【岡山理科大学】若桜鉄道18カ所の「鹿ソニック」点検/理大の辻特担教授
日大教授らも同行して現地調査
高周波音を発射してシカなどを遠ざける獣害対策装置「鹿ソニック」を沿線18カ所に設置している鳥取県の若桜(わかさ)鉄道(郡家-若桜、19.2㌔)で、6月7日深夜から8日未明にかけて、装置の点検作業が行われました。装置開発に協力している岡山理科大学の辻維周(まさちか)特担教授が1カ所ずつチェックして補修。作業にはレールキルを研究している日本大学理工学部交通システム工学科の伊東英幸教授らも同行し、現地調査を行いました。
この装置は山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」の製品で、辻特担教授が開発に協力しています。
若桜鉄道は第3セクター「若桜鉄道株式会社」が運行。山あいを走行する個所が多く、同鉄道によれば、列車とシカの事故(レールキル)が多発。このため、2021年度から順次、鹿ソニックを設置して現在18カ所。1カ所につき2個セットされたスピーカーから発射される高周波音の到達範囲は上下左右100度、距離は80~150㍍です。
装置の設置後は、音に対する反応が鈍い子ジカか、装置の死角から飛び込むケースなどで事故が発生することはありますが、年間10件程度にまで減少したと言います。中にはシカの農業被害がなくなった地域もあるそうです。
点検は3月の昼間目視点検に続いて、今年2回目。今回はソーラーパネルで蓄電するバッテリーの劣化やタイマーの不具合、固定具の緩みなどのチェックが主な目的。最終列車が運行した後、保守作業用のモーターカーに乗り込んで全機を一斉に点検しながら、バッテリー交換、タイマー修正などを行いました。
約2時間で作業を終えた辻特担教授は「地味な作業だが、定期的なメンテナンスは欠かせない。装置は地域にとって、かなり役に立っているようなので非常にやりがいがある」と話しています。
また、同行して現地調査した日大の伊東教授は、もともと辻特担教授とロードキル・レールキルの研究仲間。「軌道わきにフェンスを設ける方法もあるが、それでは動物たちの通り道がなくなる。鹿ソニックがあれば人と動物が共生できる」と話します。
この日は伊東研究室の末次優花助手と、同学科4年松井康輔さんも参加。松井さんは卒業研究で、レールキルによる社会的損失を分析し、鹿ソニックによる便益を明らかにするそうで、「シカの通り道を観察して装置を設置し、夜中に地道なメンテナンス作業を続ける。レールキルを防ぐにはそうした積み重ねが必要なのだと強く感じた」と話していました。
この装置は山梨県の自動車部品メーカー「T.M.WORKS」の製品で、辻特担教授が開発に協力しています。
若桜鉄道は第3セクター「若桜鉄道株式会社」が運行。山あいを走行する個所が多く、同鉄道によれば、列車とシカの事故(レールキル)が多発。このため、2021年度から順次、鹿ソニックを設置して現在18カ所。1カ所につき2個セットされたスピーカーから発射される高周波音の到達範囲は上下左右100度、距離は80~150㍍です。
装置の設置後は、音に対する反応が鈍い子ジカか、装置の死角から飛び込むケースなどで事故が発生することはありますが、年間10件程度にまで減少したと言います。中にはシカの農業被害がなくなった地域もあるそうです。
点検は3月の昼間目視点検に続いて、今年2回目。今回はソーラーパネルで蓄電するバッテリーの劣化やタイマーの不具合、固定具の緩みなどのチェックが主な目的。最終列車が運行した後、保守作業用のモーターカーに乗り込んで全機を一斉に点検しながら、バッテリー交換、タイマー修正などを行いました。
約2時間で作業を終えた辻特担教授は「地味な作業だが、定期的なメンテナンスは欠かせない。装置は地域にとって、かなり役に立っているようなので非常にやりがいがある」と話しています。
また、同行して現地調査した日大の伊東教授は、もともと辻特担教授とロードキル・レールキルの研究仲間。「軌道わきにフェンスを設ける方法もあるが、それでは動物たちの通り道がなくなる。鹿ソニックがあれば人と動物が共生できる」と話します。
この日は伊東研究室の末次優花助手と、同学科4年松井康輔さんも参加。松井さんは卒業研究で、レールキルによる社会的損失を分析し、鹿ソニックによる便益を明らかにするそうで、「シカの通り道を観察して装置を設置し、夜中に地道なメンテナンス作業を続ける。レールキルを防ぐにはそうした積み重ねが必要なのだと強く感じた」と話していました。
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