中川研究所、可視光通信技術を応用した「新・動線調査システム」を開発
慶応義塾大学工学部情報工学科の中川・春山研究室の研究成果である、「可視光通信」(目に見える光を使ってのデータ通信)の研究・開発を行う大学発ベンチャー企業として発足した株式会社中川研究所(所在地:東京都品川区、代表取締役:松村 友邦)は、可視光通信技術を応用した「新・動線調査システム」を新たに開発しました。
現在、株式会社フードマーケット・オリンピックの協力を得て、Olympic長原店(所在地:東京都大田区南千束)に於いて運用試験を行っています。
■開発の背景
食品スーパーにおける商品陳列レイアウトは、業界として50年余の経験に基づいて完成の域に達しています。しかし食品スーパーを取り巻く地域環境及び消費者の購買意識は年々変化しています。現状における消費者の購買動向をリアルタイムに認識し対応していくには、「動線調査」が最も有効な手段であると考えます。しかしながら従前の「動線調査」では、取得できるサンプルデータ数も少なく、実施費用も高額なものでした。
そこで弊社では、“可視光通信技術を応用した「動線調査」をより手軽に活用できないか”との期待に応えるべく、「新・動線調査システム」を開発いたしました。
■弊社の技術
弊社は、独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)の依頼を受け「LED照明による可視光通信を利用した情報案内サービスに関する研究開発」を行っています。「新・動線調査」とは天井部・床部に着脱自在な発信装置を設置、カートに装着した受信機で店内62か所の位置情報を確実に取得しデータベースを構築するシステムとして開発されました。
調査費用も比較的安価で、取得するデータ量も多く、このデータを活用することにより、時系列毎の消費者の動線や滞在時間だけでなく、特定地点の通過率までも簡単に抽出することができます。このようなデータベースを活用し、必要な売り場の改善を行い数値データにより評価を行うといった合理的な店舗運営も可能となります。
また平成21年の薬事法改正に伴いスーパーにおいても大衆薬の取扱いが可能となりますが、薬品売り場をどのよう配置するのか等の判断材料として、「動線調査」により構築されたデータベースが有用であると考えます。
本システムは、小売業に於ける「動線調査」のみならず、人の行動や物の動きを解析するシステムとして、他の分野に於いても活用していただけます。
■新・動線システムの展示
弊社では、9月30日(火)~10月4日(土)に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2008」最先端IT・エレクトロニクス総合展において、独立行政法人・情報通信研究機構(NICT)のブースに「新・動線調査システム」を出展いたします。また、10月15日(水)~17日(金)に東京ビッグサイトで開催される「ITpro EXPO 2008 Autumn」ネットワーク最前線のブースでもご覧いただけます。
■会社概要
名称 : 株式会社中川研究所
英文表記 : Nakagawa Laboratories, Inc.
所在地 : 〒141-0031 東京都品川区西五反田2-15-9 ブルーベルビル5F
設立年月日: 平成15年7月18日
組織 : 名誉会長 中川 正雄
(慶応義塾大学理工学部情報工学科教授)
取締役副会長 春山 真一郎
(慶応義塾大学大学院システムデザイン・マネジメント研究科教授)
代表取締役 松村 友邦
業務内容 :・可視光通信の研究開発/販売
・技術研究開発を基礎とする活動
・可視光通信の普及、促進、標準化を図るため設立された
“可視光通信コンソーシアム”の主導的役割
URL : http://www.naka-lab.jp/
■設立の目的
弊社は、慶応義塾大学理工学部情報工学科の中川 正雄教授および春山 真一郎教授の研究成果である「可視光通信技術」ほかの事業化を目的に設立した「大学発ベンチャー」企業です。
可視光通信技術は、日本発、世界初の通信技術で、この技術の普及、標準化を目指す為に同時並行的に「可視光通信コンソーシアム」( http://www.vlcc.net )が平成15年11月に設立され、現在、海外企業を含めた28社の参加があります。
■沿革
平成15年 7月 株式会社中川研究所を東京都立川市に設立
平成15年11月 可視光通信コンソーシアムを設立、会員ならびに事務局として会を運営
平成16年 3月 東京都品川区に移転
平成18年 1月 資本金を2,100万円に増資
- カテゴリ:
- サービス
- ジャンル:
- その他IT・インターネット
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