BIGLOBEが九州のネット品質向上に関する記者説明会を開催 ~東京・大阪に続く「第3の拠点」 福岡ネットワーク拠点 世界が注目する九州経済の可能性~
BIGLOBEプレスルーム
https://www.biglobe.co.jp/pressroom/release/2025/03/250324-a
ビッグローブ株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役社長:山田靖久、以下 BIGLOBE)は、2025年3月21日に福岡ネットワーク拠点が果たす役割についての記者説明会を開催しました。
BIGLOBEでは、より快適なインターネット接続サービスを提供するため、バックボーンネットワークの大幅な増強に取り組み2024年10月に福岡にネットワーク拠点を開設しています。また、コンテンツプロバイダやデータセンタ事業者、SI事業者、インターネットサービスプロバイダなど向けの「BIGLOBE IPトランジットサービス」を、従来の東京・大阪に加えて、新たに福岡拠点でも提供を開始しました。これにより、九州における企業のお客さまに対して安定した通信環境によるビジネス拡大の支援の実現とともに、災害などに備えたディザスタリカバリー体制の強化も実現します。
当日行われた記者説明会では、当社営業統括本部コンシューマ営業統括部長/九州支店長の佐藤徹弥(以下 佐藤支店長)よりご挨拶を差し上げたあと、トークセッションで、福岡出身でファシリテーターの岩永真一氏、青山学院大学教授の松永エリック・匡史氏、当社執行役員CNO*の南雄一(以下 南CNO)の3名が登壇し、九州におけるインターネット利用の課題、九州ビジネスの可能性とインターネットの重要性、BIGLOBEの福岡拠点開設による役割について語りました。
*CNO:チーフネットワークエンジニアリングオフィサー
※ご参考: https://www.biglobe.co.jp/pressroom/release/2024/10/241001-a
BIGLOBE 九州のネット品質向上に関する記者説明会開催
■冒頭あいさつ
当社・佐藤九州支店長は「2024年10月に福岡にBIGLOBEがネットワーク拠点を開設しました。この拠点の開設により、BIGLOBEを利用いただくコンシューマのお客さまだけでなく、九州の企業さま、九州のISPなどのネット事業者さまに対し、高品質のインターネットサービスを提供できるようになりました。今後さらなるビジネス発展のポテンシャルを有する福岡をはじめとする九州においてBIGLOBEも、その発展のお手伝いをさせていただきたいと思っています」と話し、福岡(九州)経済への期待を表しました。
ビッグローブ株式会社・佐藤九州支店長
■トークセッション 【福岡(九州)経済とネットワークインフラについて】
<ネットワーク拠点とは・九州におけるインターネット利用の課題>
トークセッションでは、九州におけるインターネット利用の課題、九州ビジネスの可能性とインターネットの重要性、BIGLOBEの福岡拠点開設による役割などについて語られました。まず、ネットワーク拠点の仕組みについて当社・南CNOは、「サーバー、ストレージ、ルーター、スイッチなどのネットワーク機器等のITインフラが設置されたデータセンタをネットワーク拠点と呼びます。データセンタ内で、さまざまな事業者が相互接続することでインターネットが形成されており、弊社のようなISP事業者のネットワークを通じて利用者が相互接続先のコンテンツにアクセスすることが可能となります。Instagram、Netflix、Amazonなどのようなネット上のサービスは、ネットワーク拠点で相互につながっており、そこにISPや通信キャリアを通じて利用者がインターネットに接続するという仕組みです。これまでは、複数の事業者が集まるデータセンタは東京と大阪に集中していたところ、福岡に設置しようとする動きが弊社の取り組みとなります」と説明しました。
九州にはインターネット利用における課題がいくつかあります。南CNOは「大阪や東京にネットワーク拠点が集中しているため、そこが被災すると九州地域もインターネット利用が不可となる可能性があります。また、九州の企業やISP事業者は大阪や東京のネットワーク拠点に接続することが多く、大阪(東京)~九州間の通信を運ぶ必要があるためコストが高くなってしまいます。ISP事業者の経営が圧迫されることで、利用者の利用料金増加につながるおそれもあります」などと話しました。
(左)南CNO、(右)トークセッションの様子
<福岡インターネット拠点開設によるメリットおよび役割>
他の都市でも同様の課題が挙げられますが、ネットワーク拠点の開設を東京、大阪に続き第3の拠点として福岡を選定した理由として南CNOは「福岡におけるスタートアップ支援やTSMC(台湾の半導体企業)の熊本進出など、九州全体でビジネスの勢いが強まっており、早急に九州におけるインターネット品質の強化が必要だと考えました。また、地場に活気のあるインターネット事業者が多く、技術者コミュニティを通じて福岡へのインターネット企業誘致に積極的な下地があったため、我々としても非常に参加しやすい環境でした」と、福岡(九州)経済の可能性の高さについて話しました。福岡出身で現在も福岡在住のファシリテーター岩永氏は「福岡は交通の利便性や生活の質の高さで中心地になり、創業特区となりました。また、国際金融都市を目指しており、金融基盤が整うことで海外の企業誘致やスタートアップを支援できる体制づくりを街としてできると感じています。その中で今回のようにネットワークのインフラが強化されるということで、今後どのようなビジネスの可能性や展開があるのか期待しています」と、地元住民目線で、九州ビジネスの可能性について語りました。
福岡ネットワーク拠点が開設されることで期待されるメリットとして、全てではありませんが大阪(または東京)が被災してもインターネット接続を維持することができ、さらに、法人や企業は福岡からインターネット接続を調達できるためコストを抑えられます。これらについて南CNOは「弊社では日本全国にインターネットの接続サービスを提供しており、そのうえで地域格差をなくしたいという想いがあります。対災害性という観点でも地域格差をなくしていきたいと思っており、今の日本のインターネットの構造では、東京や大阪での被災時にその他地域においても通信遅延や通信不可といった影響を生ずるリスクが懸念されており、今回のBIGLOBE福岡ネットワーク拠点は、まさにその役割を果たすものだと考えています」と話しました。青山学院大学教授の松永氏は、「実は、ネットワークインフラは教育の一番の障壁になっています。授業でコンピュータを使うことが当たり前になっていますが、コスト等の理由でインターネットをつなげられない家庭もあるのが現実です。ネットワークインフラが整備され、コストが下がることは教育の現場にもとても意味があることになります」と話しました。さらに、福岡および九州といった地域に対してどのような仕掛けをしていきたいかという問いに対し、南CNOは「利用者は普段からネットワークの存在を意識することは少なく、遅延が発生した時に意識することが多いと考えています。利用者が意識することなく、『実は遅延が少なくなっていた』という環境を作りたいと考えており、遅延が少なくなることが期待される、金融、オンラインゲームなどのサービスなどに貢献していきたいという想いがあります」と話し、福岡ネットワーク拠点が果たす役割を示しました。
<今後の事業展開について>
BIGLOBEの九州エリアにおける今後の事業展開ビジョンについて、南CNOは「まだ駆け出しですが、さまざまなネットワーク事業者が集まる拠点を福岡に作り、業界をリードすることで、日本のインターネットをよりよい形にしていきたいという想いがあります。また、九州はアジアへの玄関口であり、今後の日本経済をけん引する大きな役割を担っていると思うので、BIGLOBEもそういった大きな流れに貢献していければと考えています」と話しました。
(左)松永エリック・匡史氏、(右)岩永真一氏
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