銀座5丁目の「KOGEI Art Gallery 銀座の金沢」にて 金沢で育った若手作家12名の作品を展示、5月28日まで開催
金沢の土地から放たれる、新たな工芸の風。
2014年に開業した「dining gallery 銀座の金沢」が、開業10周年を迎えた本年3月に「KOGEI Art Gallery 銀座の金沢」として、銀座5丁目にリニューアルオープンしました。リニューアル後初の企画展「金沢卯辰山工芸工房 -表現と技-」を、2024年5月28日(火)まで開催します。会期終了まで残り1週間となりました。
今後も、アートとしての工芸や、生活を彩る工芸など、金沢の「KOGEI」を多面的に発信していきます。
1Fでは、領域を横断する「KOGEI」の今を紹介するアートエキシビションを開催。金沢の若手作家を中心に確かな技巧が育む力強い表現を企画展として紹介していきます。只今開催中の第1回企画展では「金沢卯辰山工芸工房 -表現と技-」と題し、金沢で育った新進気鋭の若手作家たちの作品を多様なジャンルから紹介。5月28日(火)まで開催しております。
6月1日(土)からは、工芸作家と家具デザイナーによる、新しいしつらえとしての工芸家具を作家のアートワークとともに紹介する「A New Polite of KOGEI 工芸の新たな礼節」を開催。初日は作家、デザイナーが在廊しイベントを開催予定です。
2Fでは、伝統をはじめ多様な工芸が四季折々の暮らしに息づく金沢をテーマに、作家による企画展や、生活に取り入れたい工芸品、金沢の希少伝統工芸などもご紹介していきます。
現在は、能登半島地震で被災した伝統工芸の復興支援に向けた特別展「能登半島地震復興支援 珠洲焼特別展」を開催中です。 ※会期:5月11日(土)~25日(土)
また、当ギャラリーを運営する「金沢クラフトビジネス創造機構」のホームページでは、移転オープンを記念して、金沢クラフトビジネス創造機構 理事長・福光松太郎と、工芸ディレクター・原嶋亮輔との特別対談が掲載されています。オープンに込めた想いや、工芸都市・金沢の成り立ちから現在、未来に向けたお話までご覧いただけます。ぜひ、ご一読ください。
開催中 OPENING EXHIBITION
「金沢卯辰山工芸工房 -表現と技-」
会期:5月28日(火)まで
金沢で育った新進気鋭の若手作家たちの作品を多様なジャンルから紹介。
金沢卯辰山工芸工房は、金沢の優れた伝統工芸の継承発展と文化振興を図るための工芸の総合機関として設立されました。世界に誇る工芸を担う人づくりの拠点として、時代の変化に対応しうる質の高い工芸家を育成し、金沢の工芸技術を未来へ継承しています。
本展では、金沢卯辰山工芸工房で学んだ、陶芸、漆芸、ガラス、金工、染など多様なジャンルで活動する若手作家たち12名の作品を紹介しています。
〇吉村茉莉( https://www.mariyoshimura.com )
赤色から連想する中でも色気や婀娜めく要素を拡張し、血管や紅潮した頬を思わせる人の気配や温もりを感じる器を目指し制作しています。孤独な立場になることが多い現代において、器という物体を通して人の心に寄り添っていく存在になれればと考えています。
〇田中陽子( https://yokotanka.jimdofree.com/career )
私はここ最近、花から着想を得て制作しています。自分自身、植物、特に花が好きということもありますが、花を介して明かされる人の心に興味があります。
なぜ人は花を愛で、花に思いを託し、花を飾るのか。
私はこの関係性に興味を持ち、陶に昇華させることで探求したいと思っています。
〇中井波花( https://namikanakai.wixsite.com/namika-nakai )
コバルトを通常よりも多く添加し、不自然なまでに荒々しく発色する青とは対照的に、指跡、指紋を残しながら薄く積み上げられ、手に土に熱に有機的にかたちを与えられたアンビバレントな美しさを表現。
〇池田晃将( https://www.terumasa-ikeda.com )
世界中のどんな文明でも、装飾は力と社会と美意識を反映してきました。
情報が飽和する世界で美しいものを作ることはとても困難ですが、脈々と続く過去を受け継ぎ未知なる未来を探しながらこの時代を映し留めたいと思っています。
〇中田真裕( https://www.mayunakata.com )
変わらないで欲しいと願う、現在の自然の素晴らしさ(少なくとも私を励ます)を作品に描くことで、今生きる人間の性格や生活を未来に残せたら嬉しい。私の作品を通して新しいコミュニケーションを生む事ができればこんなに嬉しいことはない。
〇五月女晴佳( https://harukasotome.com )
私の作る赤い唇は、人の欲望の象徴である。
赤い唇はセクシャルなアイコンとして世界中ほとんどの文化圏で認知されているが、こうした表面的な意味合いだけでなく、欲望の根底にある「生」を暗喩する装置として、私は赤い唇を用いている。素材の表面を覆う、粧うという行為において、漆と化粧は似ている。元は魔除けとして化粧を施していたが、現行では自己顕示欲の発露としての意味合いが強い。魅力的な容姿でありたいという個人の願いも、魔を祓い一族の繁栄を願うことも、欲望の形は違えども、どちらも人の深い業には違いないのだろう。
〇府玻杏( https://anzufuwa.wixsite.com/website )
今回の作品では、能登の実家から見た1月2日の海の朝焼けを記録、表現しています。私の作品は祈りや願いをテーマに制作しています。祈り、願う行為は人間の普遍的な欲求であり「生きる」ということ、そのものであると考えます。チャンティンで繰り返し線を引くという行為は、祈りに似た行為でもあるといえます。
〇久米圭子( https://kume-keiko.wixsite.com/works )
生物全般における内部構造―どんなに小さな生物でも持ち合わせている、生きていくための仕組みを意識しています。目に見えない微細で複雑な仕組みは小宇宙を髣髴とさせ、とても神秘的な魅力を感じており、そのイメージを大切にし制作しています。
〇長井未来( https://www.instagram.com/metalwork_nagai39 )
伝統技法である象嵌やはぎ合わせ、そして古くより金属工芸に用いられた色金によるコントラストを生かし、現代における伝統技法のあり方や表現の可能性を追求しています。作品を通して、金属素材の奥深さに触れていただければ幸いです。
〇横山翔平( https://www-shohei122-www.wixsite.com/glass )
ガラスという透明な流動体に生命の息吹を感じ、その内なる力を「吹く」という行為により解放する。息を抱えて膨張したガラスは胚となって生の気配を孕み、鑑賞者の知覚に深く語りかける。そんな存在を制作しています。
〇今井瑠衣子( https://ruikoimai.amebaownd.com )
衣服を通して人の体温にまつわる記憶を考察し、かたちにすることを試みています。自身の衣服を元に真鍮網で制作した衣服に、ガラスの粉末を焼きつけて制作しました。直接身体からとった石膏型を用いて焼成することで形態や印象を注意深くかたちにしています。
〇津守秀憲( https://hidenori-tsumori.amebaownd.com )
ガラスと土を混合した独自の素材を使い、熱を経て生み出される表情や動きを読み取りながら制作している。窯での焼成の熱に伴う素材そのものが生み出す表情や躍動感を活かしながら作り上げていくことにより、素材の潜在的な魅力を引き出した作品を追求している。
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