農業・林業の課題解決!恒久的防草・地盤強化対策として 傾斜地転圧マシン「BARINORI(バリノリ)」を開発
~畦畔の草刈りから、担い手を半永久的に解放する挑戦~ 「防草は房総から始まる」
社会課題解決型事業を展開する株式会社Seaside Consulting(R)(本社:千葉県鋸南町、代表取締役:平野 雄晟、平野 彩、以下:当社)は、日本で最初のエビの陸上養殖に農地を活用した(鋸南町調べ)事業者として評価を受けていますが、農地活用に関することで「畦畔(傾斜地)の草刈り」が農業者にとって大きな負担となっている重大な課題を認識するに至りました。この課題を解決するために、傾斜地に鉄を精製する行程で出る副産物(鉄鋼スラグ)を敷設することで、地盤が強化されると同時に防草対策となることに着目し、傾斜地転圧マシン「BARINORI(バリノリ)」を開発しました。
傾斜地を転圧することは、難易度が高く、大手でも難色を示す施工ですが、この取組みはその難題に挑戦する試みとなります。BARINORIは既に2件の特許出願(PCT)を出願し、2月25日に実施した実証テストにおいても、締固め度00%の結果を出しています。また、実施地に隣接する低地の実施前後の影響も今後確認いたします。敷設した素材が地滑りすることを懸念される声もありますが、施主の希望により下材・補強材の導入も可能なため、今後も引き続き、ケースを重ね知見を深めます。
傾斜地転圧マシン「BARINORI(バリノリ)」
■高齢化がすすむ、農地の担い手を守る取組み
畦畔の管理に対する有効な対策は、これまで考案されていませんでした。
〈効果の持続性〉
草を刈ってもすぐにまた草は生え、農薬は自然界に負荷をかけます。だが、畦畔は草の根まで枯らす農薬を使うと地盤が弱くなるので、使用しない場合が多いのが実態です。しかも、農薬はいずれ効果が減退します。農業委員会は概ね、年間3回以上の草刈りを農地管理者に対し推奨しているため、担い手はこの回数分、身体の危険が伴う、苦役を負担している実態があります。
〈新規性・独自性〉
鉄鋼スラグ製品は、コンクリート、採石などに比べ、コストが安いです。しかしながら、平地なら転圧が可能であり、農道、林道にも活用実績がありますが、傾斜地への施工は具体策を考案できてませんでした。
本取組みは傾斜地転圧マシン「BARINORI(バリノリ)」を開発し、社会実装させることで、人の労働負荷を最小限にしつつ、傾斜地の恒久的防草・地盤強化対策を同時に達成するもので、畦畔に続き、林道、高速道路脇の傾斜地、線路沿いの傾斜地など、公務員や委託を受けた企業職員が負担している労働負荷を軽減させるビジネスプランとなります。
実装時にはビジネスプランをパッケージ化することを目指します。さらに農地主/就農者/新規就農者を第一のターゲットとして門戸を開くことで、地方都市における農業の担い手に、農地管理の副産物としての所得が得られる仕組みを創出し、農業への定着が図られることを志向します。
この取組みは、ちば地域産業創出実証プロジェクト(R6)の採択を受けて実施しています。
役割分担は、当社が「企画・技術開発・実証」、株式会社ロッソが「マシン設計・施工・デザイン」、鋸南開発株式会社が「資材調達、効果検証等」となっており、日本製鉄株式会社 東日本製鉄所・君津地区による協力も得ながら進めています。
鉄鋼スラグは、九州農政局等で農道に活用するなど、農政管下でも既に採用実績があります。
■鉄鋼スラグは、豆腐でいうところの“おから”藻場の再生が実証する、自然界は鉄鋼スラグの成分を必要としている
鉄鋼スラグは、例えていうと、鉄が豆腐とすれば、おから(端材)に相当します。おからは栄養豊富なスーパーフードとして近年注目されていますが、鉄鋼スラグ(日本製鉄商品名「カタマ(R)SP」)の場合、主な成分は「鉄」「シリカ」「アルミニウム」「カルシウム」であり、この成分が海中の藻場を再生するものとして、2022年は全国21カ所の海中に設置する取組みも行われています。
https://www.nipponsteel.com/news/20221117_200.html
藻場が再生する原因として研究されているのは、排水規準の強化による「海の貧栄養化」という説があります。海に必要な栄養が足りなくなり、昨今では東京湾で海苔が不作になるなど、対策が求められています。
地球を構成する元素の1/3は鉄(Fe)とされる説があり、鉄分の不足は、環境の不調和を引き起こすおそれがあります。
東京大学総合研究博物館(東京大学)から引用
https://www.um.u-tokyo.ac.jp/exhibition/2009Fe_description.html
『驚くなかれ,地球を構成している元素の中で,最大の重量比を持つものは鉄である.地球の重量の3分の1は鉄なのだ.ユーリ・ガガーリンの有名な言葉などから,地球は水の惑星などと言われるが,これは地球表面の7割を水が覆っている事を重視した言い方であって,重さでみれば地球は「鉄の惑星」なのだ.』
これらのことから、この取組みは、畦畔などの傾斜地等の恒久的防草・地盤強化対策にとどまらず、山→農地→海の水循環を正常なカタチに戻すことに向かう試みでもあります。
■林業にとっても、課題解決の端緒となる可能性が
林業の担い手の業務の80%は草刈りであると言われています。杉で50年、植林後、収穫までの途方もない歳月の中で、植林した苗木を守り、育てる必要があります。初期の段階では苗木の成長より、雑草の成長の方が早く、苗木に日光が当たらなくなることから、担い手は苗木周辺の草刈りを行っているのが実態です。しかし、草の生い茂った傾斜地での草刈りは、畦畔以上の苦役であることに加え、誤伐のリスクが伴います。
本取組みは、林業を再興し、担い手の苦役を軽減できる可能性があります。植林現場に至る林道を整備し、植林した苗木の周りの防草対策を講じることで、草刈りと地盤強化ができるためです。さらにドローンで敷設させ、その上をBARINORIで転圧するという、スマート化でもっと効率化されます。この可能性については、希望者とオープンイノベーションですすめます。希望者については、リリース最後のお問い合わせ先から、連絡を受け付けしています。
■「防草は房総から」中山間部の多い千葉の県南エリアから発案した取組み
鋸南町を含む房総半島南部は大企業の支店や工場が少なく、特に鋸南町、南房総市は消滅可能性自治体に挙げられています。その理由は仕事が無いためです。多くの農家の跡取りは家業を継がず、農家の高齢化はすすむ一方です。新規就農者も平地の限られたこのエリアでは、多くの畦畔(けいはん)を抱える非効率な農地に採算が合わず、定着が十分果たされていません。これらの理由の一端が、畦畔の草刈りです。畦畔の草刈りをやりたい者は一人もいなません。1円にもならない草刈りに体力と気力を奪われ、就農生活に見切りをつけてしまうのです。法面の草刈りを是としてきた高齢農業者は辛い思いししてきた分、草刈りのプレッシャーで新規就農者を追い詰めます。この負のスパイラルの改善に待ったなしで着手しなければ、担い手は早晩、半減し、地方都市には耕作放棄地だけが残ってしまいます。
畦畔の草刈りに苦しんできたこのエリアから、改善策が生まれ、新しい産業の源となるべきである、と思い行動を起こしました。社会課題解決の一助になれば、と願っています。
■株式会社Seaside Consulting(R)について
当社は、耕作放棄地のエビ陸上養殖を国内で初めて実現した企業として、社会課題解決型事業を展開しています。過去にはホテル三日月との協業により、国内初のホテル業界におけるエビ養殖の実績もあります。
また、2021年には千葉県鋸南町に耕作放棄地を活用した陸上養殖施設を設置し、13回のTV取材を受けるなど注目を集めました。さらに、2024年4月には、水温管理技術を基本的原理から見直した、低エネルギー運用の陸上養殖水槽に関する特許も出願しています(特願2024-059309)。
商号 : 株式会社Seaside Consulting(R)
代表者 : 代表取締役 平野 雄晟、平野 彩
所在地 : 〒299-2115 千葉県安房郡鋸南町下佐久間2720
設立 : 2017年3月3日
事業内容 : ・千葉県鋸南町でのエビの養殖
・陸上養殖のコンサルティング
公式サイト : https://tsuku2.jp/seasidebianca
X(旧Twitter): https://x.com/YuseiVegan
Instagram : https://www.instagram.com/seaside_consulting/
YouTube : https://www.youtube.com/@seasideconsulting7101
■本件に関する一般向けお問い合わせ先
当社では、廃校利活用や陸上養殖に関するご質問や、コンサルティングの依頼を随時受け付けております。
また、木造グリーンハウス、太陽光発電システムなど、当社とコラボレーション(オープンイノベーション)を希望される事業者も受け付けております。
興味のある自治体や企業の皆様は、下記の連絡先までお問い合わせください。
株式会社Seaside Consulting(R)
担当者: 平野 彩
MAIL : seasidemarket@seaside.green
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