日本初!自由学園卒業生・金森慧さんが第51回学生アカデミー賞...

日本初!自由学園卒業生・金森慧さんが第51回学生アカデミー賞を受賞

自由学園(東京都東久留米市)は、この度、本学園の卒業生(2019年度卒)である金森慧さんが制作したフルCGアニメーション作品『Origami』が、2024年10月14日19時(現地時刻)にロンドンで開催された、米国アカデミーが主催する「第51回学生アカデミー賞」(The 51st Student Academy Awards® competition)のアニメーション部門において、見事【銀賞】 を受賞したことをお知らせ申し上げます。
本アワードにおいて、日本の作品が受賞するのは初とのことです。(※)
受賞作品はすべて、第97回アカデミー賞の短編映画部門の選考対象となります。

アカデミー公式サイト

The 51st Student Academy Awards® competition
(※)日本の作品(日本の学校出身の方)が受賞するのは今回が初となります。尚、過去の受賞者の中に日本人の名前は見当たらないが、日本国籍を持つ人がいたかどうかは設立初期の国籍のデータがなく、確認が取れていないとのことです。

【Web上で作品を紹介いただく際のお願い】

金森氏の作品を記事内でご紹介いただく際は、必ず下記YouTubeリンクを埋め込んでいただくようお願いいたします。作品を無断でダウンロードし貴媒体へ作品データを載せることは、くれぐれもご遠慮ください。

■金森慧さん受賞コメント

「折紙」という日本文化をテーマにした作品が、世界のアカデミーの舞台で評価いただけたことを大変嬉しく思います。折紙は私の創作活動の原点であり、この作品はこれまでの集大成のようなものでした。これまでの学生生活を支えてくださった家族や友人、自由学園の皆様、デジタルハリウッドの皆様、応援してくださったすべての方に心より御礼申し上げます。この受賞が、日々作品制作に励む学生たちにとって少しでも勇気となれば嬉しいです。

■学生アカデミー賞について

学生アカデミー賞は、米国アカデミー(映画芸術科学アカデミー)が主催する学生版のオスカーで、1972年の設立以来、新進気鋭のグローバルな才能に活躍の場を提供することを目的としている。

受賞作品はすべて、第97回アカデミー賞の短編映画部門の選考対象となり、過去の学生アカデミー賞の受賞は、67回のアカデミー賞ノミネート、15回の受賞へと繋がっている。

過去の受賞者にはロバート・ゼメキス(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』)、ピート・ドクター(『モンスターズ・インク』、『インサイド・ヘッド』)、スパイク・リー(『ブラック・クランズマン』)などの錚々たる監督たちが名を連ねる。

51回目となる今年は、世界738の学校から過去最多の2,683作品が応募され、ナラティブ、ドキュメンタリー、エクスペリメンタル、アニメーションの4部門で計12作品が受賞作品としてアカデミー会員の審査によって選ばれた。

今年の授賞式は、ロンドンのODEON Luxe Leicester Squareで、10月14日19時(BST)より開催。また、ロンドンで開催されるBFIロンドン映画祭とのパートナーシップにより、受賞者は業界とのつながりを広げる機会を得ることができる。

■『Origami』作品紹介

まるで大地から生命が息吹くように、正方形の紙がさまざまな折紙の生き物に折られていく様子を描くフルCGアニメーション作品。

折紙は「切る」という破壊的な工程がなく、「折る」という「変形」だけを使って表現する。正方形からあらゆる形状に変形し、広げれば元の正方形に戻るという折紙の特徴を、土から生まれ土に還る「生命」と重ねている。



これまでのアニメーション作品における折紙の表現は技術的に困難とされ、実際に紙では作れない形状を使用したり、折る前と後の形状をすり替えて折っているかのように見せたり、誤魔化して描写されることがほとんどだった。本作品では、金森自身の折紙の知識を生かし、CGソフトで折紙をするためのワークフローを自ら考案。紙の厚みや内側の構造に至るまで忠実に再現することを実現した。作品に映るものすべてが実際の正方形の紙から折ることができ、金森がオリジナルでデザインしたメインキャラクターに加え、鶴や蛙などの日本の伝承折紙が数多く登場する。

本物の日本の折紙文化の表現にこだわった本作は、2023年度のデジタルハリウッド大学の卒業制作の最優秀賞に選ばれ、アジア最大級の国際短編映画祭Short Shorts Film Festival & Asia 2024や20th Annual HollyShorts Film Festivalなどのアカデミー賞公認国際短編映画祭で上映された。世界最大のCGの祭典として知られるSIGGRAPHのElectronic Theater 2024にも日本の学生作品として16年ぶりに入選するなど、国際的な評価を得ている。

■受賞者プロフィール

金森 慧 氏(Kei Kanamori)

CGアーティスト

2001年11月生まれ、東京・東久留米市出身。自由学園高等科、デジタルハリウッド大学卒業。

小学校(初等部)から高校(高等部)まで、自由学園の自然豊かな環境で学ぶ。小学1年から折り紙を趣味として始め、中学校から学校活動の一環として書道に取り組む。幼少期から洋画に親しみ、映画のCG制作に興味を抱く。折り紙とCGの数学的な造形感覚の共通性に惹かれたことがきっかけで、高校2年の頃に独学でCGを始め、その後デジタルハリウッド大学に進学。在学中に制作したCG作品が、SNSや国内外のコンテストで高く評価された。

VFXショート動画「後方2回宙返り1回ひねり」はInstagramで150万回再生、「Unstable Jenga」はTwitterで900万回再生を記録。チーム制作のショートフィルム「Tomatoes」では監督を務め、第29回学生CGコンテストで優秀賞を受賞。アジア最大級の国際短編映画祭Short Shorts Film Festival & Asia 2024(以下SSFF)やSIGGRAPH Asia 2024 Computer Animation Festivalに入選した。書道をテーマにした映像作品「舞」は、世界的CGコンテストRookie Awards 2023で優秀賞を受賞し、海外の日本人アーティストたちが審査員を務めるCGコンテスト「三次元無双」では、「舞」と「Tomatoes」が映像部門で1位と3位を獲得した。

卒業制作では、自身の創作活動の原点とも言える折紙と自然をテーマに選び、ショートフィルム「Origami」を制作。デジタルハリウッドの卒業制作の最優秀賞に選ばれ、SSFFや20th Annual HollyShorts Film Festivalなどのアカデミー賞公認の国際短編映画祭で上映。世界最大のCGの祭典SIGGRAPH Electronic Theater 2024では日本の学生作品として16年ぶりに入選し、直近では第51回学生アカデミー賞を受賞、日本の作品が受賞するのは今回が初となる。

卒業後は海外での活躍を目指し渡航準備を進めつつ、Rock In Japan Fes 2024のタイトル映像を担当するなど、国内でフリーのCG映像作家としても活動している。

<SNS>
・X:https://x.com/kei_kanamori
・Instagram:https://www.instagram.com/keikanamori_
・YouTube: https://www.youtube.com/@kei_kanamori

<作品>
・「Origami」 https://vimeo.com/1019679397
・「舞」 https://youtu.be/4sr8LDdc-uA
・「Tomatoes」 https://youtu.be/J02vtPKA2Mg
・「Unstable Jenga」 https://youtube.com/shorts/RJW85AklDn0
・「後方2回宙返り1回ひねり」 https://youtube.com/shorts/3tZnZ_HpLJI

■学校法人自由学園について

1921年、より良い社会をつくる人を育む学校として、日本初の女性新聞記者であった羽仁もと子と夫の羽仁吉一が東京・池袋に創立。校舎はフランク・ロイド・ライトと遠藤新が設計。1934年に南沢(東京・東久留米)に移転し、3万坪のキャンパスで未就園児から大学部まで、自律型探求力と共生・共創力を育む一貫教育を行う。

初等部(小学部)は、生き物や自然に手で触れ、五感を使って学ぶことを大切にしている。ダイナミックな探究活動が特徴で、毎年「学びの発表会」として児童がプレゼンテーションやポスターセッションをする機会を設けている。

中等部・高等部は「自治」の考え方に基づき、学校運営にも生徒たちが関わる。2024年度からの男女共学化に際して、校則づくり、制服づくり、改修校舎の設計まで生徒たちが担った。学びの基礎を固める中等部を経て、多くの生徒が高等部に進学する。高等部では多様な企業・団体に出向いて学ぶ本格的インターンシッププログラム『飛び級社会人』や、週に1日教科の枠を外して探究活動に没頭する時間を備え、創造性や探求心を伸ばす教育を推進。希望制の寮を持ち国内外から生徒が集い、1年間の長期留学や多様な短期留学・海外研修の機会も有している。

関連図書に『本物をまなぶ学校 自由学園』(婦人之友社)、『自由学園一〇〇年史』(自由学園出版局)など。デジタルアーカイブ「自由学園100年+」も公開している。

自由学園 https://www.jiyu.ac.jp/
自由学園 中等部・高等部 https://jiyu.school/
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