20~40代男女、「クラウド」利用者は8割以上! 『1億総クラウド時代』に突入!? 北村 森氏が指摘、現代人を悩ます「データ」にまつわる問題… クラウドが救う、データの「行き止まり」「行方不明」「紛失」問題とは? 身近になった「パーソナルクラウド」最新事情
生活者の意識・実態に関する調査をおこなうトレンド総研(東京都渋谷区)は、このたび、デジタルデバイスの普及に伴い急速に利用者が増加している「クラウド」サービスについてレポートいたします。
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グラフ
パソコンやデジタルカメラに加え、スマートフォン、タブレット端末など、さまざまなデジタルデバイスが登場している現在。それに伴い、個人が扱う「データ」の量も、数年前と比べて飛躍的に増えています。また、保有するデバイスやデータが増えたことで、ファイルの置き場所に困ったり、必要なデータが行方不明になったりなどの問題も生じています。
そんな中で、現在急成長しているのが、個人向けの「クラウド」サービス。例えば「パーソナルクラウド」と呼ばれるデータの保管サービスは、パソコンやスマートフォンなど1人で複数の機器を使い分けるようになってきた現代の時流にマッチしたものです。パソコンやスマートフォンなどの本体ではなく、インターネット(=クラウド)上にデータを保存するため、機器の容量を気にしなくてよいほか、どの機器からでも同じデータを利用できます。また、複数人で閲覧・編集できたり、自動的にデータが整理・分類されたりと、ユーザビリティーの高い機能を持つものも多数登場し、人気を集めています。
今回のレポートでは、この「クラウド」をテーマに、一般生活者への調査結果のほか、トレンドに詳しい商品ジャーナリスト・北村 森氏へのインタビュー内容や、注目の「パーソナルクラウド」についてもご紹介してまいります。
■レポート内容
1.【意識調査結果】
「クラウド」サービスに関する意識・実態調査
20~40代男女500名を対象とした、「クラウド」利用に関する意識・実態調査の結果をレポートします。
2.【専門家インタビュー】
トレンドの専門家に聞く、「パーソナルクラウド」活用術&最新トレンド
商品ジャーナリスト・北村 森氏に、「パーソナルクラウド」の活用術と最新トレンドについてお話をお伺いしました。
3.【サービス紹介】
注目の「パーソナルクラウド」サービス
現在注目の「パーソナルクラウド」サービスとその特徴をご紹介いたします。
<1.【意識調査結果】
「クラウド」サービスに関する意識・実態調査>
はじめに、20~40代の男女500名を対象とした、「クラウド」利用に関する意識・実態調査の結果をレポートします。
■写真・音楽・ドキュメントなど、大量のデータを扱う現代人…「クラウド」利用経験者は8割以上!
まず、「現在所有しているデバイス(情報機器)」を複数回答で聞いたところ、ノートパソコン(68%)、デジタルカメラ(55%)、スマートフォン(60%)などが上位に。また、デバイスを複数台(2台以上)持っている人の割合は83%にのぼりました。
続いて、「クラウド」を用いたサービスの利用経験を聞いたところ、83%が「(利用経験が)ある」と回答。具体的な利用内容としては「ウェブメール」(81%)が最も多く、そのほかにも、「ファイル共有サービス」は33%と3人に1人、「パーソナルクラウド」は22%と5人に1人が利用していることが明らかになりました。
また、「クラウドが身近なものになったと思いますか?」という質問には、全体の58%と約6割が「そう思う」と回答。さまざまなデバイスを使い分け、写真・音楽・ドキュメントなどさまざまなデータを扱う現代人にとって、クラウドは必要不可欠なものになりつつあると言えそうです。
[グラフ] http://www.atpress.ne.jp/releases/37930/1_1.jpg
■データにまつわる、さまざまな悩みを一挙に解消する「クラウド」
しかし一方で、「クラウドを十分に活用できていると思いますか?」という質問に対して「そう思う」と答えた人は26%にとどまり、まだまだ活用しきれていないと感じている人が多いのも事実。
「クラウド」の活用法は多岐にわたりますが、特に「パーソナルクラウド」と呼ばれるデータ保管サービスを上手に活用することで、大容量のデータが保存できるようになるほか、端末間のスムーズなデータ移行、端末紛失のリスクヘッジが可能となります。
ちなみに、日常のデータにまつわる悩みを聞いたところ、下記のような結果となりました。
●「端末に写真・音楽・動画などのデータをたくさん保存したことで、容量が気になった経験がある」:60%
●「端末を新しいものに買い替える際、データの移行を面倒に感じたことがある」:76%
●「携帯電話、パソコンなどの端末を紛失して必要なデータが手元になくなったり、データを悪用されたりすることを不安に感じたことがある」:66%
●「撮影した写真を加工や印刷する際、パソコンに移行させたり、アプリを立ち上げたりするのを面倒に感じたことがある」:61%
「クラウド」は、こうした現代人の悩みを解決する上で有効な手段であり、サービスや活用法に関する情報が広がっていくことで、今後ますます一般化していくと予想されます。
[調査概要]
・調査期間:2013年7月3日~7月5日
・調査方法:インターネット調査
・調査対象:20~40代 有職者男女 500名
<2.【専門家インタビュー】
トレンドの専門家に聞く、「パーソナルクラウド」活用術&最新トレンド>
続いて、商品ジャーナリスト・北村 森氏に、「パーソナルクラウド」の活用術と最新トレンドについてお伺いしました。
■日常生活の中で“いつの間にか”使っていた…急速に身近になった「パーソナルクラウド」
「パーソナルクラウド」による「オンライン上でのデータ保存」という概念自体は、決して新しいものではなく、サービスは10年前にはすでに存在していました。ただ、当時は、主にITリテラシーの高い人たちの間でのみ使われており、決して一般に浸透しているものではありませんでした。
それが、ファイルサイズの大きな写真・動画など、個人が扱うデータがこの数年で圧倒的に増えたことで、オンライン上において、データをストックしたり、やり取りしたりという動きが急速に一般化しました。中には、「パーソナルクラウド」「オンラインストレージ」などの名前を意識することなく、日常生活の中で“いつの間にか”使っていたという人も多いのではないでしょうか。
■「行き止まり」「行方不明」「紛失」…データにまつわる問題を「パーソナルクラウド」が解決
こうした動きを大きく後押ししているのが「スマートフォン」の普及です。スマートフォンは、デジカメ代わりに写真を撮影したり、動画データをダウンロードしたり、パソコンからのファイルを受信したりと、日々データ容量が増えていく端末です。また、スマートフォンだけではなく、パソコン、タブレットなど、複数のデバイスを所有している人も多く、個人で扱うデータの量はここ数年で大きく増えています。
そして、このような背景から、データの扱いに関するさまざまな問題が生じています。
1つ目は、データの「行き止まり」問題。端末の買い替え時に、古い端末から新しい端末へのデータ移行がスムーズに行かなかった、面倒でそのまま放置してしまったなどの理由で、昔の端末にデータが入りっぱなし、という人は意外と多いようです。
2つ目は、データの「行方不明」問題。データが多すぎて整理できていなかったり、どの端末・メモリにデータを保存したかを失念したりして、必要なデータを取り出せない、という事態に陥る可能性が増えました。
3つ目は、データの「紛失」問題。特にスマートフォンは、紛失・破損の可能性も大きいため、端末にしか入っていないデータが二度と取り出せなくなってしまうリスクがあります。
こうした問題を解決してくれる存在が「パーソナルクラウド」です。「パーソナルクラウド」にデータを保存する設定・習慣を取り入れることで、スムーズなデータの移行・整理や、紛失時のリスクヘッジが可能になります。
■デバイスフリー、キャリアフリー、データ自動分類…便利さが向上する「パーソナルクラウド」サービス
そして、最近の「パーソナルクラウド」サービスは、便利さや使い勝手がどんどん向上しています。スマホ・パソコン・タブレットなど、あらゆるデバイスで利用できるのはもちろんのこと、どの携帯キャリアでも利用できるタイプのものもあります。そのため、パソコンを買い替えた時や、携帯電話のキャリアを変更した時などでも、スムーズにデータを移行させることができるのです。
また、データの整理・分類についても精度が上がっています。日付や名前による自動分類のほか、最近では顔認証機能を用いて、撮影データを人物ごとに整理できるものも登場しています。
数年前までは、単純にデータを保存したり、共有したりするだけであったのが、近年、さまざまな機能が付随されたことで便利さが増しており、今後はますます使い方の幅も広がっていくと思われます。
■「パーソナルクラウド」サービスを選ぶ際には、自分の目的や使い方にあわせて
なお、「パーソナルクラウド」は、サービスごとに、機能や容量、価格に違いがありますので、自分の目的や使い方にあわせて選ぶ必要があります。
例えば、仕事などで、いろんな人と1つのドキュメントに書き込みを入れたい場合には、複数の人と同時ログイン・同時作業できるサービスを選ぶのがいいでしょう。また、スマートフォンで写真をたくさん撮影する人は、撮ったデータが自動的にクラウドにアップロードされたり、必要な写真が後で見つけやすいように自動分類してくれたりするサービスを選ぶと良いと思います。まずは、自分の普段の使い方をイメージすることが重要です。
容量についても、自分がどれくらいのデータを扱う可能性があるかをあらかじめ見積もっておきましょう。現時点では所有するデータが少なくても、将来的にデータのボリュームが増える可能性があるのであれば、途中からでも、オプションなどで大容量のものに切り替えられるサービスをセレクトするのがおすすめです。最近では、大容量で多機能な「有料クラウド」のラインナップも充実していますが、もし容量を重視するのであれば、1GBあたりの料金などから算出して、割安なものを選ぶと良いと思います。
▼プロフィール
北村 森(きたむら・もり)
商品ジャーナリスト
「日経トレンディ」編集長時代から、テレビ・ラジオ番組のコメンテーターとしても活動。退職後、商品ジャーナリストとして活動。原稿執筆、テレビ、ラジオ番組への出演、講演活動などとともに地方自治体と連携する形で地域おこしのアドバイザー業務にも携わる。著書に『途中下車』(河出書房新社)、『ヒット商品航海記』(日本経済新聞出版社 共著)。
<3.【サービス紹介】
注目の「パーソナルクラウド」サービス>
最後に、さまざまな特徴や機能をもった、現在注目の「パーソナルクラウド」サービスについてご紹介いたします。
■「マイポケット」
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NTTコミュニケーションズが提供する「マイポケット」は、月額315円で64GBの大容量クラウドが利用できるサービスです。写真・動画・ドキュメントなど、さまざまなデータを安全に保管することができるほか、データの共有・公開機能により、友達や家族と写真を見せ合うこともできます。なお、相手が「マイポケット」ユーザーでなくても、2GBまでであれば、メールで簡単にファイルを共有することが可能です。
また、パソコンだけでなく、スマートフォンやタブレットでも同じ機能を利用することができます。特にスマートフォンについては、端末内の電話帳はもちろん、撮影した写真や動画を自動でバックアップするアプリ(iOS、Android)も提供されています。これらを利用すれば、端末や携帯会社を変更しても、スムーズなデータ移行が可能です。
さらに、このアプリは名前・種類・日時など検索方法も多彩で、ファイルが増えすぎてもすぐに見つけることができます。また、7月30日から、顔写真に分類用の名前を登録すると、アップロードのとき自動的に同じ顔の写真を識別・分類してくれる便利な「顔認識サービス」も開始され、写真データがよりスマートに整理できるようになりました。
そのほか、このアプリを使うことで、画像のデコレーションも可能。エフェクトやトリミングなどの基本機能はもちろん、可愛いフレームやスタンプ、デカ目などのアレンジもできて、プリクラ感覚でデコレーションを楽しめます。さらに、デコレーションした写真を元にオリジナルアルバムの作成、セブンイレブンのコピー機からの印刷およびSNSサイトへの投稿が可能です。
▼「マイポケット」
http://www.cocoa.ntt.com/
■「auスマートパス」
http://www.atpress.ne.jp/releases/37930/3_3.jpg
月額390円で人気アプリや最新コンテンツなどが使い放題となる、「auスマートパス」。数ある機能の1つとして、パーソナルクラウドサービスも提供されています。
「auスマートパス」に加入すると、50GBの大容量クラウドが利用可能に。撮影した写真・動画を「au Cloud」アプリで自動保存することができます。Android端末では一度設定すれば、そのまま何もしなくても、全ての思い出が自動的に保存され、端末が紛失・故障しても、バックアップがあるので安心です。ちなみに、個別の写真を選んでから保存することも可能です。
なお、保存した写真や動画は「Photo Album」アプリで閲覧可能。アルバムを作成して整理したり、友人と簡単に共有したりすることができます。さらに、「Photo Album」サービスは、Webサイトからも利用できるため、スマートフォンやパソコンなどから自由に閲覧・編集可能です。
また、画像や写真をおしゃれにかわいくデコレーション・加工ができる、さまざまな「Photo Album」連携アプリが充実しているほか、子供・旅行・結婚式の思い出の写真から自分だけの写真集を作ることができるアプリ「TOLOT フォトブック for au」、印刷したい写真を選択して注文することで1枚5円から印刷できる激安写真プリントアプリ「しまうまプリント for au」などのプリント注文アプリとも連動しています。
iPhoneでは「au Cloud」アプリを利用して写真・動画のバックアップができます。
▼「auスマートパス」
http://pass.auone.jp/
■「Evernote」
http://www.atpress.ne.jp/releases/37930/4_4.jpg
アメリカのEvernote Corporationが提供しているパーソナルクラウドサービス「Evernote」。パソコンやスマートフォンから、さまざまなデータを蓄積することができます。保存した情報は、専用のアプリからも、ブラウザからもアクセスでき、メモ帳感覚で整理できるため、「電子ノート」として気軽に使用することが可能です。インターネットや普段の生活の中で見つけた、気になる情報や面白いものをクリップしたり、お気に入りのWebサイトを保存したりと、仕事でもプライベートでも役立てることができます。
「Evernote」を使って記録した情報には、すべて自動的にインデックスがつけられ、全文検索ができる状態でインターネット上のサーバーに保管されます。また、保存した情報には、「タグ」もつけられるので、大量の情報を記録しても、必要な情報を容易に取り出すことができます。さらには、複数のユーザーとの同時閲覧・編集も可能です(※複数ユーザーでの共同編集はプレミアム会員のみ)。
なお、会員には無料の「スタンダード」と有料の「プレミアム」の2つの種別があります。「Evernote プレミアム」(月額450円または年額4,000円)では、月ごとに1GBまでの大容量のデータをアップロードできるようになるほか、充実したモバイル向け機能やセキュリティ機能が利用可能に。ほかにも、オフラインでもノートを閲覧できたり、文書内のテキスト検索や高速な画像認識処理が可能になったりと、プレミアム専用の機能も多数用意されています。
▼「Evernote」
http://evernote.com/
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