「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」、「初音ミク」との...

「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」、 「初音ミク」とのコラボレーショングッズを 9月6日(火)から販売開始

独立行政法人国立文化財機構(本部:東京都台東区)東京国立博物館と文化財活用センターは、本年4月から開始したファンドレイジング事業、東京国立博物館創立150年記念「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」の一環として、「初音ミク」を展開するクリプトン・フューチャー・メディア株式会社(本社:札幌市中央区)と共同で「見返り美人ミク」を制作、9月6日からコラボレーショングッズを発売します。


東京国立博物館と文化財活用センターは、「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」の本格修理費用を個人や企業から募る「踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト」を4月1日から始動、「見返り美人ミク」はこの一環として制作されるものです。コラボレーショングッズの売り上げの一部は、「埴輪 踊る人々」と「見返り美人図」の2作品をはじめとする所蔵文化財の修理に関連する費用として、東京国立博物館に寄附されます。


「見返り美人ミク 」キービジュアル Art by Rella (C) CFM


本取組は2020年6月から実施した〈冬木小袖〉ミクでのコラボレーションに続き2回目となります。

「見返り美人ミク」のキービジュアルは、国内外で活躍するイラストレーターのRella氏に担当いただきました。菱川師宣が描いた「見返り美人図」をモチーフに、紅色の鮮やかな振袖をまとい、前髪を立てて元結で結ぶ「吹前髪」姿のミクが、ふと振り返る一瞬を描いています。振袖の柄には桜と菊が円形にあしらわれた花丸模様が描かれ、帯は当時の人気役者の着こなしにちなんだ帯結び「吉弥(きちや)結び」と、江戸時代のファッションの流行が垣間見えます。


なお、東京国立博物館平成館では、東京国立博物館・文化財活用センターが「初音ミク」と行った2つのコラボレーションを、「〈冬木小袖〉ミク」「見返り美人ミク」を描いた2人のイラストレーター(森倉円氏、Rella氏)へのインタビュー、大型タペストリーなどとともに紹介する連動企画を、9月6日(火)~10月2日(日)の期間限定で行います。



■見返り美人ミク コラボレーショングッズ

今回発表するグッズは12種類。キービジュアルに加えて、東京国立博物館本館の外観とゆりの木を背景にしたビジュアルから制作したグッズなど様々に展開します。グッズは東京国立博物館のミュージアムショップや

「見返り美人ミク オフィシャルECサイト」( https://mikaerimiku.official.ec/ )にて、9月6日(火)より販売されます。ラインナップはさらに追加予定です。どうぞご期待ください。


「見返り美人ミク」東京国立博物館背景Ver. Art by Rella (C) CFM


【グッズ一覧(税込価格)】


1~6は大日本印刷株式会社、7~11は株式会社CURIOUSCOPE、12は株式会社グッドスマイルカンパニーが販売。


以下内容は今後変更となる可能性があります。詳細はECサイトをご覧ください。


1. アクリルアート*1*2     :102,300円

2. 複製画*1*3         :44,000円

3. BIGアクリルスタンド*1*3  :9,900円

4. タペストリー        :5,060円

5. アクリルブロック      :3,520円

6. ミニ色紙          :1,210円

7. アクリルスタンド      :1,650円

8. アクリルコースター(2タイプ):各880円

9. アクリルキーホルダー    :770円

10. A4クリアファイル     :550円

11. ポストカード(2タイプ)   :各220円

12. ねんどろいど *4      :価格未定

*1 ECサイト等での受注生産にて販売。

*2 館内ミュージアムショップでの取り扱いはありません。

*3 館内ミュージアムショップでは若干数のみ販売(完売次第終了)。

*4 2023年1月より受注販売予定。


■「〈冬木小袖〉ミク」「見返り美人ミク」のイラストレーターへのインタビュー、設定画等を公開

東京国立博物館・文化財活用センターが「初音ミク」と行ったコラボレーションを、「〈冬木小袖〉ミク」「見返り美人ミク」を描いた2人のイラストレーター(森倉円氏、Rella氏)へのインタビュー、写真撮影ができる大型タペストリーや「見返り美人ミク」の設定画・ラフ画等とともに、紹介します。


期間:9月6日(火)~10月2日(日)

会場:東京国立博物館平成館1階ガイダンスルーム

※無料、ただし総合文化展または開催中の特別展観覧料が必要。


過去の取組み例 <冬木小袖>ミク


■東京国立博物館創立150年記念 踊る埴輪&見返り美人 修理プロジェクト概要

目標金額  :1,000万円

寄附募集期間:2022年4月1日~2023年3月31日

寄附金の使途:「埴輪 踊る人々」「見返り美人図」の修理に関連する費用


※寄附金額が上記の費用を上回った場合、東京国立博物館が所蔵する他の文化財修理費として大切に活用いたします。


ウェブサイト: https://www.tnm.jp/150th/project/fundraising.html



■修理対象作品について

◆「見返り美人図」 菱川師宣(ひしかわもろのぶ)筆 江戸時代・17世紀

目にも鮮やかな濃い紅色の綸子(りんず)地の振袖をまとった若い女性がふと振り返る一瞬を描いた、菱川師宣晩年の肉筆画。切手のデザインになったことでも有名です。「玉結び」というヘアスタイル、菊や桜の花で描かれた花丸模様の振袖、人気役者の着こなしにちなんだ帯結び「吉弥(きちや)結び」など、当時の町中で流行した最新のファッションを描いていることもこの作品の魅力です。

また、織り出された綸子の地模様まで詳細に描くリアリティは、きものに刺しゅうと金銀の箔で模様を施す縫箔師(ぬいはくし)の家に生まれた師宣ならではといえるでしょう。江戸時代の戯作者(げさくしゃ)山東京伝(さんとうきょうでん)(1761~1816)が、箱書きをしており、江戸時代から有名な作品だったようです。


「見返り美人図」 菱川師宣(ひしかわもろのぶ)筆 江戸時代・17世紀


●必要な修理

桜の花など絵具の部分には多くの剥離、剥落がみられる状態です。こういった部分には膠(にかわ)水溶液など天然の接着剤による剥落止めを行い、これ以上傷みが進まないよう保護します。


▼桜の花の描かれた箇所が剥落している


「見返り美人図」(部分) 剥落の様子


本作品には巻いて収納する掛軸特有の傷みともいえる、折れや擦れがみられます。折れには、細く帯状に切った和紙で裏面から部分的に補強する、「折れ伏せ」といわれる技法を用いて修理をします。表から見える部分ではありませんが、長く作品を引き継いでいくうえでとても大切な処置です。また擦れて欠損した部分には、そのかたちに合わせて調整した、本紙に似寄りの材料を用いて補います。その他、経年による汚れのクリーニングや旧裏打ち紙の除去、新たな裏打ちも行います。


▼本紙と表装裂(ひょうそうぎれ)(織物)の重なる部分に折れや擦れがみられる


「見返り美人図」(部分) 折れや擦れの様子


◆「埴輪 踊る人々」 埼玉県熊谷市 野原古墳出土 古墳時代・6世紀

ポカンとあいた目と口の愛らしい表情。左手をあげて右手を胸前に出すポーズ。埴輪と言えばこのフォルムを思い浮かべる人も多いでしょう。「踊る埴輪」として親しまれていますが、近年では左手で馬の手綱を引く馬子(まご)とみる説もあります。

小さい方の埴輪は、腰に鎌を着け、顔の両脇で髪を結って束ねる美豆良(みずら)という男子の髪型をしています。一方、大きい方の埴輪にはその特徴がみられず、男女のどちらかよくわかっていません。ただ、女子の埴輪によくみられる胸部や服飾の特徴的な表現がないことから、男子の埴輪であるとも考えられています。衣服や武具、アクセサリーを身に着ける埴輪も多くありますが、この作品はどちらの衣装も帯のみと大胆にデフォルメされています。この素朴さ、そして生き生きとした動きが作品の魅力でもあるのではないでしょうか。


「埴輪 踊る人々」 埼玉県熊谷市 野原古墳出土 古墳時代・6世紀


●必要な修理

胴や腕の部分に横向きの亀裂が複数みられます。また、過去の修理による石膏が経年劣化し、一部に剥離が生じている状態です。東京国立博物館の所蔵する埴輪の中でも知名度の高い作品であることから、他施設から貸出し依頼の多い作品ですが、慎重な取扱いを必要とするため、断念せざるを得ない状況です。


▼胴に横向きの亀裂が入っている


「埴輪 踊る人々」(部分) 胴に入る亀裂の様子


今回の修理では、解体、旧修理による石膏部分の除去、クリーニング、亀裂や破断面の強化、接合、欠失部の補てん、彩色などが行なわれる予定です。旧修理の石膏を除去した部分には劣化しにくい補填材を使用し、最新の知見をもとに復元する計画です。


▼右半分が旧修理で施された石膏


「埴輪 踊る人々」(部分) 旧修理で施された石膏(右半分)


■今後の展示予定 ※予告なく変更することがあります。

◆見返り美人図

【修理前】

東京国立博物館創立150年記念 特別展「国宝 東京国立博物館のすべて」

※会期前期(2022年10月18日(火)から11月13日(日))に展示予定です。

※観覧料金、入館方法等の詳細は展覧会公式サイト( https://tohaku150th.jp/ )をご確認ください。

【修理後】

2025年秋以降を予定

◆埴輪 踊る人々

【修理後】

2024年秋以降を予定

※修理前の展示は終了いたしました。



■初音ミク  https://piapro.net

クリプトン・フューチャー・メディア株式会社が開発した、歌詞とメロディーを入力して誰でも歌を歌わせることができる「ソフトウェア」。大勢のクリエイターが「初音ミク」で音楽を作り、インターネット上に投稿したことで一躍ムーブメントとなった。「キャラクター」としても注目を集め、今ではバーチャル・シンガーとしてグッズ展開やライブを行うなど多方面で活躍するようになり、人気は世界に拡がっている。



■Rella氏プロフィール  https://twitter.com/rellakinoko

イラストレーター/デザイナー。繊細な色彩と独特の発光表現を得意とする。キャラクターデザインが高く評価され、フィギュアのデザイン案件も多数。個人活動として多くの初音ミク楽曲のイラストを各種SNSに投稿。代表作は『初音ミクNT』『初音ミクシンフォニー』シリーズ、『初音ミク・クロニクル』、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat.初音ミク』の衣装やMVクリエイティブ案件等。初音ミク以外では、『bilibili十周年 純白の愛 2233記念フィギュア』『Fate/GrandOrder』概念礼装など、幅広く活動している。



■クリプトン・フューチャー・メディア株式会社  https://www.crypton.co.jp/

アメリカ、ヨーロッパなど世界各国に100数社の提携先を持ち、3000万件以上のサウンドコンテンツを日本市場でライセンス販売を行う。効果音などサウンド素材を輸入販売する「音の商社」から創業し、現在ではDTMソフトウェア、サウンド配信ストア、音楽アグリゲーター、3DCGシステム、スマホゲーム開発など、多岐に渡るサービス構築・技術開発を、フラットな社内体制のもと日々進行中。歌声合成ソフトウェア「初音ミク」の開発会社としても認知されている。



■東京国立博物館  https://www.tnm.jp/

明治5年(1872)創立、今年で150周年を迎えた日本でもっとも長い歴史を持つ博物館。

収蔵する文化財は約12万件。日本から中国、朝鮮半島、西アジア・エジプトまでの地域を網羅し、土器や土偶などの考古遺物から浮世絵や刀剣、甲冑、近代絵画など、日本の美術史をたどることのできるコレクションとなっている。


東京国立博物館

創立150年記念特設サイト

https://www.tnm.jp/150th/

東京国立博物館(トーハク)広報室 Twitter @TNM_PR

https://twitter.com/tnm_pr

東京国立博物館(トーハク)広報室 Instagram @TNM_PR

https://www.instagram.com/tnm_pr/



■文化財活用センター  https://cpcp.nich.go.jp/

2018年に設置された、文化財活用のためのナショナルセンター。「文化財を1000年先、2000年先の未来に伝えるために、すべての人びとが、考え、参加する社会をつくる」というビジョンを掲げ、「ひとりでも多くの人が文化財に親しむ機会をつくる」ことをミッションとして、さまざまな活動をしている。


ぶんかつ公式サイト

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