育毛の新時代へ:育毛タンパクCHI3L-1・CXCL5を増強する 植物エキス「マロニエエキス」および「ムクロジエキス」の発見
富士産業株式会社(本社:香川県丸亀市、代表取締役:岡田 篤典、以下「富士産業」)は、育毛専門医 桑名 隆一郎 博士(桑名皮フ科院長)との共同研究による、新規育毛タンパク「CHI3L-1」※1および「CXCL5」※2の発見に基づき、新たなアプローチにより育毛効果が期待できる新規の植物素材として「マロニエエキス」および「ムクロジエキス」の発見とその効果についての研究成果を発表しました。
この研究成果は、医学雑誌「医学と薬学」(81巻10号掲載) ※3に掲載されています。
■「毛組織の自己回復能」に着目した新規育毛メカニズムの探索
脱毛症には、さまざまなタイプが存在しますが、男性ホルモンが主な原因とされる男性型脱毛症以外は、依然として原因が不明瞭であり、従来の育毛メカニズムに依拠した育毛剤では十分な効果が得られないことが考えられます。このため富士産業では「毛組織の自己回復能」に着目し、育毛の新たなメカニズムの探索を行いました。
はじめに、一時的な負荷(テストステロンなど)を与えた毛乳頭細胞は、負荷から解放された際に、毛を作る細胞(毛包細胞)の増殖を促進させることを見出しました。つぎに負荷から解放された毛乳頭細胞について遺伝子発現を解析した結果、約6万種の遺伝子の中から、CHI3L-1およびCXCL5が毛包細胞の増殖を促進するタンパク質であることを特定しました。さらに毛周期において、両タンパクともに、新しい毛が生まれる「成長期初期」に増加し、発毛しない「休止期」に減少が確認されました(図2)。以上の研究成果より、CHI3L-1およびCXCL5が発毛に関わる因子であることを世界で初めて発見しました※4。
■「CHI3L-1」および「CXCL5」分泌促進する植物エキスを発見
新規育毛タンパクCHI3L-1およびCXCL5の分泌促進を指標とし、毛乳頭細胞を用いて植物エキスから探索を行った結果、「マロニエエキス」はCHI3L-1に対し、「ムクロジエキス」はCXCL5に対する高い分泌促進効果を見出しました。さらに毛周期転換試験では、「マロニエエキス」および「ムクロジエキス」の各単一エキスで得られる効果以上に、これらの混合エキスが休止期から成長期へ転換するまでの日数を顕著に短縮することが明らかになりました(図3)※3。これらの結果より、「マロニエエキス」および「ムクロジエキス」は、新たなメカニズムによる育毛効果を有し、従来の育毛剤では得られない効果を発揮することが期待されます。
■今後の展望:「マロニエエキス」&「ムクロジエキス」の新たな育毛アプローチによる脱毛症に対する効果へ期待
本研究では、植物エキス「マロニエエキス」および「ムクロジエキス」が、新規育毛タンパクCHI3-L1とCXCL5の分泌を促進することを発見し、新たなメカニズム(「毛組織の自己回復能」)による育毛効果を有している可能性を見出しました。今後これら知見の活用により、従来の育毛剤では効果が不十分な症例においても、効果を発揮する可能性が期待されます。
富士産業は、発毛分野の研究に30年以上注力しており、自然素材の機能性を活かした女性用育毛剤「薬用リリィジュ」を自社通販サイト(ウェルベスト)を通して提供しております。今後も女性用育毛剤のパイオニアとして、育毛分野における更なる研究を進めることにより、生活者の健康と美の悩みに応えてまいります。
ウェルベスト サイトURL : https://www.wellbest.jp/
ウェルベスト自然研究Lab. サイトURL: https://www.fujisangyo-lab.com/
※1: CHI3L-1(Chitinase 3-like 1)、組織リモデリング領域で高発現し、血管細胞の接着や移動に関与する因子
※2:CXCL5(C-X-C motif chemokine 5)、免疫応答時に好中球の遊走を促進する因子
※3:寺澤周子 他:医学と薬学81:517-524, 2024
※4:Noguchi K., Inai T., Kuwana R.:Chitinase 3-Like 1 and C-X-C motif chemokine ligand 5 proteins and the hair cycle. Arch Dermatol Res 316(8): 523, 2024
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