マイクロソフト、ハイブリッドワークを成功させる秘訣を発表
2022年3月16日、マイクロソフトは、2022 Work Trend Index“大きな期待:ハイブリッドワークを成功させるには”( https://news.microsoft.com/ja-jp/features/220317-great-expectations-making-hybrid-work-work/ )を公開するとともに、ハイブリッドワーカーを支援するための、Microsoft Teams、Microsoft Viva等の新機能や、マイクロソフト初のAI搭載カメラ「Surface Hub 2 スマート カメラ」などの新製品を発表しました。
世界中の組織がリモートワークからハイブリッドワークへと移行しつつある中で、明確なことが1つあります。2020年に在宅勤務を行っていた人々は、2022年にオフィスに戻ってくる人々とは異なるということです。この2年間の経験を消すことはできないことから、従業員の期待がこれまで以上に高まっています。彼らは、柔軟性とともに対面の時間を求め、個人的な目標やウェルビーイングを優先したキャリア転換を図っています。マイクロソフトの2022 Work Trend Index( https://news.microsoft.com/ja-jp/features/220317-great-expectations-making-hybrid-work-work/ )で得られた知見から、かつてのやり方にはもう戻れないことも明らかになっています。従業員の新たな期待を理解し、それに応えることが、今日のすべてのリーダーが直面している課題であり、ハイブリッドワークを成功させるための鍵となります。
第2回目となる本年次調査では、31か国、31,000人を対象にした調査結果に加えて、Microsoft 365の何兆件もの生産性に関するシグナルと、LinkedInの求人市場トレンドの分析結果などから得られた知見を紹介しています。企業や組織の経営幹部による今後の計画や、従業員が雇用主に求めるもの(退職もしくは残留の動機となるもの)、オフィスでの体験に求めるもの、価値のある働き方の実現におけるテクノロジの役割等について、現場から経営幹部までさまざまな角度から意見を伺いました。
今回の調査から得られた主な知見
1. 従業員は新しい「価値の方程式」を持つ
仕事のやり方、場所、時間、さらには、理由が変化しています。仕事に何を求め、仕事のために何を犠牲にするかという人々の考え方が変化しています。マイクロソフトの調査から、53%の人々が仕事よりも健康やウェルビーイングを優先するようになったことがわかりました。これは空言ではありません。昨年、回答者の18%が退職しているのですが、Z世代とミレニアル世代の52%が今後1年間に転職を検討する可能性があり、グレートリシャッフル(Great Reshuffle、大量転職時代)がまだ終わらないことは明らかです。
[日本の傾向]
●日本の従業員の37%が、パンデミック前と比較して仕事よりも健康やウェルビーイングを優先する傾向が強まったと回答(グローバル平均:53%)
●日本の従業員の12%が、過去1年間に実際に仕事を辞めたと回答(グローバル平均:18%)
●日本の従業員の33%が、今年中の転職を検討する可能性がやや高い、または非常に高いと回答(2021年:38%、グローバル平均:43%)
●日本のZ世代とミレニアル世代の44%が、今年中の転職を検討する可能性がやや高い、または非常に高いと回答(2021年:49%、グローバル平均:52%)
2. マネージャーは、経営幹部と従業員の期待の間で板挟みになっていると感じている
このような従業員の新たな期待に応え続けることは容易ではありません。そして、それはマネージャーなしには不可能なことです。マネージャーは、従業員と最も近い距離にいるため、問題や解決策を最も理解している人材です。ただ、せっかくの知見も、マネージャーが行動できなければ意味がありません。たとえば、マイクロソフトの調査に見られるような従業員が柔軟性を求める声は否定できないものの、リーダーの50%が今年、対面式オフィスへの完全な復帰を計画していると回答しています。この緊張関係はマネージャーにも及んでいます。マネージャーの54%が、経営幹部の行動が従業員の期待とずれていると感じ、74%が自分のチームに変化をもたらすために必要な影響力やリソースを持っていないと感じています。そのような問題を解決し、マネージャーがチームをリードできるようにすることが、誰にとってもより良い結果をもたらすでしょう。
[日本の傾向]
●日本のマネージャーの65%が、自分のチームのための変革を行いたいが、十分な影響力とリソースがないと回答(グローバル平均:74%)
●日本のマネージャーの61%が、自社の経営幹部の行動が従業員の期待とずれていると回答(グローバル平均:54%)
●日本のビジネスリーダーの45%が、リモートワークやハイブリッドワークへの移行以来、生産性に悪影響が出ることを懸念(グローバル平均:54%)
●日本の従業員の71%が、1年前と比較して生産性が同等かそれ以上になったと回答(グローバル平均:81%)
●日本のビジネスリーダーの42%が、今後1年以内に従業員にフルタイムでの対面勤務を求める予定であると回答(グローバル平均:50%)
●日本の従業員の31%が、今後1年間にリモートワークまたはハイブリッドワークへの移行を検討(グローバル平均:52%)
3. リーダーは、通勤に見合う価値のあるオフィスを用意する必要がある
今日、ハイブリッドワーカーの38%が、いつ、何のためにオフィスに出社すべきかを知ることが最大の課題であると答えていますが、ハイブリッドワークのためにチームで新しいルールを設定したリーダーは28%に過ぎません。また、43%のリモートワーカーが、会議に参加しているという感覚がないと感じていますが、全員が参加意識を持てるようにハイブリッド会議のエチケットを作成したと答えたリーダーはわずか27%でした。今こそ、オフィスの役割を見直し、「誰が」「どこで」「何のために」対面して集うのかを意識的に考えるべき時です。このような新しい組織文化の規範があれば、オフィスが従業員の体験に貢献できるようになり、すべての従業員が同僚とのつながりを感じつつ、革新的で最高の仕事をすることができるようになります。
[日本の傾向]
●日本のビジネスリーダーのうち、ハイブリッドワークに関するチームのルールを設定し、オフィスに行く理由や時間を定義しているのは24%(グローバル平均:28%)
●日本のハイブリッドワーカーの40%が、リモートワークと対面業務の使い分けが最大の課題であると回答(グローバル平均:38%)
4. 柔軟な働き方は「常時オン」を意味しない
Microsoft 365の生産性関連の傾向を分析すると、会議やチャットが増加傾向にあり、従来の9時から5時までの勤務時間の枠を超えて頻繁に行われていることがわかります。実際、平均的なMicrosoft Teamsユーザーの週あたり会議参加時間は2020年3月と比較して252%増加し、時間外および週末の作業時間はそれぞれ28%、14%増加しています。昼食時の会議を減らすなど、人々が自分のニーズに合わせて1日の過ごし方を変えているのは素晴らしいことです。しかし、柔軟な働き方を持続させるためには、マネージャーは新しい規範を作り、24時間365日働き続けることが無いような境界線を設定する必要があります。
メタバースが職場にやってくる
仕事における先進的なテクノロジについても尋ねました。
●従業員の52%が、今後1年間にメタバース内のデジタル没入型スペースを会議やチーム活動に使用することに前向き
●従業員の47%が、今後1年間に会議で自分をアバターとして表現することに前向き
●Z世代の51%、ミレニアル世代の48%が、今後2年間に仕事の一部をメタバースで行うことを想定
●従業員の16%が「メタバース内で仕事を行うことはない」と回答
●従業員の13%が「メタバース」という言葉の意味がわからないと回答
リーダーは、メタバースやAIなどの新しいテクノロジが、分散した仕事の世界で、どのようにしてコラボレーションを強化し、共創や創造性を促進するかを検討する必要があります。
[日本の傾向]
●日本の従業員の38%が、今後1年間にメタバース内のデジタル没入型空間を会議やチームの集まりに利用することに前向き(グローバル平均:52%)
●日本の従業員の38%が、今後1年間に会議において自分をアバターとして表現することに前向き(グローバル平均:47%)
5. ハイブリッドな世界では社会的資本の再構築は異なる様相になる
リモートワークで最も痛感するのは人間関係に与える影響です。昨年のWork Trend Index( https://news.microsoft.com/ja-jp/2021/03/23/210323-microsoft-releases-findings-and-considerations-from-one-year-of-remote-work-in-work-trend-index/ )では、チームの縦割り化が進んでいることが明らかになりましたが、今年の調査では、その1年後のトレンドを明らかにしています。ハイブリッドワーカーの過半数(58%)がチームの絆を維持できている一方で、直属のチームとの関係が良好であると答えたリモートワーカーは半数しかおらず、チーム外の人々との関係が良好であると答えた人はさらに少ない(42%)ことがわかりました。ハイブリッドな世界では、人間関係構築の時間を優先し、取り残されるリスクの高いリモートワーカーや入社したばかりの社員へのサポートを強化することが重要です。
[日本の傾向]
●日本のハイブリッドワーカーの33%が、今後1年間に完全なリモート化を希望(グローバル平均:51%)
●日本のハイブリッドワーカーの57%がハイブリッドワーク移行前よりも職場での孤独感が強まったと回答し、日本のリモートワーカーの36%も同様に回答(グローバル平均: ハイブリッドワーカー:55%、リモートワーカー:50%)
● 日本のハイブリッドワーカーの55%がハイブリッドワーク移行後、仕事上の友人関係が少なくなったと回答し、日本のリモートワーカーの41%も同様に回答(グローバル平均: ハイブリッドワーカー:59%、リモートワーカー:56%)
●日本のビジネスリーダーの40%が、従業員がハイブリッドまたはリモートで働く場合の最大の課題が人間関係の構築であると回答(グローバル平均:43%)
●日本のビジネスリーダーの47%が、新入社員がハイブリッドワークやリモートワークで成功するために十分なサポートを得られていないことを懸念(グローバル平均:62%)
●パンデミック期間に採用された日本の従業員の43%が、今後1年間に退職を検討(グローバル平均:56%)
ハイブリッドワークには、入念に考え抜かれたアプローチが必要です。この移行は、新たな文化的規範に大きく依存する一方で、ハイブリッドな世界のために設計されたテクノロジ、つまりデジタルと物理的世界の橋渡しをし、すべての従業員が場所、時間、仕事のやり方に関係なく、参加し貢献できるようにするテクノロジも重要な役割を果たします。ここでは、ハイブリッドワークを実現する最新の製品イノベーションをご紹介します。
●Outlook RSVP
ハイブリッドワーカーにとって共にいる時間を調整することが最大の課題となっている今、予定の計画を容易にすることが不可欠になっています。Outlookでは、会議に対面で参加するか、リモートで参加するかを指定することができます。結局のところ、誰もいないオフィスに通勤したいと思う人はあまりいないでしょう。
●Teams Rooms with Front Row
マイクロソフトの調査では、誰もが、どこに座っていても、ハイブリッド会議に参加していると感じられるようにすることが、ハイブリッドワークを成功させる鍵になることが示されています。TeamsのFront Row機能では、ビデオギャラリーが画面の下部に表示されるため、会議室にいる参加者は、遠隔地にいる同僚をまるで同じ部屋にいるかのように対面式で見ることができます。
●Surface Hub 2 スマート カメラ
Surface Hubは、チームをつなぎ、新たな方法でコラボレーションを実現するための素晴らしいツールです。Microsoft TeamsとWhiteboard体験のアップデート、そして新しい Microsoft Surface Hub 2 スマート カメラの追加により、Surface Hubの利点が遠隔地の参加者にも及ぶようになりました。Surface Hub 2 スマート カメラは、自動リフレーミング、超広視野角、画像最適化機能を備えた、マイクロソフト初のAI搭載カメラであり、会議室の大きさや構成によらず、遠隔地の参加者にファーストクラスの映像を提供するよう設計されています。
[日本での展開]
Surface Hub 2 スマート カメラは、日本では3月16日より、マイクロソフト認定 Surface リセラーおよび DMP(Distributor Managed Partner※)各社から販売開始し、Surface Hub 2S 85インチとのセットでの提供は5月31日以降を予定しています。Surface Hub 2 スマート カメラの日本での税抜参考価格は91,000円です。詳細は下記を参照ください。
※DMP(Distributor Managed Partner)は、2021年4月1日より開始されたSurface正規代理店プログラムです。従来のDevice Value Added Reseller Program(D-VAR プログラム)の後継にあたるプログラムです。
●Teams Connect
ほとんどの組織がデジタルツールに依存しており、デジタルコラボレーションは組織の壁を越えています。Teams Connectにより、複数の企業や組織を横断してシームレスで安全、かつ信頼性の高いコラボレーションをわずか数分で確立できます。テナントを変えることなく、全員が自分のTeamsの環境にいながら、一つの拡張されたチームとして働くことができます。
●PowerPoint Recording StudioとCameo
会議に費やされる時間が以前より増加しています。会議の負荷を軽減するために、お客様は非同期のコラボレーションの新たな方法を必要としています。PowerPoint Recording Studioにより、プレゼンテーションを行う自分自身を記録し、同僚が好きな時間に見られるように共有できます。また、Cameoにより、スライドのどこにどのように自分が表示されるかを決めることができます。
●Viva インスピレーション ライブラリ
マイクロソフトに加えて、Harvard Business ReviewやThriveなどの世界的な専門家によるソートリーダーシップ(thought leadership)やベストプラクティスを提供する、Microsoft Vivaインサイト( https://www.microsoft.com/ja-jp/microsoft-viva )の新しいリソースを発表します。Viva インスピレーション ライブラリは、従業員が1日を有意義に過ごす手助けをするだけでなく、マネージャーやリーダーがチームの新しい日常を定義する際の指針にもなります。
ハイブリッドワークプレイスへの移行は、新しいテクノロジや企業ポリシーから始まるものではありません。それは、グロースマインドセットを受け入れ、仕事の進め方のほぼすべての面を再考する意欲を伴う組織文化から始まるのです。すべての社員はこの新しい働き方に適応するために新しいスキルを身につける必要があります。適切なサポートとツールがあれば、ハイブリッドワークはすべての人にとって働きやすい職場を創り出す可能性を引き出すことができます。
詳細は以下を参照ください。
●報道資料サイト(製品画像等の素材を入手できます)
https://news.microsoft.com/annual-work-trend-index-2022/
●2022 Work Trend Index(抄訳)
https://news.microsoft.com/ja-jp/features/220317-great-expectations-making-hybrid-work-work/
●地域/市場別グローバル統計(抄訳)
https://news.microsoft.com/wp-content/uploads/prod/sites/47/2022/03/220316_GlobalTrend.pdf
●Microsoft TeamsとMicrosoft 365でハイブリッド ワークへの新たな期待に応える3つの方法
●Surface Hub 2SとSurface Hub 2 スマート カメラでハイブリッド ワークにおけるコラボレーションを促進
プレスリリース添付資料
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