五稜化薬が総額約12億円の第三者割当増資を実施 世界初、手術中にがんの部位を光らせる 「ナビゲーションドラッグ」の上市を計画
~乳がん及び食道がんに加え大腸がんや胃がん等にも展開~
研究用機能性蛍光プローブ(注1)の製造・販売、受託合成および機能性蛍光プローブによる、がんの外科手術向けナビゲーションドラッグの開発に取り組む五稜化薬株式会社(本社:札幌市、代表取締役:丸山 健一、以下「当社」)は、ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社、株式会社東京大学エッジキャピタル、北海道ベンチャーキャピタル株式会社、三菱UFJキャピタル株式会社、QBキャピタル合同会社、他数社を引受先とする総額約12億円の第三者割当増資を実施したことをご報告します。
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スプレーする前
1.当社の事業内容
当社は、東京大学の浦野 泰照教授が開発した機能性蛍光プローブ技術を活用し、主にバイオ分野で利用される研究用試薬の製造・販売を行っております。そして、今回の資金調達を機に、同技術を応用し、ほぼ無色透明・無蛍光の蛍光プローブをヒト組織片に噴霧すると、数分でがん組織のみを選択的に光らせる世界初の新製品を開発・製造し、がんの外科的手術の際に活用するナビゲーションドラッグ事業を加速します。
例えば、乳がんの乳房部分切除術においては、摘出した検体の断面部に潜む微小ながん細胞も短時間で発見できることから(噴霧して1分後から光り、1mm程度のがん組織も識別が可能)、がんの取残しのリスクを低減できることが期待されます。また、食道がんにおいては、内視鏡を利用して食道部分に噴霧すると、同じく数分でがん組織のみを光らすことができることから、これまで発見が困難であった初期の食道がんの早期発見につながり、将来的には健康診断時の活用も期待されます。
さらに、乳がん、食道がん以外のがんに対しても、同技術の応用により、がん組織のみを光らせることが論理的に可能であります。今後、多種多様ながんの手術時や、健診時などで幅広く活用され、がんの早期発見・早期治療、再発予防、術後の早期回復に資する製品の開発・製造に注力する方針です。なお、ナビゲーションドラッグ事業は、「Fluorescent Image-Guided Surgery(蛍光イメージング(注2)を活用した外科手術支援「当社訳」)とも言われ、これからますます注目される分野であります。
【ご参考】
以下の写真は、ヒトから摘出した食道がん部分を含む組織片に、当社が開発中の製品をスプレー(噴霧)し、10分後にがん組織のみを選択的に光らせる事を確認した図です。
図:ヒト食道がん切除検体への適用例(A. スプレー前。B. スプレー後、10分経過)
A.スプレーする前
https://www.atpress.ne.jp/releases/112962/img_112962_1.jpg
B. スプレーしたのち、10分経過
https://www.atpress.ne.jp/releases/112962/img_112962_2.jpg
2.引受先
今回の増資引受先は、以下のベンチャーキャピタル事業会社がそれぞれ無限責任組合員として運営管理する投資事業有限責任組合です。なお、JSTのみファンド等を介さず直接引受です。
・ユニバーサル マテリアルズ インキュベーター株式会社
・株式会社東京大学エッジキャピタル
・北海道ベンチャーキャピタル株式会社
・三菱UFJキャピタル株式会社
・QBキャピタル合同会社
・SMBCベンチャーキャピタル株式会社
・国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)
・株式会社ケイエスピー
3.当社の概要
会社名 : 五稜化薬株式会社
本社住所: 北海道札幌市北区北21条西12丁目2 北大ビジネス・スプリング2階
代表者 : 代表取締役 丸山 健一
設立 : 平成22年7月16日
事業内容: 機能性蛍光プローブの製造・販売、受託合成および
機能性蛍光プローブを用いた
がん外科手術向けナビゲーションドラッグの開発
URL : http://goryochemical.com
(注1)蛍光プローブ:最初は無色透明であるが、ある特定の標的分子と反応することでその構造が変化して、強い蛍光を発したり、蛍光の色調が変化したりする機能性分子の総称。
(注2)蛍光イメージング:さまざまな蛍光色素や蛍光タンパク質にレーザーなどの光を当てることで、細胞や特定のタンパク質などの局在や動きを観察できるようにした手法。
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