2月22日(にゃんにゃんにゃん)は「猫の健康診断の日」 健康診断を定期受診する猫は40%で横ばい傾向が続く。 お金がかかっても健康診断を受けさせたい人は 過去最高の過半数超えに! ~Team HOPE「ペットの健康管理に関する実態調査2024」より~
ペットの予防医療の啓発・普及活動を展開する獣医師団体一般社団法人Team HOPE(チームホープ、代表 上條 圭司)では、犬と猫の飼い主・ご家族(以下、ご家族と表記)412名を対象に、「ペットの健康管理に関する実態調査」を実施いたしました。この調査は2016年から毎年実施し、今回で9回目となります。
長く一緒に暮らす家族の一員として、猫に定期的健康診断を受診させる人は、40%と昨年から横ばいです。調査を開始した8年前に比べると1.7倍も増加しているものの、猫は外出を嫌がり病院に連れていきにくいと言われており、犬の受診率(48%)に比べても依然低くなっています。一方で、健康診断に対して、「お金がかかってもペットの健康のために定期的に健康診断を受けさせたい」と考えるご家族は51%と、過去最高になりました。愛猫の健康管理に関するご家族の意識は高まっていますが、まだ行動に結びついていないと推察されます。
健康診断は、定期的な受診で病気の兆候の早期発見と早期治療により、健康寿命の延伸に繋がります。猫の平均寿命が15.92歳(※1)と年々延びる中、Team HOPEは健康診断をさらに啓発していくことが必要と考えています。
※1 一般社団法人ペットフード協会 令和6年全国犬猫飼育実態調査
猫の健康診断受診率
猫の健康診断に対する考え方
2月22日は猫の健康診断の日
体調不良をご家族に見せない習性があり、病気の発見が遅れがちな猫にも、健康診断受診の必要性を啓発するために、Team HOPEでは2021年に「猫の健康診断の日」を制定しました。Team HOPEの賛同動物病院ではこの日に合わせて、猫の健康診断を積極的に実施しています。
賛同病院の検索はこちら https://www.teamhope.jp/approval
今回の調査によって、猫の健康診断や健康管理について、その他にも次のことが明らかになりました。
■自分の猫が健康だと思っている人は約8割と、とても多い。7歳以上の高齢でも72%のご家族は健康だと思っている。
健康だと思う理由で一番多いのは、「定期的な検査や健康診断で問題がないので」が23%、次に「元気だから/元気に遊んでいる・走っている」が18%と続きます。健康診断の受診は、ご家族の安心にもつながっています。
猫の健康状態
■健康診断で病気や異常が見つかった経験は猫全体で21%。7歳以上では32%と、高齢になるほどリスクが高まる。
猫は特に泌尿器の病気や異常が見つかることが多く、7歳以上の猫では病気が見つかった場合の44%を占めているのが特徴です。
猫の健康診断での病気・異常の発見率
7歳以上の猫の健康診断で見つかった病気
■健康診断を受けている猫が受診している項目は、問診・視診・触診が約8~9割。聴診、血液検査は6割。泌尿器や消化器、内臓疾患の発見に役立つ、尿検査・レントゲン・便検査は2~3割の受診にとどまる。特に泌尿器の疾患が多い猫は、尿検査の受診を増やすことが今後の課題。
受診が多いのは、問診88%、触診83%、視診75%、血液検査66%、聴診55%。猫に特に多い腎疾患や泌尿器疾患、糖尿病等の発見に繋がる尿検査は26%と低く、大きな課題です。肺や心臓、内臓の異常を診るのに役立つレントゲン検査も22%と低く、腫瘍や心臓疾患の発見に繋がる超音波(エコー)検査は19%が受けており、8年前の7%から大きく増加しています。問診・視診・触診・聴診・血液検査・尿検査・レントゲン検査の7項目は、大切なペットの全身の健康状態を正しく把握するためにぜひ受診してほしい項目であるとTeam HOPEは勧めています。
※Team HOPE健康診断解説動画 猫編 http://teamhope-f.jp/healthexam/cat.html
猫の健康診断の検査項目
■尿検査、レントゲン検査を受診しない理由は、「獣医師からの勧めがなかったから」が51%、「この検査内容で十分と思ったので」が25%、「検査項目が増えると費用がかかるので」が13%。
ご家族側は尿検査やレントゲンの受診に消極的というわけではなく、獣医師に勧めていただくことが、質の高い健康診断の受診につながると推測できます。
尿検査・レントゲンを受診しない理由
■猫が定期的な健康診断を受診したきっかけは、「健康診断はペットにとって大切だと思っていたから」が66%と圧倒的に多く、次に「動物病院ですすめられて」28%が続く。
「健康診断がペットにとって大切だと思っていたから」を選んだ方は、昨年より8%アップし、さらに健康管理意識が高まってきている。
定期的な健康診断受診のきっかけ
<今回の調査について>
<今回の調査について>
一般社団法人Team HOPE代表 ゼファー動物病院グループ代表 上條 圭司
私たちTeam HOPEは2021年に、「猫の健康診断の日」を2月22日(にゃんにゃんにゃん)と定め、健康診断受診の啓発活動を推進してまいりました。4年が経ち、猫の健康診断の定期受診は40%にまで伸長しています。健康診断は歳をとってから受ければ大丈夫という声もありますが、若くて健康な時にこそ普段の状態を把握するために受けておくことをお勧めします。7歳以上になると猫は泌尿器の疾患のリスクが高まります。小さな変化が起こっていても猫は体調の変化を表に出しません。体調の変化や症状が出てからの受診では、病気が既に進行していることもあります。毎年健康診断を受けることは、年齢的な変化や病気の兆候に早く気づくことができ、早期治療ができるという大きなメリットがあるのです。Team HOPEが定めている健康診断は、問診、視診、触診、聴診、血液検査、尿検査、レントゲンの項目があり、全国どこの動物病院でも同じ内容で受けることができます。飼い始めから、その子をよく知っている獣医師にその子にあった健康診断についてぜひ相談してみてください。これからも、あなたとあなたの猫が末永く元気に暮らしていけるよう願っています。
<調査概要>
調査方法:インターネット調査
詳細はこちら https://teamhope-f.jp/content/files/report/2024report.pdf
1) 調査対象者:犬、猫のご家族412名(全国、20歳以上)
(内訳)
犬のご家族206名(最年長の犬の年齢 7歳未満 103名、7歳以上 103名)
猫のご家族206名(最年長の猫の年齢 7歳未満 103名、7歳以上 103名)
2) 実施期間 :2024年12月10日(火)~2024年12月11日(水)
<一般社団法人Team HOPE> http://teamhope-f.jp/
全国の獣医師・動物病院がTeamとなって、ペットの予防医療と健康管理の普及・啓発活動を推進し、ペットにやさしい社会の実現を目指す獣医師団体。全国2800を超える病院が賛同している。