全国初、教育用タブレットを活用した児童の見守りに関する実証実験を開始
熊本県荒尾市(以下 荒尾市)とNTTコミュニケーションズ株式会社(以下 NTT Com)は、教育用タブレット(※1)を活用して登下校中の児童の見守りを行う全国初の実証実験(以下 本実証)を開始します。
本実証実験は、国土交通省がデータや新技術を活用した先進的な都市サービスの実装に向けて取り組む実証事業を支援する「スマートシティ実装化支援事業」において採択され、取り組むものです。
1.背景
児童が登下校中に事故や事件に巻き込まれる事例は後を絶ちません。警察庁によると、令和4年に交通事故に遭った児童の数は全国で330名にのぼり、そのうち約4割が登下校中に発生しています(※2)。また、児童が帰宅途中に居場所が分からなくなるケースなどにおいて、児童を対象とした犯罪や声掛け事案が発生する可能性も想定されます。
児童が安心して暮らせるまちづくりをめざす荒尾市は、こうした現状に対し登下校中の児童の有効な見守り方法を検討するため、NTT Comとともに本実証を実施します。
2.本実験の概要
本実証では、荒尾市が児童1人に1台配備している教育用タブレットを活用し、登下校状況や現在地・行動履歴の把握、登校エリアから外れた場合のアラート通知を行うことで、面的な見守りの有効性を検証します。(※3)
■実施期間:2024年1月15日~2024年2月9日
■協力:荒尾市立桜山小学校・荒尾市立緑ケ丘小学校
■詳細:
・教育用タブレットからGPSで位置情報を取得
・NTTドコモのモバイル回線を通じて、NTT Comが提供する保護者・教職員向けスマートフォンアプリに、児童の現在地や行動履歴を表示
・HR(ホームルーム)の開始・終了時や、通学路や校区から外れるなどした場合に通知を実施
【本実証の取り組みイメージ】
3.今後の展開
荒尾市とNTT Comは、来年度の本格運用をめざして保護者や教職員へのアンケート調査などを行いながら有効性を検証していきます。また、出欠情報の確認・管理に関わる教職員の稼働削減や効率化に寄与できるかアンケート結果などから検証します。さらに、本実証で得られた児童の出欠席・行動履歴データを、不登校の兆しの早期発見や、通学路上の横断歩道・街路灯の整備などに活かすことを検討します。
NTT Comは、荒尾市と同様の課題を抱える他の地域へのサービス横展開をめざします。
(※1):教育用タブレットとは、文部科学省のGIGAスクール構想に基づき全国の学校
で児童生徒に1人1台に配備されている端末を指します。
(※2):出典「令和4年における交通事故の発生状況について」(警察庁)
https://www.npa.go.jp/bureau/traffic/bunseki/nenkan/050302R04nenkan.pdf
(※3):児童の位置情報は保護者の同意を得て取得します。
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