アート・文化的視点からメンタルヘルスを考える 『MINDSCAPES TOKYO WEEK』を2月20日~2月28日の期間 有楽町・YAU STUDIOにて開催
NPO法人インビジブル(本社:東京都中央区、理事長:山本 曉甫)は、メンタルヘルスとは何か、そして、その今後について考えるためのイベント『MINDSCAPES TOKYO WEEK ー アートと文化的な視点から考えるメンタルヘルスとは? ー』を2023年2月20日(月)に、有楽町駅前にあるYAU STUDIOにて開催します。
あらゆる災禍に見舞われ、不安定になってしまった世界を生きざるを得ないわたしたちは、<心の健康=メンタルヘルス>をどうやって維持すればいいのでしょうか。メンタルヘルスのケア、という重責を、医療機関だけに強いるわけにはいかない現状については、みなさんもご存知でしょう。そんななかで、芸術文化的側面から<メンタルヘルス>に何ら寄与する方途があるのでは、という直観がわたしたちのなかに生まれました。
医療という行為によって、こころをケアするための手がかりになる<症状>。アートという行為によって、こころの響きをカタチにした<作品>。どちらもこころの所産であるとするならば、アートという行為による、こころのケアも可能なのではないでしょうか。この直観を可視化し、日本国内におけるメンタルヘルスの向上を目指してスタートしたのが、英国を拠点にウェルビーイングの発見的研究を支援する公益信託団体ウェルカム・トラスト、日本を拠点にアートの創造性を社会に還元すべく活動するNPO法人インビジブルの両団体によるプロジェクト「MINDSCAPES TOKYO」です。
その母体となる「Mindscapes」は、東京だけでなく、ニューヨーク、ベンガルール、ベルリンの各都市で、ウェルカム・トラストが各地のパートナーと連携して、各都市独自のプロジェクトを進める、国際的な文化プログラムです。MINDSCAPES TOKYOは、2022年の発足以来、アート/文化的観点、日本という文脈から改めて<メンタルヘルス>へのアプローチ方法を探求すべく、あらゆるジャンルのスペシャリスト、多世代にわたる参加者とともに、「学び合う」をキーワードに、継続的な対話集会<コンビーニング(CONVENING)>を開催し、都市におけるメンタルヘルスのあり方を調査するアートプロジェクト<UI都市調査プロジェクト(URBAN INVESTIGATION)>を実施しました。いずれも、こころ、という果てしなくひろがるフィールドを探求するプロジェクトだけに、誰しもが納得するような明確な答えを得たわけではありません。しかし、<症状>ではなく<作品>を生みだすアートという行為には、メンタルヘルスケアのためのヒントが溢れていました。
MINDSCAPES TOKYO がいかにして、感性という言葉で覆い隠されてしまった、こころの響きをカタチにする<アートという行為>を紐解き、メンタルヘルスケアに貢献すべきかを模索しているのか、そのプロセスをみなさまと共有するために、来たる2月20日(月)から28日(火)まで8日間、『MINDSCAPES TOKYO WEEK』を有楽町、YAU STUDIO にて開催いたします。
“科学だけではこの仕事はできません。アーティスト、作家、キュレーター、デザイナー、映画制作者など、文化的実践者と密接に協力し、幅広い分野や専門的背景を持つ人々を集め、一人ではできないことを一緒に実現していきたいと思います。”
ダニエラ・オルセン(ウェルカム・トラスト 文化パートナーシップ責任者)
https://www.invisible.tokyo/news/mtw-event
■MINDSCAPES TOKYO WEEK @ YAU STUIO、有楽町
2月20日から2月28日までの8日間にわたりMINDSCAPES TOKYOが主催する『MINDSCAPES TOKYO WEEK』は、<UI都市調査プロジェクト><コンビーニング>の活動報告、<雑感/ZATTKAN><サロンZ>などの交流イベントからなるプログラムです。
【活動報告:UI都市調査プロジェクトOPEN STUDIO】
マインドスケープス(Mindscapes)の一環である<UI都市調査プロジェクト>は、都市における<メンタルヘルス(Mental Health)>のあり方について、アーティストとユースがクリエイティブなアプローチから共同で調査に取り組む実験的なアート・プロジェクトです。自らのメンタルの不調を他者に伝えにくい現代社会において、本プロジェクトでは多世代交流や対話を重視した体験型の学びから、都市部におけるメンタルヘルスについて根本的に考える機会をつくりだすことを目指します。3名のアーティストがリード調査員(Lead Investigator)を務め、学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校から募ったユース調査員と共に<都市と心/精神の健康>の結びつきを探求するプロジェクトを展開しながら、活動を通じて発見した気づきや学びをプロジェクトの発展に還元することで、都市におけるメンタルヘルスを考える思考と行動の切り口を生み出す取組みです。各調査は、調査でありつつアート・プロジェクトです。報告の形態は、調査内容の報告に適したアウトプットを調査員たちが設定しました。通り一遍のテキスト、数値だけでは表現できないメンタルヘルスの側面を感じていただけるはずです。同時に、活動を通して「メンタルヘルス」というカタカナで表される言葉に対する理解を深め、日本語を母語とするものにとってこの言葉が内包する本質的な意味を問い、捉え直していくことも本活動の目的になります。
【対話集会:コンビーニング】
<コンビーニング(Convening)>は、マインドスケープスの活動に賛同する様々なバックグラウンドを参加メンバーとともに、アート/文化の視点からメンタルヘルスについて対話を重ね、学び合うことを目的とした対話集会です。2022年5月~2023年2月、全4回のコンビーニングは、東京と富岡町(福島県) を会場に、森美術館とNPO法人インビジブルが企画協力し、「ミュージアムやアートプロジェクトは、メンタルヘルスクリニックになりえるのか?」という問いをテーマに取り組んできました。そして、MINDSCAPES TOKYO WEEKでは、わたしたちの掲げたテーマについて、今後の方向性やあり方をまとめながら、より具体的に次なるフェーズについて、活動報告と共に意見を交換します。
【交流会:スナック雑感】
MINDSCAPES TOKYOの活動のキーワードとなった、日本語特有の表現でもある<雑感/ZATTKAN>。わたしたちは、雑感を重視することで、文化的な視点からの本活動についての考察を深め、また、一人ひとりが気を張らず発言ができる環境づくりへの足がかりを築きました。その結果、アジェンダありきの堅苦しい議論では浮かばなかったであろうアイデアも生まれました。<スナック雑感>は、来場者がメンタルヘルスについて、思い想いの<雑感>を共有するための交流イベントです。そこは、日々の疲れから解放される癒しの時間です。ホストには、SSS(社会彫刻家)、磯谷・エリザベステ・香代子、MTWスタッフなど、多彩な顔ぶれが名を連ねております。
【交流会:サロンZ】
サロンZは、ゲストを囲み、さまざまな角度からMINDSCAPES TOKYOの活動について考えるための、交流型トークセッションです。
■イベント開催概要
会期 : 2023年2月20日(月)~28日(火)*休館日なし
時間 : 12:00~19:00(19:00以降プログラムあり)
会場 : YAU STUDIO
所在地 : 東京都千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビル10F
入場料 : 無料
参加方法: 事前申込制( https://mindscapestokyo.peatix.com )
問合せ : https://www.invisible.tokyo/contact
主催 : ウェルカム・トラスト、NPO法人インビジブル
会場協力: 有楽町アートアーバニズム YAU
構成 : 【コンビーニング】
企画協力:森美術館、一般財団法人小峰研究所
【UI都市調査プロジェクト】
企画協力:学校法人角川ドワンゴ学園N高等学校・S高等学校、
東京ガレージ、塩野香料株式会社、株式会社キチベエ
機材協力:富士フイルムイメージングシステムズ株式会社
■Wellcome Trust | ウェルカム・トラスト
誰もが直面する緊急の健康課題の解決を目指す医療財団で、世界で2番目の規模を誇ります。生命、健康、ウェルビーイングに関する先進的な研究を支援し、メンタルヘルス、気候変動、感染症という3つの世界的な健康課題に取り組んでいます。
■NPO法人インビジブル
「invisible to visible(見えないものを可視化する)」をコンセプトに、アート、文化、クリエイティブの力を活用した地域再生、コミュニティ開発、教育など領域を横断したプロジェクトに取組んでいます。2015年の設立時より、時代や状況に合ったカタチで、持続可能な豊かな社会を創ることを目指し国内各地で活動を展開してきました。インビジブルは、ウェルカム・トラストとの共同主催者として、MINDSCAPES(マインド・スケープス)の一環である「コンビーニング」と「UI都市調査プロジェクト」の両事業の企画運営を担っています。
■MINDSCAPES TOKYO|マインドスケープス東京
ウェルカム財団が主催する<MINDSCAPES>は、メンタルヘルスを理解するあり方やそれらの語り方、メンタルヘルスに関わる問題の対処の仕方等について、今までとは異なった方法を見つけだすことを目的とした国際的な文化プログラムであり、ベルリン、ニューヨーク、ベンガルール、東京の4都市を中心に展覧会やワークショップ等さまざまなイベントが企画されています。
https://www.invisible.tokyo/news/mtw-event
■有楽町アートアーバニズム YAU
「有楽町アートアーバニズム YAU」は、有楽町ビル10階にある約1200m2のスタジオを拠点に、映像・写真などのメディアアートからパフォーミングアーツまで、幅広いアーティストの活動を街に呼び込み、ワーカーとの交流を誘発する実証プログラムです。2022年2月から活動を開始し、約28万人が働くビジネス街、大手町・丸の内・有楽町地区にどのような変化やイノベーションを起こせるか検証を行いながら、共創的なコミュニティを育んでいます。アートアーバニズムとは、「アート」という共感的で感性的な価値創造のアプローチが都市生活様式に共存すること。都市の“作り手”と“暮し手”の境界を越えた相互活動を引き起こす、探求・実践の取り組みです。
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