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【ダイキン】ビル用マルチエアコン『VRV 7』シリーズを新発売

低温暖化冷媒R32の採用と業界トップレベルの省エネ性を実現し、環境負荷低減に貢献

ダイキン工業株式会社は、環境性と省エネ性に優れた低温暖化冷媒HFC-32(以下「R32」)の採用や基本性能の向上など、空調機に求められる7つの観点を強化することで、業界トップレベル(※1)の省エネ性を実現し、環境負荷低減や業務負荷軽減にも貢献するビル用マルチエアコン『VRV 7』シリーズを2024年11月より順次発売します。
近年、地球温暖化防止やカーボンニュートラル実現に向けた環境影響の低減や、エネルギー価格高騰、施工・メンテナンスの人手不足など、空調機を取り巻く様々な社会課題への対応が急務となっています。また、さらなる快適性向上も重要です。こうした中、当社はこのたび、日本国内市場で販売するビル用マルチエアコンの冷媒を、従来のHFC-410A(以下「R410A」)と比べてGWP(※2)が約1/3でエネルギー効率にも優れるR32に切り替えます。本商品はR32への冷媒転換を機に、空調機に求められる省エネ性、環境性、快適性、安心設計、省施工、機器間連携、空気質見える化の7つの観点で強化し、社会課題の解決に貢献します。
今回の冷媒転換により、フロン排出抑制法において2025年度以降に順次義務付けられるビル用マルチエアコンの低GWP化にも対応します。当社は今後も、社会課題に対応した商品の開発や普及を通じて、環境負荷低減とお客様満足の両立を目指します。

なお、2024年1月30日(火)から2月2日(金)まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催される日本冷凍空調工業会主催の『HVAC&R JAPAN 2024』において、本商品を参考出展します。

商品の7つの特長

1.省エネ性

・R32に適したマイクロチャネル熱交換器と圧縮機を開発し、業界トップクラスのAPF(※3)、COP(※4)を達成。R410Aを用いた従来機比でAPFと COPを約5%(※5※6)向上。

2.環境性

・R32の採用に伴うマイクロチャネル熱交換器の刷新や現地冷媒配管の細径化より、冷媒充填量を10%以上低減(※7)。
・業界で初めて(※8)、室内ユニットの冷媒配管接続部に冷媒の漏えい想定箇所から除外(※9)されるねじ接合継手「フレアレスジョイント」を標準採用。

3.快適性

・万一の冷媒漏えいの拡大を防止する「マルチ冷媒制御ユニット」が、室内ユニットごとの熱負荷に応じて冷媒温度を変化させ、快適性を向上し、消費電力量も約7%削減(※10)。
・不快指数に基づき運転する当社独自(※11)の「除湿冷房」で快適性を向上。

4.安心設計

・43℃の高外気温でも定格冷房能力をキープする「高外気運転モード」を搭載。
・震度7相当の振動試験(※12)においても、空調機の運転に必要な圧縮機や電気部品、冷媒配管などが損傷することなく運転可能な耐震設計を採用。

5.省施工

・室内ユニットの冷媒配管接続に、フレア加工が不要な「フレアレスジョイント」を標準採用。また、室外ユニットの冷媒配管接続には別売品のロウ付け不要な火無し継手「クイックパイパー」(※13)を使用することで、施工工数を削減。

6.機器間連携

・室外ユニット同士の連携により室外ユニット全体の消費電力を削減し、COPを約4%(※14)向上。

7.空気質見える化(25年春実装予定)

・外部センサーが収集した CO2やVOC、PM2.5などの空気質のデータを、室内ユニットを介して、クラウド型空調コントロールサービス『DK-CONNECT』に取り込み可能。
・空気質データの蓄積と可視化により、快適で理想の空間づくりに貢献。

ラインアップと発売時期

詳細特長

1.省エネ性

従来のビル用マルチエアコンに多く使用されている冷媒R410Aに比べてエネルギー効率が優れるR32を採用。R32の特性にあわせて形状を最適化した当社独自(※15)のマイクロチャネル熱交換器と高効率圧縮機の搭載で、R410Aを用いた従来機比でAPFとCOPは約5%向上し、業界トップクラスのAPFとCOPを実現します。

マイクロチャネル熱交換器の刷新

R32への転換に伴う冷媒の流速変化に対応し、熱交換器の流路形状を見直しました。冷媒が熱交換器内部にバランスよく分布するよう流路形状を最適化することで、空調機において重要な熱交換効率を向上させました。

高効率圧縮機の搭載

業務用パッケージエアコンにおいて業界初(※16)となる「高効率集中巻モーター」の搭載や、渦巻形状の変更により効率向上した新型圧縮機を搭載し、業界トップクラスのAPFの実現に貢献します。

2.環境性

R32はR410Aに比べてGWPが約1/3と小さく、かつ冷凍効果が高いことが特長です。本商品はR32への転換に加えて、当社独自のマイクロチャネル熱交換器や、施工時に使用する冷媒配管の細径化が可能になり、冷媒充填量を約10%以上低減します。また、室内ユニットと冷媒配管の接続に「フレアレスジョイント」を採用したことで、冷媒の漏えい想定箇所から除外されます。さらに、再利用が可能な「リターナブル梱包」での出荷にも対応※17、従来の木枠梱包と比べてCO2排出量を約8割削減(※18)します。

ISO14903に準拠するねじ接合継手「フレアレスジョイント」を標準採用

R32を採用した空調機を使用する際には、業務用エアコン施工ガイドラインにより、冷媒配管接続部からの冷媒漏れを検知するセンサーの設置が必要になる場合もあります。本室内ユニットに標準採用する「フレアレスジョイント」は同ガイドラインにおいて冷媒の漏えい想定箇所から除外されるため、センサー設置が不要となります。

従来の木枠梱包と比べてCO2 排出量を約8割削減する「リターナブル梱包」での出荷に対応

室外ユニットの輸送時、梱包には多くの木材が用いられ、工事現場への搬入後には廃棄物として処分されます。本商品の出荷時は樹脂製の梱包材を用いた「リターナブル梱包」も選択でき、約10回再利用が可能です。これにより従来と比べてCO2排出量を約8割削減できます。

3.快適性

遮断装置としての働きもする「マルチ冷媒制御ユニット」を用いたマルチ冷媒温度制御

ビル用マルチエアコンは、ひとつの室外ユニットから複数の室内ユニットに冷媒を送ることで冷暖房を行います。一般的には、すべての室内ユニットに同じ温度の冷媒が送り込まれます。そのため室内ユニットごとに熱負荷が異なる場合、最適な温度の冷媒が送り込まれる室内ユニットと、最適ではない温度の冷媒が送り込まれる室内ユニットが混在することがあります。
例えば冷房時、必要以上に温度が低い冷媒が送り込まれた室内ユニットでは、過度な室温低下を防ぐため、ファンの運転と停止を繰り返すサーモ発停により快適性を維持することが課題でした。本商品は室内ユニット付近の冷媒配管に「マルチ冷媒制御ユニット」を設置することで、室内ユニットごとに最適な冷媒温度にコントロールし、室内の快適性向上に貢献します。さらにサーモ発停を抑制することで、消費電力量を約7%削減します。
なお「マルチ冷媒制御ユニット」は、R32を採用した業務用エアコン施工ガイドラインに規定される冷媒漏えい拡大を防ぐ遮断装置の役割も担っています。

ダイキン独自の「除湿冷房」を搭載

従来機は室内ユニットに内蔵した温度センサーで室温を検知しながら運転します。本商品は温度センサーに加えて湿度センサーも搭載し、室内の温度と湿度から算出した不快指数にもとづいて除湿冷房運転します。湿度を抑え、快適な空間を維持します。

4.安心設計

43℃の高外気温でも定格冷房能力をキープ

室外ユニットが設置されるビルなどの建物の屋上は、真夏になると日差しの影響や数多く設置された室外ユニットの間で生じるショートサーキットにより、室外ユニット周辺の温度が上昇しやすくなります。その結果、効率的な熱交換が妨げられ、冷房能力が低下してしまいます。本商品は室外ユニットファンの風量を上げることで、43℃の高外気温でも定格冷房能力を維持する「高外気冷房運転モード」を搭載しました。室外ユニットの設置場所が過酷な環境になりやすい夏場でも安定した冷房運転が可能です。

ビルの上層階で震度7相当の揺れを受けても運転可能なタフネス設計

室外ユニットの多くが設置されるビルの屋上は、地震による揺れの影響も受けやすい場所です。本商品は、9階建ビル屋上程度の高さに設置して震度7相当の振動試験を行った後でも、空調機の運転に必要な圧縮機や電気部品、冷媒配管などが損傷せずに運転できる製品設計を採用しました。

5.省施工

施工品質の安定化と施工時間短縮に役立つ「フレアレスジョイント」

冷媒配管接続工事において、従来は専用工具を使って冷媒配管をフレア形状に加工(フレア加工)する必要がありました。フレア加工を用いて冷媒配管を接続する場合、接続部からの冷媒漏れを防ぐため、高い技術や経験が求められます。「フレアレスジョイント」では、「フレアレスジョイント」に冷媒配管を差し込み、レンチで締めるだけで作業が完了します。フレア加工の必要がないため、経験の浅い施工者でも品質の安定化につながります。さらに従来のフレア加工による施工より約14%の時間短縮(※19)が可能です。
あわせて「フレアレスジョイント」の施工品質の安定化に役立つ「マーキングゲージ」も付属して出荷するため、冷媒配管接続の施工ミスや施工レベルのばらつきを抑えられます。

室外ユニットの前板形状を見直し、施工やメンテナンス時の取り外しやすさを追求

前板を上下2分割に見直し、施工やメンテナンスの際に取り外す必要のある前板の枚数を減らしました。室外ユニットの設置後に行う電源配線や冷媒配管の接続や、メンテナンス時の作業などに伴う作業工数を削減します。

6.機器間連携

室外ユニット同士の連携により、室外ユニット全体の消費電力量を削減

同じフロア内で負荷の偏りがある場合に高負荷の系統と低負荷の系統が連携し、目標能力を調整することで系統全体として消費電力を削減し、COPを約4%向上します。

7.空気質の見える化(25年春実装予定)

外部センサーを用いて空気質データを収集し、蓄積と可視化

本商品では、室内ユニットに付属している温湿度センサーに加えて、室内のCO2やVOC、PM2.5などの空気質を検知する外部の環境センサーの接続も可能です。各種センサーで収集した空気質の情報を、室内ユニットを介してダイキンのクラウド型空調コントロールサービス『DK-CONNECT』に蓄積し、可視化や帳票化します。これにより大掛かりな計装工事をせず、より快適な空間づくりに貢献します。

【注釈】
※1:2024年1月時点、当社調べ。
※2:地球温暖化係数の略。温室効果ガスについてどの程度の温室効果があるかをCO2基準で表した値。
※3:通年エネルギー消費効率。
※4:エネルギー消費効率(成績係数)。
※5:APF2015の比較。従来機(RXUP400FC):APF6.5、新型機(RXGA400A):APF6.8。
※6:冷暖平均COPの比較。従来機(RXHP335FC):COP4.24、新型機(RXHA335A):COP4.45。
※7:10馬力相当システム、主管50m+分岐後配管20mにて設置の場合。従来機(RXUP280FC)、新型機(RXGA280A)。
※8:2024年1月時点、当社調べ。ビル用マルチエアコンにおける冷媒配管接続において。
※9:日本冷凍空調工業会から発行されているガイドライン「特定不活性ガスを使用した冷媒設備の冷媒ガスが漏えいした時の燃焼を防止するための適切な措置」(GL-20)にて記載。
※10:新型VRV7シリーズにおいて。マルチ冷媒温度制御有無による比較。室外機10馬力×1台+室内機3.2馬力×3台のシステム。
※11:2024年1月時点、当社調べ。ビル用マルチエアコンにおいて。
※12:国立研究開発法人防災科学技術研究所が所管する、大型構造物の震動破壊実験を行う大規模実験施設(E-ディフェンス)にて実施。
※13:当社グループ会社オーケー器材製の火無し継手。
※14:JIS8616による条件(冷房時は室内側27℃DB、19℃WB、外気温度35度DB各室内機までの配管相当長7.5m、高低差0m。)
新型VRV7シリーズにおいて。機器関連制御有無による比較。
※15:2024年1月時点、当社調べ。ビル用マルチエアコンにおいて。
※16:2024年1月時点、当社調べ。8極12スロットの集中巻きモーターにおいて。
※17:受注生産品にて対応予定。
※18:梱包材のCO2排出量の比較。新型機RXGA450Aの梱包材をリターナブル梱包にて10回対応した場合。
※19:当社調べ。<条件> 配管施工(配管切断~配管加工~室内ユニットと室外ユニットの接続)の時間をフレアレスジョイント有無で比較。
カテゴリ:
その他
ジャンル:
ビジネス全般

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