メディカルラボ調べ 現役医師が“効果がある”と認めた勉強法・受験対策 「疑問はすぐ質問」「相性のいい大学を受験」「競いあえる仲間をつくる」
「医学部受験と医師生活」に関する調査
医系専門予備校「メディカルラボ」( http://www.medical-labo.com/ )を運営する株式会社キョーイク(本社:名古屋市中村区 代表取締役:宮川幹生)は、医師を目指す受験生やその保護者の方に役立つ情報を提供すべく、現役医師300名に対し、「医学部受験と医師生活」に関する調査をインターネットリサーチで実施し、集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア株式会社)
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効果がある勉強法と対策
≪医師を志したきっかけ≫
◆医師を志した動機「人を救う仕事への興味」や「身近な医療関係者の働く姿」、「成績の良さ」も後押し
◆ブラックジャックなどがきっかけ?医師を志した動機「医療マンガをみて」現役医師の20人に1人
現役医師300名に対し、医師を志す動機となったものを複数回答で聞いたところ、「人を救う仕事に興味を持って」が33.0%で最も高くなりました。次いで、「親など、身近な医療関係者が働いている姿をみて」(23.0%)や、「成績が良かったので」(22.7%)が2割台で続いています。“人を救う仕事”や“身近な医療関係者の働く姿”など、職業としての魅力が動機になったことに加え、難関である医学部合格を目指すにあたり、“成績の良さ”が医師を志す後押しとなったことがうかがえます。そのほか、「生物など、学問から興味を持って」や「(親や教師から)助言・アドバイスがあって」(ともに17.7%)、「病気や怪我、死などを身近に経験して」(14.7%)、「収入面など、待遇に惹かれて」(14.3%)などが1割台で続きました。“学問への興味”や“身近な人が医者にかかった体験”、“教育者・保護者からのアドバイス”、“収入面などの待遇の良さ”なども、医師を志すきっかけや後押しとして、少なくない影響を与えているようです。さらに、20人に1人の割合(5.0%)と少数ながら、「医療マンガをみて(ブラックジャックなど)」といった、漫画作品から影響を受けたという回答もみられました。
≪医学部受験と進学先選び≫
◆これが医学部合格必勝法!?多くの現役医師が実践していた「集中できる環境の確保」と「基礎力固め」
◆これでライバルと差がつく?現役医師が“効果がある”と認めた勉強法・受験対策 「疑問はすぐ質問」「相性のいい大学を受験」「競いあえる仲間をつくる」
◆医学部選び 現役医師の視点で重視すべきことは“合格した後の環境”と“試験との相性”
それでは、難関である医学部受験に合格してきた医師たちは、どのような勉強法・受験対策を実践してきたのでしょうか。現役医師300名に<当時、実践していたもの>を聞いたところ、「集中できる学習環境を確保する」が39.0%で最も高くなりました。まずは何をおいても“集中できる環境”がないと始まらない、ということのようです。次いで「基礎力固め(繰り返し基礎問題を解くなど)」が3割半(36.0%)、以下、3割前後で「出題の傾向に合わせ、対策を立てる」(32.0%)、「規則正しい生活を送る」(29.7%)、「学習計画を立てる(不得意分野を克服するために○○を重点的にやる、など)」(29.3%)が続きました。“基礎力固め”が“傾向と対策”よりも上位についており、“地力の向上”を“試験対策”よりも優先してきた医師が多い様子がうかがえます。
あわせて、同様の選択肢で<効果がある取り組みだと思うもの>を聞いたところ、実践していた勉強法・受験対策でも上位となった「集中できる学習環境を確保する」(48.0%)や「基礎力固め」(41.7%)、「規則正しい生活を送る」(39.3%)などは実践していた割合以上の評価となったほか、「疑問に思うことはそのままにしない(すぐに質問するなど)」(28.3%)や「相性のいい出題傾向・得点配分の大学を探す」(18.0%)、「相談でき、競いあえる仲間をつくる」(18.3%)といった取り組みも実施していた割合以上の評価となりました。すぐに質問できる環境や相談できる仲間、相性の良い問題を出題する傾向がある大学の受験などは、実践している割合こそ多くないものの、実際に受験に合格した現役医師の視点で効果があると考えられているので、ライバルに差を付けたい方におすすめの勉強法・受験対策だといえそうです。
続いて、進学先選びにあたり、<当時、重視していたもの>は何か聞いたところ、「国立か私立か」(57.7%)と「大学の所在地」(56.7%)が過半数となり、次いで「偏差値」が4割弱(37.3%)、「入試問題・試験・選抜方式との相性(教科ごとの配点比重や難易度、地域枠入試など)」(26.7%)と「授業料・学納金の多寡」(26.3%)が2割半、「知名度・評判」が1割半(15.0%)で続きました。
あわせて、同様の選択肢で<現役医師の視点で、重視すべきだと思うもの>を聞いたところ、「設備・環境」(34.7%)や「医師国家資格の合格率」(20.3%)、「学べる内容(医療経営・医療情報学、など)」(25.0%)、「指導者(著名な教授がいるか、など)」(21.0%)などは、<当時、重視していたもの>の割合に比べて高くなりました。国立・私立の違いや立地条件だけでなく、このような“入学した後の環境”について、重視して選ぶべきだ(べきだった)、との思いがあるのではないでしょうか。また、「入試問題・試験・選抜方式との相性」(18.3%)は「偏差値」(13.3%)よりも、重視すべきだと思う割合が高くなりました。合格できる可能性を“偏差値”で絞り込むのではなく、例えば、難問にじっくり取り組むことが得意な方であれば、深い考察力を求められる1問毎の配点が高い試験方式を、素早く解答を導くことが得意な方であれば、マークシート方式などの多くの問題を制限時間内に回答することが求められる試験方式を選ぶなど、“試験との相性”を重視すべき、と考えている現役医師が多いようです。
≪医師を目指す子どもの支援≫
◆子どもに医師を目指して欲しい 現役医師の54%
◆子どもの医学部進学のための想定援助額は平均2,800万円、4人に1人は5,000万円以上
◆「医学部受験には、家族の協力が必要不可欠」96%
◆医学部に子どもを進学させるならば、「中学選びから重要」70%、「予備校選びが重要」72%
◆親視点 「医学部には、何浪してでもいく価値がある」38%
それでは、子どもが医師になることを望んだとき、自身も医学部受験を経験してきた先輩でもある現役医師は、親としてどのようなフォローをしたいと考えているのでしょうか。
まず、現役医師のうち、子どもがいる方(232名)に、<ゆくゆくは自分の子どもにも、医師を目指して欲しい>と思うか聞いたところ『そう思う』(「非常に」+「やや」、以下同様)が53.9%、『そう思わない』(「全く」+「あまり」、以下同様)が46.1%となりました。
次に、子どもにも医師を目指して欲しいと回答した方(125名)に、子どもの学費や進学・受験にかかる費用として、どのくらいの資金を出してもよいと考えているか聞いたところ、回答のあった最大額は「1億円」(6.4%)で、『5,000万円以上』は累計で25.6%、『3,000万円以上』は43.2%、『2,000万円以上』は56.0%となりました。子どもの医学部進学のための金銭的な補助として、半数以上の医師は、2,000万円以上を想定しているようです。また、全体の平均額は2,798万円となりました。
続いて、子どもにも医師を目指して欲しいと回答した方(125名)に、<医学部受験には、家族の協力が必要不可欠>だと思うか聞いたところ、『そう思う』が96.0%と、ほとんどの方が同意をしました。また、<医学部に子どもを進学させるならば、“中学選び”から重要>だと思うか聞いたところ、『そう思う』が70.4%、<医学部に子どもを進学させるならば、“予備校選び”が重要>では『そう思う』が72.0%となりました。医師を目指すにあたり最初の関門となる大学受験に向けて、中学選びや予備校選びをしっかりと行い、環境を整えるべきだと考えている方が多数派となっています。また、<医学部には、何浪してでもいく価値があると思う>では、『そう思う』が38.4%となり、どんなに苦労を重ねたとしても、挑戦するべきだと考えている方が4割弱の割合でみられました。
≪医師としての生活(仕事関連)≫
◆現役医師の91%が「医療情報サイト」を利用 「医療系アプリ」は30%、「医師向けSNS」は56%
◆「医師不足・偏在は深刻な課題である」20代・30代医師の9割が実感
◆医師不足・偏在の改善策 女性医師の9割は「出産後、現場復帰しやすい職場作り」が必要と回答
医師として忙しく働きながらも、常に最新の医療情報に接し、診療に役立てている現役医師の方は少なくないかと思います。また、医療系アプリやSNSなど、ITを活用した情報収集の環境は近年めざましく進歩しているようです。そこで、医療情報の収集にITをどの程度活用しているか、質問を行いました。
現役医師300名に医療情報を入手できるホームページをどの程度利用しているか聞いたところ、<厚生労働省のホームページ>では、「よく利用している」が5.3%、「たまに利用している」が45.3%となり、利用率は合計で50.6%となりました。また、<製薬会社のホームページ>では利用率が75.3%、<医療情報サイト(m3.comなど)>では90.7%となっています。質問したこれらの情報源の中では、<医療情報サイト>の利用率が特に高くなりました。
また、医療系アプリやSNSの利用について聞いたところ、<医療系アプリ(スマートフォンやタブレット端末で利用できるアプリ)>の利用率は30.3%、<医師向けのSNSやコミュニティサイト(MedPeerなど)>は56.3%となりました。医療系アプリは現役医師の約3人に1人、SNSは2人に1人以上の割合で利用しているようで、多方面からの情報収集に余念がない様子がうかがえました。
続いて、“医師の不足・偏在”と呼ばれる状況について、どの程度危機感を抱いているのか、質問を行いました。
まず、<医師の不足感・偏在感>を感じるか聞いたところ、『感じる』(「非常に」+「やや」、以下同様)が83.3%となりました。20代・30代の若い医師では『感じる』が90.0%と特に高く、医療現場に人手が足りない現状を実感している方がより多い様子がうかがえます。また、<“医師不足は深刻な課題だ”という問題意識>では、『感じる』が70.3%となりました。医師の不在・偏在問題について、実感や危機感を持っている方が多いようです。
次に、医師の不足・偏在を改善するためには、労働環境の改善や整備が必要だと感じているか聞いたところ、<“医師の労働環境改善”の必要性>では『感じる』が91.7%、<“女性医師が働きやすい環境整備”の必要性(出産後に復職しやすい環境づくりなど)>では『感じる』が82.0%となりました。現役医師の多くは、医師の労働環境を改善・整備することで、医師不足・偏在の改善にも繋がると認識していることがうかがえます。
また、女性医師は<“女性医師が働きやすい環境整備”の必要性>を『感じる』が90.7%とより高くなりました。
≪医師としての生活(私生活)≫
◆現役医師がオフに行なっていることは?「旅行」や「グルメ」、「買い物」が人気
◆「医師の結婚相手探しは苦労する」現役医師の3割強、「医師以外の人と結婚をしたい」現役医師の3人に2人
◆今後は医師家庭も共働きが主流に?20代・30代医師「結婚相手の専業主婦化望まない」73%
◆多忙な医師の結婚事情?医師が人生の伴侶と出会ったのは「医師になって職場で」が4割弱
医師は、どのようにプライベートを過ごしているのでしょうか。現役医師300名に休日、リフレッシュ(ストレス発散や気分転換)のために行なっていることを聞いたところ、「旅行に出かける」が5割(50.3%)で最も高く、僅差で「おいしいものを食べる」(48.0%)が続きました。以下、3割台で「買い物に出かける」(39.7%)や「恋人や配偶者と過ごす」(33.7%)、「本を読む(医学関連以外)」(30.7%)、「お酒を飲む」(30.3%)が続いています。
俗に、“医師の結婚相手探しは苦労する”、“医師同士の結婚はうまくいかない”などと言われる医師の結婚事情について、本当にそのような実感を持っているのか、質問を行いました。<医師の結婚相手探しは苦労することが多い>と思うか聞いたところ、『そう思う』が31.7%、『そう思わない』が68.3%となりました。3割強の方が“苦労する”と実感していますが、“そんなことはない”との考え・実感を抱いている方が多数派であるようです。
また、<医師同士で結婚したカップルは離婚しやすい>と思うか聞いたところ、『そう思う』が55.4%、『そう思わない』が44.6%と、『そう思う』派がやや多くなっています。そのせいもあってか、<医師同士よりも、医師以外の人と結婚をしたい(したかった)>では、『そう思う』が66.6%と3人に2人の割合となりました。
次に、<結婚相手には、専業主婦(主夫)になって欲しい(欲しかった)>と思うか聞いたところ、『そう思う』が48.3%と、半数近くの方が同意を示しました。ただし、若い医師はそのような希望は薄いようで、20代・30代の医師では、『そう思う』が26.6%で、『そう思わない』が73.3%となっています。多忙な医師は“専業主婦になってくれる方を結婚相手に選ぶ”と言われることがありますが、最近の若い医師に限れば、そのような傾向は薄まってきているようです。
さらに、<結婚後、医師生活を続けられるか不安(不安だった)>では、『そう思う』が15.6%ですが、女性医師は43.7%となっています。出産などで一度職場を離れてしまうと、なかなか復職できないイメージを持っている女性医師が多いのかもしれません。
それでは、医師は実際にはどのような相手と結婚をしているのでしょうか。現役医師のうち、既婚の方(260名)に、どのようなきっかけで出会った相手と結婚したか聞いたところ、「研修医時代や医師になってから出会った病院関係者と」(38.5%)が最も高くなりました。医師は職場結婚をするケースが多いようです。次いで、「医学生時代に出会った相手と」が2割強(23.8%)、「お見合い・縁談で出会った相手と」が1割半(14.6%)、「友人・知人からの紹介で出会った相手と」が1割弱(8.8%)となりました。
居住地別にみると、一都三県の居住者では「趣味を通じて出会った相手と」(10.3%)がほかの地域よりも高く、二府四県では「お見合い・縁談で出会った相手と」(25.0%)が高くなるなど、傾向の違いがみられました。
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