農作業マッチングサービス、九州地区で実証開始

業務管理手法BPMで効率化。第一弾としてJA宮崎経済連と連携

 デジタルハイブリッドのトッパン・フォームズ株式会社(以下トッパンフォームズ)は、社会課題解決を起点とした新事業の創出に取り組むフロンティア領域の一つとして農作業マッチングサービスの実証を開始しました。トッパンフォームズが、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)支援として請け負っている事務処理代行や地方自治体で事務効率化による生産性向上と業務負荷の軽減を目指して採用しているBPM(Business Process Management)の手法を農作業に適用しています。BPMは業務プロセスを細分化し、各工程を分析して全体最適で業務を再構成する手法です。対象となる農作業の内容や農地条件などから最適な農業法人(コントラクター)と利用農機具を選定し、エージェントを介して作業代行を提案します。第一弾として、既に生産者の労力軽減に向けた作業分業化の取組みを進めていた宮崎県経済農業協同組合連合会(以下 JA宮崎経済連)にご協力をいただき、地域のJAに所属する農家の作業の一部工程を、最適と思われる農機具とノウハウを保有するコントラクターであるベジエイト株式会社(宮崎県都城市)に委託する形で11月からサービスを開始しました。本サービスは2022年度からの本格展開を予定しています。

実証第一弾の体制


【背景】

 農業では、担い手の高齢化や新規就農者の減少傾向などで、人手不足や耕作放棄地といった問題が発生しています。一方、高効率な農機具を保有し他の農家の農作業受託も行うコントラクターも存在しますが、飼料作物の分野以外では委託側と受託側のマッチングがうまく進んでいないのが実情です。

 トッパンフォームズは、2019年より概念実証としてコントラクターと農家のご協力のもと農作業現場にてデータ収集を行い、作業工程の細分化と各工程の農地条件や利用機器別の実コストをデータベース化してきました。そのデータから費用対効果を事前算出して委託側と受託側の双方に有益なマッチングの提案が可能であることを確認しています。たとえば、作業の最大負荷である収穫作業を大型収獲機を保有しているコントラクターに全部ないし一部を委託することで、委託側は最大負荷が増えずに1.5倍~2倍の面積の作付けが可能となり、全体の収益も利益も増加します。また受託側では農作業委託の要望が見える化されることで参加する動機付けとなり、保有する農機具の稼働率を向上させることが出来ます。

 

【農作業マッチングサービスの機能】

 1. 受託業務のデジタル化

 2. データに基づく見積もり

 3. 作業の統合、マッチング

 4. 受託判断の見える化

 5. コントラクターの投資判断に必要な情報の提供    

 

【今後の展開】

 トッパンフォームズはJA宮崎経済連と、これからも農作業マッチングサービスによる最適なマッチングについて連携を強めていく予定です。2021年度中は九州地区における実証サービス提供を通じて利用者の声を収集し、2022年度に利便性を向上させた大規模化に耐えるマッチングシステムを構築して、サービスの本格化と事業展開を図ります。その後、順次対象地域を拡大し、トッパンフォームズとしては2025年度に2億4000万円の売上高を見込んでいます。

 

以上

 

※「デジタルハイブリッド」は、トッパン・フォームズ株式会社の登録商標です。

※記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

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