平成26年度 新生!ふくしまの恵み発信事業 第1回メディアツアーを実施 福島県漁業復興の試金石「試験操業」の現場を視察 平成26年10月8日(水) 報道関係者等が福島県相馬市 松川浦漁港などを訪問
福島県では、平成26年度 新生!ふくしまの恵み発信事業の一環として、原子力災害からの海産物復活へ向けて漁業関係者が一丸となって取り組んでいる「試験操業」や安全対策の取組現場を訪問・視察するメディアツアーを、平成26年10月8日(水)に実施いたしました。
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松川浦漁港で水揚げの様子を取材する報道関係者
福島の沿岸漁業は、原発事故による放射性物質の影響により、操業自粛を余儀なくされていますが、漁業関係者の努力により、相馬双葉地区では平成24年6月に「試験操業」を開始しました。以来、モニタリング検査の結果等を踏まえ、当初3種でスタートした対象種も、今年10月には十分に安全性が確認された52種にまで拡大し、3年目の挑戦が始まっています。
「試験操業」は、(1) 安全な魚介類の水揚げ、検査体制の構築、(2) 消費者・流通業者の安心と信頼、販売ルートの回復、(3) 流通を続けることによる福島の魚介類の安全性のPRなどを主な目的として、安全性が確保された魚種を対象に、小規模な操業と販売を試験的に行い、出荷先での評価を調査して、福島県の漁業再開に向けた基礎データを得るために行っています。
今回のメディアツアーは、このような「試験操業」の最新動向をご覧いただき、復興しつつある漁業の状況や漁業関係者の意気込みを肌で感じていただくために企画しました。
福島県では、今回のメディアツアーに先立ち、平成26年9月2日(火)に第1回メディアセミナー「福島県漁業復興の試金石『試験操業』― これまでの総括と今後の展望 ―」を都内で開催し、新聞・雑誌記者、フリージャーナリスト、さらにテレビ局の報道関係者など50名を超えるメディア関係者が集まりました。
今回、10月8日に行われたメディアツアーにはこのメディアセミナーに参加した出席者も含まれており、その会場で見聞きした内容を現地で確認できる機会となりました。なお、今回のメディアツアーには、東京や地元福島県から計47名の参加がありました。
・松川浦漁港で水揚げの様子を取材する報道関係者
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■相馬双葉漁業協同組合で「試験操業」についてレクチャー
福島駅に集合した参加者が、まず最初に向かった先は、今回の目的地、相馬市松川浦漁港の近くにある相馬双葉漁業協同組合。そこで、佐藤 弘行 代表理事組合長の挨拶に続き、今回のメディアツアーの案内役をつとめたの遠藤 和則 同漁協本所部長が、「試験操業」に至る経緯や、対象種・対象海域が拡大されたことにより昨年同時期に比べ、約350%も水揚げ量が増加し、活気づいている様子を報告しました。
・相馬双葉漁協の佐藤 弘行 代表理事組合長
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・熱心に耳を傾ける参加者
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■昼食では「試験操業」で水揚げされた魚介類を堪能
レクチャー終了後、松川浦漁港の近くにある宿泊施設「なぎさの奏 夕鶴」で、「試験操業」で水揚げされた魚介類をふんだんに使った昼食をおとりいただきました。昼食の冒頭、女将の坂本 浩子さんから、松川浦は大勢の観光客を集めた人気のスポットだったこと、震災でその観光業も大きな痛手を受けている状況などが報告されました。また、昼食の席には、地元の現役漁業者や漁協関係者等も同席し、食事をとりながらの取材の場となりました。
・「試験操業」で水揚げされた魚介類を使った昼食
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■いよいよ松川浦漁港で「試験操業」の水揚げ現場を視察
昼食後、バスで松川浦漁港へ。折しも続々と入港してくる漁船から、次々と魚介類が水揚げされ、目の前の魚市場は一気に熱気を帯びてきます。方々に散り、思い思いにその様子に見入る報道関係者。汗を流す漁業者に声をかけたり、魚の選別作業を行う女性に話を聞いたりして取材を進める側も真剣そのものです。現場を見ていただくことで、漁業関係者がいかに真摯に「試験操業」に取り組んでいるか、その姿にどれだけ強い「復興への思い」がこめられているかが、報道関係者にも理解していただけたのではないかと思います。
・この日水揚げされたミギガレイ(ニクモチ)
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■漁港施設の復興状況、スクリーニング検査を視察
松川浦漁港では、漁業に欠かせない漁具倉庫、製氷貯水施設などの復興作業も進んでいます。漁港での水揚げの様子をご覧いただいた後、遠藤 本所部長の誘導でこれらの施設を視察していただきました。また、漁港内に設置された放射性物質のスクリーニング検査施設では、県水産試験場や水産事務所の職員が検査機器についての説明を行いました。
・スクリーニング検査機器について説明
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■水産加工場も訪問
その後、水揚げされたタコやシラスなどの加工を行う「水産加工場」を訪問。そこでは、相馬原釜魚市場買受人協同組合の佐藤 喜成 代表理事組合長から、「試験操業」で水揚げされた魚介類の評価を落とさないよう、複数の水産加工業者がノウハウの共有を図っていることや、まだ、水揚げ量が少なく、厳しい状況が続いていることなどが報告されました。
・水産加工場で加工設備を前に説明
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■漁協職員が青ノリと潮干狩りの復興状況を説明
松川浦は、青ノリの産地としても知られています。また、潮干狩りが人気の観光スポットでもありました。これらも、震災で壊滅状態に追い込まれましたが、再開へ向けて安全性の確認などの地道な取り組みが行われていることについて、かつての現場を前に、相馬双葉漁協松川浦支所課長の太田 雄彦さんが説明を行いました。
■最後に道の駅で流通関係者に話を聞く
最後に「道の駅そうま」に立ち寄り、仲買出荷問屋を営み、「道の駅」の海産物コーナーにも出店している中澤水産有限会社の中澤 正邦 代表取締役から話を聞く時間を設けました。中澤代表からは、「試験操業」で獲れる魚介類の品質の良さやおいしさが紹介されるとともに、一日も早く「常磐もの」の本格的な復活を望む声が、流通関係者の間でも高まっていることなどが伝えられました。
・松川浦の復興状況について解説
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・中澤水産有限会社の中澤 代表(写真中央)
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