ブラック企業より危ない、信じられない実例の数々を紹介『クラッ...

ブラック企業より危ない、信じられない実例の数々を紹介 『クラッシャー上司』を発売 部下を潰しながら出世する人の、実態と職場の問題点に迫る!




株式会社PHP研究所(京都市南区・代表取締役社長 清水卓智)は、松崎一葉著『クラッシャー上司――平気で部下を追いつめる人たち』(本体820円・税別)を、2017年1月16日に発売しました。近年急速に社会問題化する「パワハラ」「モラハラ」。ときに部下を自殺に追いやる事態にも、企業は有効な手を打てていません。彼らは「未熟なデキるやつ」なのです。

「クラッシャー上司」の命名者の一人である著者は、数多い組織の精神科産業医の医学博士。豊富な具体例を分析し、企業や個人がどのように対処すべきかについてレクチャーします。


■「クラッシャー上司」は、ブラック企業ばかりでなく、どんな組織にもいます


「俺はね、部下を5人潰して役員になったんだよ」(大手某社の常務の言葉)


……「クラッシャー上司」が存在する職場からは、イノベーションは生まれません。

若手がいきいきと自己実現できる組織とは何か。その答えを徹底分析します。


《いったい彼らは何者か――「クラッシャー上司」の実態》

つきっきりの指導/悪意はないが、鈍感/皆の前で「指導」/休む間を与えない 

《クラッシャーの精神構造――「未熟なデキるやつ」》

 とんとん拍子に出世/安易な「幼児的万能感』/歪んだ自己愛/他者に共感できない

(本書目次より)


■著者について                  

松崎一葉(まつざき・いちよう)

筑波大学医学医療系産業精神医学・宇宙医学グループ教授。1960年茨城県生まれ。1989年筑波大学大学院博士課程修了。医学博士。官公庁、上場企業から中小企業まで、数多くの組織で精神科産業医として活躍。

またJAXA客員研究員として、宇宙飛行士の資質と長期閉鎖空間でのサポートについても研究している。主な著者に『会社で心を病むということ』(新潮文庫)、『もし部下がうつになったら』(ディスカヴァー携書)がある。


■商品について

・メインタイトル:クラッシャー上司

・サブタイトル:平気で部下を追い詰める人たち

・著者:松崎一葉

・発売日:2016年1月16日

・定価:本体820円(税別)

・仕様:208ページ/新書判

・発行:PHP研究所

https://www.php.co.jp/books/detail.php?isbn=978-4-569-83205-0



『クラッシャー上司』 参考資料



「こんな上司が実在するなんて!」――衝撃の事例を一部公開


◇共感性の低い上司(A)のもとで働いた結果、メンタル不全に陥った若い女性社員(F)の話


Aは、悪意を持ったクラッシャーではない。やる気のある優秀な部下の成長を期待して、仕事を任せ、その支援にも熱心だ。クライアントの理不尽な要求に負けまいと頑張る部下の残業に自分もつき合い、叱咤激励している。

しかし、そうされる側の部下が、どれだけ辛い思いでいるか、その部分の共感性がかなり低いのだ。言い換えれば、他者の痛みに鈍感なのである。なぜ鈍感なのか。それは、自分のやり方は正しく、こうして部下を鍛えている自分の言動は善である、という確信に揺らぎがないためである。

(中略)

そう、Aは、鈍感でマネジメントが下手なのだ。優秀な部下に大きな仕事の裁量を与えたところまではいいのだが、その結果、部下の時間的裁量を奪ってしまった。つきっきりの支援で、食事の自由も、トイレに行く自由までも奪い取ってしまう。そんな環境下に置かれた部下のストレスは、当然、相当なものなのだが、そこに気づいていない。食欲の落ちた部下に、「無理してでも食わないと持たないぞ」と言ったのはAの善意だ。無理してでもトンカツを食べ、エネルギーを充填して、難局を乗り切る。A自身、若い時分にそうして仕事を覚えていったのだろう。

そういう成功体験があるから、メンタル不全で自宅療養となったFに対して、「やっぱり最近の若いのはダメだなあ」と言ってしまう。実に残酷なもの言いなのだが、Aに良心の呵責はまったくない。さほどに成功体験に根ざした鈍感性が強いのである。

(「事例1 つきっきりの指導」より)




◇クラッシャーBに潰された部下はたくさんいるが、明るく元気いっぱいな入社三年目社員(G)がやられた例

この日の会議では、ついこないだまで職場のヒーローだったGが、男泣きした。
ポロポロと涙を落とすGに向かってBは、「そうすることが、皆の善意と貴重な時間をどれだけ奪っているか。だから、いいから早くディスプレイの……」と急き立てた。容赦がなかった。
部下を雪隠づめにするとき、課長Bは決して声を荒らげたりしない。同じトーンで、矢継ぎ早に、次から次へと言葉を繰り出す。表情ひとつ変えず、三十分でも一時間でも質問と要求を投げ続ける。
(中略)
Gは、「課長は私を一回も褒めてくれませんでした」と言い残して会社を去った。彼が一番言いたかったことは、この一行に集約されている。課長Bは、人を褒めるという行為ができない。マイナス部分の指摘ばかりで、他者のプラス部分を見ないのだ。
多くの人は、仕事で褒められ評価されたいという「承認欲求」があることで、やるべきことを頑張ることができる。だから、職場の上司の仕事のうちとても重要なのは、部下の承認欲求を満たす上手な「褒め方」なのである。
実は「褒める」ことも、部下の「成功して嬉しい」という気持ちに「共感」することなのだ。つまり、この課長Bにも「共感」する力が欠けていた、ということなのである。
(「事例2 表情ひとつ変えない雪隠づめ」より)


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