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知の巨人・出口治明が日本を変えた10人を厳選論考『大転換の日本史』4月15日発売

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2025年4月11日 10:00
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株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 瀬津要)は、出口治明氏の新刊『大転換の日本史』を2025年4月15日に発売します。日本史では近年、多くの新資料の発見や新たな発掘調査もあり、歴史的な事件や登場人物について、その評価が変化しています。本書は、こうした最新の研究結果も踏まえて、出口氏が、日本史の転換点の中心にいた10人の先駆者について解説した480頁の大著です。

3つの観点から今の日本を作りあげた人物を解説

歴史の流れを振り返ると、多くの国に大転換が訪れる歴史の曲がり角があり、その曲がり角に立っていた人物が、どの国にも存在しました。本書では、今の日本を作りあげたと言える先駆者10人を、知の巨人・出口治明氏が最新研究を踏まえて選びました。出口氏は人選をする際に次の3点を考慮に入れて決定したと述べています。

①世界に対して広い視野を持っていたか
②経済を重視する姿勢を持っていたか
③その上でリーダーとしての手腕はどうであったか

歴史の転換期といえる混迷した現代において、同じように時代の転換点を作った先駆者たちの生き方を学ぶことは、現代の私たちにとっても大きな意義があるはずです。

吉田茂が描いたグランドデザインを維持する現在の日本

本書の最終章である吉田茂の章で、出口氏は「現在も日本の政治体制は米軍基地があり、自衛隊が国土防衛を固めるという、吉田が描いたグランドデザインを継承しています。しかし現代の文化と文明は、まったく新しい曲がり角に、世界も日本も、地球自体も立たされているのではないか。『ロボット』も『コンピューター』も『生命』さえも、すでに物語の世界のものではなくなりました。歴史の中で日本の曲がり角に立っていた十人の日本人、特にいつも同じ哲学で押し通した二十世紀の吉田茂について、いま見直すべきではないかと考えます。そうすることで、まだ誰も気づいていない、この二十一世紀の曲がり角に立っている誰かが、見えてくるかもしれません」と述べ、複雑な現代だからこそ、吉田茂の決断や一貫した姿勢から見えてくるものがあると結んでいます。

本書に登場する先駆者たち

蘇我馬子
・中国との外交関係を築いた馬子の業績
・蘇我馬子を遠ざけ「聖徳太子伝説」を創作したのは誰か?

持統天皇
・持統天皇が即位したことの意味
・「いまの日本」の生みの親は持統天皇と考えたい

藤原良房
・藤原氏を王朝政治の主役に押し上げていく良房 
・恒貞親王が廃太子された承和の変の仕掛け人は? 

白河法皇
・白河法皇の「三不如意」賀茂川の水、双六の賽、山法師
・白河法皇と女性の問題、待賢門院璋子のこと 

平清盛
・「落とし胤」説を有効活用した清盛
・いち早く貨幣経済に着目した清盛 

足利義満
・実質的に「公武合体」をやりとげた唯一人の将軍となった義満 
・義満が「日本国王」を名乗った真意、目的は明との正式な外交関係 

織田信長
・信長の経済政策は貨幣経済の確立へ向かっていた
・光秀はなぜ信長を襲撃したのか

阿部正弘
・なぜ日本は鎖国をしたのか
・安政の改革とペリーの来航

大久保利通
・十四代将軍、徳川家茂の上洛に際して大久保利通が取った行動
・西南戦争が終結するまでの大久保利通の主張と行動

吉田茂
・不思議な縁でつながっていた大久保利通と吉田茂
・阿部正弘とクリミア戦争、吉田茂と冷戦 

『大転換の日本史』について

著者略歴

出口治明(でぐち・はるあき)
立命館アジア太平洋大学(APU) 名誉教授・学長特命補佐。ライフネット生命創業者。1948年三重県生まれ。京都大学法学部卒業後日本生命に入社。ロンドン現地法人社長、国際業務部長などを経て2006年に退職。同年、ネットライフ企画(株)を設立し、代表取締役社長に就任。2008年4月ライフネット生命株式会社に変更。2012年上場。2018年~2023年APU学長。2024年1月より現職。
『世界史・10の「都市」の物語』(PHP研究所)、『0から学ぶ「日本史」講義』古代篇、中世篇、戦国・江戸篇、近・現代篇(文藝春秋)、『哲学と宗教全史』 (ダイヤモンド社)、『一気読み世界史』(日経BP)、『人類5000年史』 I~VI (ちくま新書)など著書多数。

書誌情報

書名:大転換の日本史――10人の英傑が「この国」を変えた
著者:出口治明
定価:2,640円(税込) 
判型・製本・頁数:四六判・上製・480ページ 
ISBN:978-4-569-85873-9
発行:PHPエディターズ・グループ
発売:PHP研究所
発売日:2025年4月15日