日経BPコンサルティング調べ ― Windows Server 2003サポート終了への対応状況調査 ― 現利用者の3分の1はリプレース完了がサポート終了後

 株式会社日経BPコンサルティング(所在地:東京都港区、代表取締役社長:戸田 雅博)は、Windows Server 2003の2015年7月のサポート終了に向けた企業の対応状況を把握するため、情報システム部門の勤務者を対象とした調査を9月に実施しました(調査概要は下部参照)。以下で主な結果を紹介します。

図1
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調査概要: http://www.atpress.ne.jp/releases/52283/img_52283_6.jpg


●33.8%がサポート切れまでにリプレースを完了せず、当初計画より遅延が2割に
 現時点でWindows Server 2003を利用している回答者の3分の1(33.8%)が、リプレース作業の完了がサポート終了より先になると答えた(図1)。2015年4月~7月のギリギリ間に合わせる企業も4割と多い。
 リプレース作業は遅れがちの様子である。リプレース作業の完了想定時期は現利用者の20.1%が当初計画より遅れていると別質問で答えた。
 サポート終了までにリプレースが終わらない理由は「移行作業に必要な投資を行えないから、予算がないから」が35.5%で最も多かった(図2)。リプレース作業に積極的な意味付けをできない場合は特に、予算を確保し難いと見られる。終わらない理由として「Windows Server 2003の台数が多いから」も24.1%と多かった。Windows Server 2003のサーバー台数を尋ねた別質問によると、台数回答者の8%が100台以上残っているとした。
 終わらない理由として「その他」が多かった点も特徴的だった。回答者のコメント内容をふまえると、2003搭載サーバーのリプレース作業をサポート終了とは関係なく実施しようとしている企業が一定数ある様子が伺えた。

図1: http://www.atpress.ne.jp/releases/52283/img_52283_1.jpg

図2: http://www.atpress.ne.jp/releases/52283/img_52283_2.jpg


●6割が対応が遅れることのリスクを認識
 そもそも、サポート終了までにリプレース作業が終わらないことのリスクを回答者はどのようにとらえているのか、これをまとめたのが図3である。6割強が、「大きな」あるいは「ある程度の」リスクと認識している。一方で、リスク意識が低い人も3割存在した。
 Windows Server 2003サポート終了への対応に関する経営層の認識は、現場である情報システム部門より乏しいようである。図3にあるように、経営層の半数はリスク意識が低いとシステム担当者は考えている。
 今回の調査では、こうしたリスク認識の判断基準についても尋ねた。リスクがある(大きな+ある程度)と考えている回答者では、「セキュリティ攻撃に対する感覚・認識から」が最大の判断ポイントで57.8%に上った(図4)。一方、リスクがない(あまり、まったく)回答者では、「サーバーのインターネットへの接続の有無から」が58.4%と最多だった。インターネットにつながっていないサーバーについては、サポート終了以降も利用して問題は少ないと考える人が存在する。

図3: http://www.atpress.ne.jp/releases/52283/img_52283_3.jpg

図4: http://www.atpress.ne.jp/releases/52283/img_52283_4.jpg


●棚卸は半数が完了も、実際の移行作業は半数が未着手
 Windows Server 2003のリプレース作業の進ちょくをより詳細に把握するために、工程別の進展状況を尋ねた結果が図5である。大きく「サーバーやアプリケーションの状況の棚卸作業」「移行方法の策定」「移行先の策定」「移行作業」の4ステップに分けた。
 最初の棚卸作業は約半数が既に完了している。移行方法や移行先の策定は、いずれも完了率が2割台で、今まさに途上にある。これらに対して、実際の移行作業はまだ半数が未着手という状況である。移行作業は時間がかかるケースもあると見られるが、リプレース完了が現状の想定時期よりもさらに遅れる危険性を感じさせる結果だった。

図5: http://www.atpress.ne.jp/releases/52283/img_52283_5.jpg

 (松井 一郎=日経BPコンサルティング テクノロジーインダストリー部長)

※なお、日経BPコンサルティングは本調査のデータ集などを今後提供することを検討しています。

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