御算出の技術を組み合わせ、各種センサから「データ収集」、人流などを考慮した室温変化の予測と、人々の快適性を推測(PMV(※3)指標活用)し、時々刻々と変化する状況に応じた最適な空調制御「シナリオ算出」、シナリオに基づいた「自動制御・監視」を実現します。
本実証実験ではアーバンネット名古屋ネクスタビルの共用部空調を対象に制御を行い、快適性を担保しつつエネルギー消費の5割削減をめざします。
図 空調制御最適化システム概要
【各社の役割】
・NTTアーバンソリューションズ:自社が保有するアセットにおけるサービス企画、ユースケース検討や検証
・NTT Com:「Smart Data Platform for City」(※4)を活用した「空調制御最適化」システムの構築、稼働検証および実用化の検討
・NTT ファシリティーズ:ビル運用技術・空調制御ノウハウの提供
・NTT:NTTスマートデータサイエンスセンタにおける、予測技術開発と街づくりDTC基盤に資するアルゴリズム開発
・NTT都市開発:実証フィールドにおける実証サービス提供のための各種調整、環境整備などの準備
【今後の展開】
本実証実験を通じて得られた知見をふまえ、新規・既存物件への展開も見据えた継続的な検討・検証を行い、「NTT Green Innovation toward 2040」構想に基づくカーボンニュートラルの実現に取り組んでいきます。また共用部だけでなく専有部の空調制御についても検討を進め、ビル全体の空調制御にも取り組んでいきます。
NTTアーバンソリューションズ株式会社が行う「街づくりDTC(TM)」プロモーション「わが まち みらい」のイメージキャラクターに鉄腕アトムを起用しています。
(C)Tezuka Productions
わが まち みらい「想像を超えた未来が、すぐそこに。」
https://www.NTT-us.com/waga-machi-mirai/
さらには、「街づくりDTC(TM)」で実証中の他のサービスとの連鎖により、おもてなしサービスの個人属性/特性を活用、一人ひとりのその時の状況に応じたパーソナライズ空調や、フードロス削減の人流予測との連鎖により、単に脱炭素に貢献するだけでなく、個人にとって組織にとってのパフォーマンス向上や満足度向上も同時に実現することをめざします。
「街づくりDTC(TM)」および4Dデジタル基盤(R)は、NTT、NTTアーバンソリューションズ、NTT Com、NTTファシリティーズおよびその他NTTグループ各社が実証実験等さまざまな取り組みを行っており、今後も継続していきます。アーバンネット名古屋ネクスタビルや他の新しいフィールドも活用し、人々の快適性とエネルギー消費の削減を両立できる街づくりに貢献していきます。
(※1):「街づくりDTC(TM)」とは、デジタルツインコンピューティングの考えに基づき、様々なデジタルツイン間の連鎖により街の全体最適化を行う技術です。本件以外の取り組みは関連リリース項をご参照ください。
(※2):「4Dデジタル基盤(R)」は、ヒト・モノ・コトのさまざまなセンシングデータをリアルタイムに収集し、「緯度・経度・高度・時刻」の4次元の情報を高い精度で一致・統合させ、多様な産業基盤とのデータ融合や未来予測を可能とする基盤です。NTTのIOWN構想における「デジタルツインコンピューティング(DTC)」を支える基盤として、NTT研究所の技術とNTTグループのノウハウ・アセットを活用し、2021年度からの機能の順次実用化と、継続した研究開発による機能拡充をめざします。
詳細については、以下のサイトをご覧ください。
(※3):PMV(Predicted Mean Vote)とは人体の熱収支モデルに基づく温冷感を指標化した快適性評価指標を示します。
(※4):「Smart Data Platform for City」とは、人の流れや施設内外の情報、ロボットなどのモノの情報など都市に点在するさまざまなデータをシームレスに融合できるプラットフォームです。「Smart Data Platform for City」上にデータを整理し、連携しやすくすることで、日々の活動から生まれるデータを企業成長のエンジンへと変える、次世代のプラットフォームです。
■関連リリース
NTT、NTTアーバンソリューションズ 2021年2月2日
「未来の街づくり」を実現するNTTグループのデジタル基盤「街づくりDTC(TM)」の技術開発、実証実験の開始について
https://www.ntt-us.com/news/2021/02/news-210202-01.html
NTTアーバンソリューションズ株式会社、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 2021年3月30日
WITH HARAJUKUにおける「街づくりDTC(TM)」実証実験の開始について
https://www.ntt-us.com/news/2021/03/news-210330-01.html
NTTアーバンソリューションズ、株式会社エヌ・ティ・ティ・データ 2021年9月6日
品川エリアにおける「パーソナライズサービス(おもてなし)」実証実験の開始について
https://www.ntt-us.com/news/pdf/news_us210906_001.pdf
NTT 2021年9月28日
新たな環境エネルギービジョン「NTT Green Innovation toward 2040」
https://group.ntt/jp/newsrelease/2021/09/28/210928a.html
(※)NTT都市開発株式会社 代表取締役社長:辻上 広志の「辻」はしんにょうの点が1つの字が正式表記になります。環境依存文字のためこちらのページでは二点しんにょうの「辻」と表記させていただいております。
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