アシスト、生成AI導入1年で従業員1,300人の97%が業務に活用

生産性向上や入社後のオンボーディング支援をはじめ、全社で382の事例を創出、活用

株式会社アシスト(本社:東京都千代田区、URL: https://www.ashisuto.co.jp/ 、以下「アシスト」)は、生成AI機能付きのインサイトエンジン「Glean(グリーン)」を活用し、全従業員約1,300名の97%が日常業務に活用し成果を上げていることを2024年10月29日付で発表します。

全社での生成AI利用による効果や業務へのインパクト

アシストでは、自社ナレッジを活用した従業員の生産性向上・業務効率化を目指して、2023年1月にインサイトエンジン「Glean」を全社に導入し、同年9月に機能追加された生成AI機能を含めて日常業務で活用してきました。

生成AI機能の利用開始から半年経過した2024年3月から8月までの社内調査で、経営層をはじめ、部門・職種問わず約1,300名の従業員のうち97%がアクティブユーザーとしてGleanを活用しているという結果が出ています。
生成AIの利用頻度
生成AIの利用頻度
また、同調査で、全社合計で130万回、一人当たりの平均で1,000回、従業員がGleanにアクセスし、Google Workspaceやイントラなど社内システムにある情報資産(例:Google Driveで約5,900万件)を有効活用していることも分かりました。
アシストの生成AIの利用概要
アシストの生成AIの利用概要
2024年6月に実施した従業員アンケートでは、92%の従業員が生成AI機能の利用によって業務時間の削減を実感しており、全社では半年間で1.8万時間の削減効果が得られています。
⇒アシストでの利用実績の解説記事はこちら
https://www.ashisuto.co.jp/glean_blog/article/genai-insights.html
 
職種(営業・技術・マーケティング担当など)・役職・部門別の代表的な成果は以下のとおりです。

<アンケートからのコメント(抜粋)>

●情報検索のスピードが上がり、資料や情報を探すための時間が大幅に減った(営業・技術・マーケティング)
●商談中に顧客から急な情報提供を求められた際、その場で検索して回答できるようになったことで、商談のゴール設定どおりに進められることが増えた(営業)
●先輩や上司に教わる前に、あらかじめ自分で不明点などを調べることで、ある程度のレベルから会話を始められるようになった。お互いの生産性に貢献していると感じる(新卒・キャリア(中途・経験者)採用の従業員)
 ⇒新卒採用の従業員へのインタビュー記事はこちら
  https://www.ashisuto.co.jp/glean_blog/article/interview_freshers.html
 ⇒キャリア採用の従業員へのインタビュー記事はこちら
  https://www.ashisuto.co.jp/glean_blog/article/interview_careers.html
●新卒・キャリア採用での入社、公募異動には通年でOJTのアサインが必要だが、Gleanの利用により早期育成と育成コストの低減を両立できている(部門マネージャー)
●Gleanの利用により自己解決が促進され、経理や総務、人事への問い合わせ数が激減している。特に、終業間際の急な問い合わせが減ったことで、予期せぬ残業も発生しにくくなっている(経営企画)

生成AIに関する企業の懸念に対し、3つの実践的な施策・解決策で導入を推進

アシストでは、生成AIの業務利用にあたり、ChatGPTの検証でプロジェクトを中断した自社の経験や、顧客企業を訪問する中で得た生成AI機能活用の障壁となる点などを考慮し、以下の3つの実践的な施策・解決策(①経営判断による全社導入・段階的導入ステップの設定、②現場主導の推進体制(CoE:Center of Excellenceの設置など)、③活用促進のためコンテストなどのイベントを開催)にてGleanの導入を進めました。

【顧客企業からのヒアリング・過去の経験から見えた課題】

①コストなどの課題により、導入自体を踏みとどまるか、スモールスタートするケースが多い

・ROIが不透明
 生成AIのサービスによってはデータ量に応じたストレージなどのインフラコストが必要
・導入方法などの不確かさ

②環境整備が困難・コストと時間がかかる

・情報精度
 自社ビジネスに合ったチューニングが必要
 ハルシネーションを判断できるリテラシーが必要
・セキュリティ
 個人・所属に応じた情報公開が必要
 社外への情報漏洩問題の回避
・拡張性
 データソース拡張に工数・コストがかかり、迅速な展開が困難

③現場での利活用が進まない

・ユーザーが感じるハードル
 生成AIの使い方が不明
・教育
 適切なスキルを持つ人材とリテラシーの不足
 新しい技術への従業員の抵抗感 など

【アシストでの実践的な施策・解決策】

①経営判断による全社導入・段階的な導入ステップの設定

・Gleanのユーザーライセンスベースによりコストの変動要素を固定化
・ROIと価値を計測しながら3段階に分け導入を推進

②現場主導の推進体制(CoEの設置など)

・CoEによる組織単位の最適化推進
・Gleanのアーキテクチャによるセキュリティ・拡張性への対応

③活用促進のためコンテストなどのイベントを開催

・全社で生成AI利活用コンテストを実施し、382の事例を創出
・Gleanのシンプルなユーザーインターフェース・活用事例を簡単に共有できるアプリ・プロンプト機能による展開

●実践施策1: 経営判断により全社導入を決定、全従業員が業務で利用することを第1目標に段階的に導入

ROIや導入方法が見えにくいという理由から、生成AIの導入自体を踏みとどまる、またはスモールスタートを選択する顧客企業が多いという実態があります。

アシストでは、全従業員が業務で利用できることを目的に、経営判断により、特定業務での活用ではなく全社導入を選択しました。Gleanのユーザーライセンスベースによりコストの変動要素を固定化し、ROIと価値を計測しながら、以下の3ステップにて段階的に導入を推進するという方針を定め、現在、ステップ2の「定着のための施策実施」までが完了しています。

 ステップ1:全社での利用推進・浸透(KPI:利用率)
 ステップ2:定着のための施策実施(KPI:事例創出数)
 ステップ3:使い方の整備(KPI:アプリ・プロンプトの共有数)

また、全社導入により、次の効果も生まれています。

・社内の全データを生成AIの情報元として日々学習させることで、短期間で回答精度が高まり、生成AIが業務に実際に活用できることを多くの従業員が体感した
・生成AIをどのように導入すれば良いかが分からない、新しい技術に対する従業員の不安という障壁に対し、全従業員がチャレンジするきっかけを作ったことで、個人の活用リテラシーが急速に高まった

●実践施策2:利用環境整備のために現場主導の推進体制を設置

情報精度、セキュリティ面での懸念については、組織単位に現場主導の推進体制(CoE)をとり、組織に応じた知識共有に関する業務ニーズを収集しました。これをもとに、CoEが①生成AI利用に関する全社ガイドラインの作成、②ガイドラインの各部門への展開・浸透、③各部門での相談窓口を担うことで、全社での情報共有と組織に応じた最適な利用環境が両立できました。

次のような効果も生まれています。

・従業員はトレーニングを受けることなく日常業務で生成AIの使い方を習得できた
・各部門への展開、浸透に成功し、各業務・各部門での利用が早期に活性化された

●実践施策3:活用促進のために生成AI実践コンテストを開催し、全部門から382もの事例を収集

活用促進を目的に、業務でのベストプラクティスを部門間で競い合うコンテストを全社で開催し、全部門から382もの事例が集まりました。事例ごとに効果測定を行い、実際の業務への影響や活用の度合いを測定・共有したことで、生成AIをどのように業務にフィットさせると良いか、様々なアイデアを社内で循環させることができ、従業員の業務活用を推進しています。

●補足:企業の懸念に対しGleanの持つ機能により包括的に対応

生成AIの導入において企業が懸念する情報精度、拡張性、セキュリティ、教育面については、SaaSサービスであるGleanの持つ機能により包括的に対応できているため、2023年9月からすぐに生成AI機能を全従業員が利用開始できたことに加え、利用の浸透にもつながっています。

・情報精度の確保:
レキシカル検索(用語の一致)、セマンティック検索(意味の一致)、人気度(文書の重要性)、パーソナライゼーション(ユーザーにとっての重要性)を組み合わせた独自技術により、チューニングなしで高い情報精度を実現
・拡張性の確保:
Gleanという1つのプラットフォームから複数の社内システムにすぐにアクセス・クロールできるアーキテクチャ
・セキュリティ懸念の払拭:
データソースのアクセス権に応じた情報取得が可能
・教育不要:
検索・生成AI機能を簡単に利用できるシンプルなユーザーインターフェースより、導入および効果創出にかかる工数を大幅に短縮。各自が作成したアプリやプロンプトを簡単に共有できるアプリ・プロンプト機能により、利用のハードルを下げ積極的な情報共有を推進可能

業務での生成AI活用事例

アシスト社内で集まった382の事例の中から、営業活動、顧客サービス、バックオフィスでの代表的な活用事例を紹介します。

●事例1:営業活動での活用

【背景】
中部地区担当の営業組織は27名で構成。顧客企業へのよりよい提案のためには、顧客企業の業界動向の把握など、情報収集が欠かせないが、日々の活動でも時間の確保が難しいことに加え、担当変更時には短期間での把握が必須となる。また、新卒・キャリア採用とベテランのスキルの均一化を図りたい。

【対策】
営業活動には計画、準備、案件創出といったアシストの標準プロセスがあるため、プロセスに合わせた情報取得のための標準プロンプトを作成する。

【成果】
1社につき2時間以上を要していた情報収集がGleanの利用により30分で完了した。また27名の営業組織全体で月1回実施した場合、13.5時間/月の時間削減効果が得られた。

●事例2:顧客サービスへの活用

【背景】
アシストサポートセンターで顧客アンケートを分析した結果、「問題解決までのスピード」よりも「問い合わせ内容の背景や意図を理解した対応」が「総合満足度」との相関関係が高いことが判明。生成AI機能を活用してさらなる品質向上を目指す。

【対策】
サポート専用システムから画面遷移せずに、Gleanで生成された顧客情報(過去の問い合わせや関心、留意点を瞬時に生成)を参照する業務プロセスを仕組みとして確立する。

【成果】
顧客理解の迅速化・促進化により、よりパーソナライズされた質の高いサポートが可能になり、「問い合わせ内容の背景や意図を理解した対応」と「総合満足度」のスコアが向上した。

【その他の効果】
対応品質の均質化、若手の早期戦力化と先輩従業員のOJT工数削減などを実現している。

⇒アシストサポートセンターの活用事例はこちら
https://www.ashisuto.co.jp/news/release/1223326_1675.html

●事例3:バックオフィスでの活用

【背景】
受発注関連業務を担当するメンバーは総勢15名。受発注に関する営業部門からの問い合わせは年間4,000件を超える。知見の豊富な経験者への質問が集中することに加え、対応ログを取得していないため改善まで手が回らない。

【対策】
質問窓口をGoogleフォームに一本化、蓄積された内容をもとに、担当者への通知や営業部門への連絡を省力化(ここにGleanを利用し部門内で早期開発)。ログ分析もGleanで実施。

【成果】
人手の作業が激減(特に質問内容の転記工数が半減し、メンバー15名で月45時間の業務時間を削減)できたことに加え、質問対応時間が10%削減でき、部全体で月56時間の削減効果が得られた。

今後の展開

アシストでは、2024年10月現在、各種施策により、全社に生成AI利用が定着したと判断し、次のステップとして、アプリ・プロンプトの共有数をKPIとする「使い方の整備」を実践していく予定です。また、今後はアシストでの実践事例を基に、顧客企業での生成AI導入検討、浸透・定着の支援を行うことで、顧客企業の企業力向上などに貢献していきます。

「Glean」について

「Glean」に関するお問い合わせ

株式会社アシスト 製品マーケティング担当:古賀
URL: https://www.ashisuto.co.jp/pa/contact/glean.html

プレスリリースに関するお問い合わせ

株式会社アシスト 広報担当:曽根原、寺田、吉田
TEL:03-5276-5850
URL: https://www.ashisuto.co.jp/corporate/press_room/

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