CRI・ミドルウェア、“PLAYSTATION(R)3”向けに新ミドルウェア製品を発売
報道関係者各位
プレスリリース 2006年6月1日
株式会社CRI・ミドルウェア
-
CRI Audio
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
CRI・ミドルウェア、“PLAYSTATION(R)3”向けに新ミドルウェア製品を発売
オーサリング作業を効率化、リアルなサウンド表現を実現する
統合オーディオソリューション『CRI Audio』
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
株式会社CRI・ミドルウェア(本社:東京都港区、取締役COO:野沢隆)は、2006年
11月11日に株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントから発売予定の
次世代コンピュータエンタテインメント機“PLAYSTATION(R)3”向けゲーム
開発用の新ミドルウェア製品を発売いたします。
今回、新たに発売するミドルウェア製品の名称は、『CRI Audio(シーアール
アイ・オーディオ)』です。『CRI Audio』は、全世界で1100本以上もの
タイトルに採用されている弊社マルチストリームサウンドシステム『CRI ADX』
およびサウンドオーサリングシステム『CRI Sound Factory』の遺伝子を
引き継ぎ、ゲーム開発に携わるサウンドデザイナーおよびオーディオ
プログラマーの生の声からうまれた、統合オーディオソリューションです。
『CRI Audio』は、効果音や音楽、セリフなど、ゲームに不可欠なオーディオ
要素のオーサリング作業(サウンドデータの分類・整理、ボリューム・ピッチ・
エンベロープの調整、フィルター処理、3Dサラウンド音響設定などの一連の
作業)を大幅に効率化し、リアルで臨場感あふれるサウンド表現を実現します。
現在、全世界で多くのゲームデベロッパーが“PLAYSTATION(R)3”向けゲーム
タイトルの開発に着手しています。そして、多くの開発者がオーディオに
関するソリューションを要望しています。特に、マルチコアに対応した
サウンドライブラリや使いやすいオーサリング環境、ストリーム再生への対応
を求める声が多く、これにいち早くお応えするためにリリースするのが、
この『CRI Audio』です。
『CRI Audio』は、サウンドデザイナーとオーディオプログラマーの従来の役割
を見直し、ゲームオーディオ制作に特化したワークフローを提供します。
オーディオプログラマーの負担を軽減し、サウンドデザイナーが中心となって
思いどおりの音づくりを行うことができる環境を実現します。
『CRI Audio』は、ストリーム再生やシームレスループ再生に対応しています。
ストリーム再生とは、ディスクメディア上にある複数の音声ファイルを、並行
にかつ独立・非同期に再生することをいいます。またシームレスループ再生
とは、波形データの任意の区間をノイズや継ぎ目は一切なく繰り返し再生する
ことをいいます。これらは、『CRI ADX』で培ってきた高度なマルチストリーム
制御機構や独自の圧縮技術により実現されます。
また、ゲームには、状況に応じてインタラクティブに変化するサウンドが
数多く登場します。回転数に応じたエンジン音や、試合の盛り上がりに呼応
した競技場の歓声、発音源までの距離に応じて変化する足音や声などが、
その一例です。
従来、このようなサウンドの実現はプログラマーに依るところが大きく、試行
錯誤に多くの時間を要しているのが実情です。結果的にサウンドデザイナーの
意図した表現を実現できないケースも少なくありませんでした。
『CRI Audio』は、「AISAC(アイザック: Advanced Interactive Sound and
Active Controller)」という独自のコンポーネントを搭載しています。
このAISACにより、オーディオプログラマーの有する「回転数」や
「試合の盛り上がり度」、「発音源までの距離」といったパラメータに応じて
リアルタイムに変化するサウンドを、サウンドデザイナーだけで設計すること
が可能になりました。
AISACは、サウンドデザイナーとオーディオプログラマー間のコミュニケー
ションをスムーズにし、サウンドデザイナーが本当に表現したいインタラク
ティブサウンドを実現するのに役立ちます。
さらに、より広い3Dフィールド空間を表現することが可能となった
“PLAYSTATION(R)3”では、よりリアルなサウンド表現を実現するために、
距離による「ロールオフカーブ(Roll Off Curve:ボリュームの減衰)」の設定を
行う必要があります。ロールオフカーブは、足音や武器の音、爆発音など、
その効果音の種類によって異なります。
『CRI Audio』では、このロールオフカーブの設定をAISAC上で行えます。
テンプレートとして作成したロールオフカーブを、たくさんの効果音に一括
適用することもできます。また「足音が遠ざかると反響音が大きくなる」と
いった演出も簡単に実現できます。
“PLAYSTATION(R)3”に搭載されている次世代高性能プロセッサCellは、1つの
PPE(PowerPC Processor Element)と7つ(※注1)のSPE(Synergistic Processor
Element)で構成されています。
『CRI Audio』は、圧縮された音声のデコードやデジタル信号処理を、おもに
SPEが個別に持っているローカルメモリ上で行っています。これによりPPEへの
負荷を抑え、貴重なPPEのリソースをアプリケーションのために最大限にご活用
頂けます。
また、現段階の『CRI Audio』では、1つのSPEを使用して64個の音声を同時に
再生することに成功しています。今後のさらなるチューニングにより、この数
は100個以上に向上する予定です。
なお、『CRI Audio』は、“PLAYSTATION(R)3”以外にも、「Xbox360」および
「Windows」向けゲームタイトルの開発にも対応しております。
『CRI Audio』は、高度なデジタル信号処理をリアルタイムで行う「サウンド
レンダラ」というアーキテクチャを搭載しており、異なるプラットフォーム上
で、まったく同じサウンドを再生することができます。
ご存知のとおり、プラットフォーム固有のオーディオコーデックや各プラット
フォーム独自のチップ上で処理されるエフェクト機能を使う場合、異なる
プラットフォーム間での互換性が問題となります。『CRI Audio』のサウンド
レンダラは、『CRI ADX』で培った音声圧縮技術に加え、CRI独自のエフェクト
アルゴリズムを導入しています。また『CRI Audio』によって生成される
サウンドのバイナリファイルには互換性があり、同一のバイナリファイルを
全てのプラットフォーム上で使用することができます。
このように、『CRI Audio』はハードウェアに依存せずまったく同じサウンドを
再生するという、真のマルチプラットフォーム対応を実現しています。
ゲーム上で扱われるサウンドは、数千個から数万個という膨大な数になって
います。これらをプラットフォームごとに調整していく作業は大変な労力を
要します。『CRI Audio』を使用することにより、マルチプラットフォーム対応
タイトルの開発を大幅に効率化することができます。
CRI・ミドルウェアは、多彩なミドルウェア製品群により、ソフトウェア
パブリッシャーおよびデベロッパーの皆様がコンテンツの中身の創造・制作に
専念して頂けるような環境の実現をお約束いたします。
※注1:8つのSPEのうち、1つはリダンダンシーのため。
※“PLAYSTATION”は株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメントの
登録商標です。
※本ニュースリリース上に記載されている会社名、製品名等は、各社の登録
商標または商標です。
<本件に関するお問い合わせ>
株式会社CRI・ミドルウェア
担当:幅
TEL 03-5414-3011 FAX 03-5414-3012
URL http://www.cri-mw.co.jp/
E-Mail haba@cri-mw.co.jp
※『CRI Audio』の詳細情報は弊社ウェブサイトhttp://www.cri-mw.co.jp/を
ご参照下さい。
- カテゴリ:
- サービス
- タグ:
- その他IT・インターネット
記事掲載数No.1!「@Press(アットプレス)」は2001年に開設されたプレスリリース配信サービスです。専任スタッフのサポート&充実したSNS拡散機能により、効果的な情報発信をサポートします。(運営:ソーシャルワイヤー株式会社)