分子機能研究所が大阪大学、京都府立医科大学と がん治療薬の開発を目指した共同研究を開始
分子機能研究所(所在地:埼玉県三郷市、代表:辻 一徳)は、大阪大学産業科学研究所(複合分子化学研究分野、教授:鈴木 孝禎、特任准教授:飯田 哲也)、京都府立医科大学創薬センター(センター長、特任教授:酒井 敏行、准教授:堀中 真野)と、がん治療薬の開発を目指した共同研究を開始しました。
分子機能研究所は、2005年に、国産初の構造ベース創薬システムを研究開発製品化した民間の研究機関です。構造ベース創薬で画期的生物制御化合物発見を目指しています。創薬基盤技術の更なる高度化と国内外オープンソースプログラムや商用プログラムを統合した革新的インシリコ創薬システム開発、及び、国内外研究機関との受託研究や共同研究を通して新規生物活性化合物(医農薬品)や分子標的発見で成果を示しています。基盤である基礎有機化学では計算化学を駆使して医農薬品を目的通りに合成するための立体選択性起源の解明研究やカルボラン化学などでも成果を示しています。COVID-19治療薬開発では世界初の大規模仮想スクリーニングを実施し、国内最初の抗新型コロナウイルス治療薬に関する査読学術論文を発表しています。
MFDDインシリコ創薬受託研究サービスを展開しており、今回の共同研究ではインシリコ創薬を担当します。
大阪大学産業科学研究所複合分子化学研究分野・鈴木研究室(教授:鈴木 孝禎)では、有機化学を基盤として意図した薬効を発現する有機化合物の創造(創薬)に取り組んでいます。有機合成化学・反応化学・計算化学・構造生物学・生化学・分子生物学・遺伝学などの幅広い知識を活かし創薬化学・医薬品化学・ケミカルバイオロジー研究に取り組み、新しい生理活性物質の合成と作用機構の解明を行っています。研究テーマとして、特に、以下の分野で成果を発信しています。1)次世代エピジェネティックドラッグを目指した、アイソザイム選択的ヒストン脱アセチル化酵素(HDAC)阻害剤やヒストン脱メチル化酵素阻害剤など、エピジェネティクス制御化合物の創薬研究。2)クリックケミストリーを用いた、低分子化合物ライブラリーの構築と新規生理活性物質の探索研究。クリックケミストリーの代表的反応である銅触媒アジドーアルキン付加環化反応を用いて、HDAC阻害薬のためのライブラリーを構築し、HDACアイソザイム特異的阻害剤の創出に成功しています。3)標的となる酵素が引き起こす触媒反応、あるいはその酵素特有のポケットを使って、酵素自身に阻害薬を合成させる標的酵素誘導型合成(TGS)を用いた酵素の特異的な阻害薬の創製研究。TGSにより、ヒストン脱アセチル化酵素のSIRT1やHDAC8、ヒストン脱メチル化酵素のLSD1阻害薬の創製に成功しています。
京都府立医科大学創薬センター・酒井研究室(センター長、特任教授:酒井 敏行)では、がん分子標的薬スクリーニング系「RB再活性化スクリーニング」法を創案し、MEK阻害剤トラメチニブ(商品名:メキニスト)を発見、開発。ファースト・イン・クラスのMEK阻害剤として、2013年5月に米国FDAで承認されています。その後、BRAF阻害剤ダブラフェニブとMEK阻害剤トラメチニブとの併用療法が、進行性BRAF変異メラノーマ患者他、多臓器のBRAF変異がんに対して、2022年に米国FDAで承認されています。
■「MFDDインシリコ創薬受託研究サービス」について
MFDDインシリコ創薬受託研究サービスは、単純な受託計算ではなく、事前に検証や論文調査を行い、最先端の構造ベース創薬(SBDD)やリガンドベース創薬(LBDD)などのインシリコ創薬技術を駆使して、最善の手法を提案します。
ホモロジー検索、アミノ酸配列アラインメント解析、ホモロジーモデリング、タンパク質二次構造予測、立体構造予測、核酸(DNA、RNA)モデリング、ペプチドモデリング、複雑な生体高分子システムモデリング、分子動力学計算、リガンド結合部位予測、基質結合部位予測、相互作用部位予測、分子ドッキング、精密ドッキング解析、誘導適合効果(インデュースドフィット効果)を考慮した生体高分子システム及びリガンドフレキシブルドッキング、タンパク質―リガンドドッキング、核酸―リガンドドッキング、タンパク質―タンパク質(ペプチド)ドッキング、インシリコスクリーニング、バーチャルスクリーニング、結合様式予測、類似化合物検索、部分構造検索、ファーマコフォアモデリング、ファーマコフォアベースバーチャルスクリーニング、リガンドベースバーチャルスクリーニング、活性化合物からの標的予測(逆引き予測)、化合物ライブラリー構築、生体分子量子化学計算、フラグメント分子軌道計算、QM/MM計算、ONIOM計算、電子相関MP2レベルでの振動解析による結合自由エネルギー計算、インターフラグメント相互作用解析、分子シミュレーション、ドラッグデザイン、リード最適化、合成ルートデザイン、遷移状態解析、NBO解析、反応座標解析、定量的構造活性相関解析、生体分子ネットワーク・パスウェイ解析などを駆使して創薬化学研究の課題解決をトータルにサポートします。
とくにリガンド結合部位予測やファーマコフォア予測は特許を取得した独自技術の強みがあるとともに、独自開発ソフトとオープンソースプログラムを利用した高度な自動化システムを構築しています。
■分子機能研究所概要
代表者 : 辻 一徳
所在地 : 〒341-0037 埼玉県三郷市高州2-105-14
設立 : 2003年7月1日
事業内容: 創薬化学研究、構造ベース創薬システム研究開発・販売、
インシリコ創薬受託研究・共同研究・コンサルティング、
受託計算化学(代行計算)、と創薬化学分野の人材育成事業
URL : https://www.molfunction.com/jp/
【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】
分子機能研究所 サポート
TEL:048-956-6985
お問い合せフォーム: https://sites.google.com/view/molecularfunction/%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%A0
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