『小売業・卸売業』の温暖化対策は全体的に低スコア WWF「企...

『小売業・卸売業』の温暖化対策は全体的に低スコア  WWF「企業の温暖化対策ランキング」第4弾発表

環境コミュニケーションをもっと活発に行う必要も

公益財団法人世界自然保護基金ジャパン(所在地:東京都港区 会長:徳川 恒孝 以下、WWFジャパン)は、「企業の温暖化対策ランキング」プロジェクトにおける報告の第4弾として、本日、『小売業・卸売業』に属する日本企業54社の調査結果を発表しました。

企業の温暖化対策ランキング Vol.4『小売業・卸売業』編



<要点>
1. 小売業・卸売業29社の温暖化対策の取り組みを21の指標で評価。他25社は環境報告書類がなくランク外
2. 長期目標を持つ企業がなく、全体的に、過去3業種(電気機器、輸送用機器、食料品)より低スコア
3. 長期目標を立て、ライフサイクルを通じた排出削減と再生可能エネルギーの積極活用が求められる

<第1位 イオン>
総合得点(100点満点) :61.1点
目標・実績(50点満点):20.8点
情報開示(50点満点) :40.3点

<第2位 ローソン>
総合得点(100点満点) :57.3点
目標・実績(50点満点):11.5点
情報開示(50点満点) :45.8点

<第3位 日立ハイテクノロジーズ>
総合得点(100点満点) :54.5点
目標・実績(50点満点):17.7点
情報開示(50点満点) :36.8点

<第4位 キヤノンマーケティングジャパン>
総合得点(100点満点) :53.8点
目標・実績(50点満点):18.8点
情報開示(50点満点) :35.1点

<100点満点=目標・実績50点+情報開示50点>

重要7指標:・長期的なビジョン
      ・削減量の単位
      ・省エネルギー目標
      ・再生可能エネルギー目標
      ・総量削減目標の難易度
      ・ライフサイクル全体での排出量把握・開示
      ・第3者による評価


総合点は、イオンが第1位となり、以下ローソン、日立ハイテクノロジーズ、キヤノンマーケティングジャパンと続きました。全21指標のうち、特に重要な7指標について見ると、1位となったイオンは「ライフサイクル全体での排出量把握・開示」、「第3者による評価」で満点を獲得しています。なお、全54社のうち、2016年に環境報告書類の発行がない25社は評価の対象から除外し、残りの29社について評価を行いました。

小売業・卸売業の平均点は、34.5点となり、過去の3業種(電気機器 48.7点、輸送用機器 46.7点、食料品 44.8点)を大きく下回る結果となりました。過去3業種では、1位の企業はいずれも80点を超えていましたが、本業種では1位のイオンでも60点台前半にとどまりました。長期目標(ビジョン)を掲げている企業は1社もなく、総量および原単位の両方で排出削減目標を掲げる企業も1社もない結果となりました。また、再生可能エネルギーの導入目標を立てている企業も1社にとどまっています。

業界全体の特徴として、環境報告書類を発行している企業が少ないことも分かりました。今回、環境報告書類を正式に作成していたのは、全54社のうち21社でした(これ以外に、8社がアニュアルレポート類を環境省などのガイドラインを参考に作成しているため、計29社を評価対象としました)。過去3業種は9割前後の企業が環境報告書類を作成していたことを考えれば、本業界は「環境コミュニケーション」をもっと活発に行う必要があると言えます。
一方で、自社の温室効果ガスの排出量データに対し、第3者機関による保証を受けている企業の割合は34%(29社中10社)と高めであり、排出量データの信頼性を高める取り組みは過去の3業種よりも進んでいることが分かりました。

パリ協定で示されたように、世界の平均気温の上昇を2度未満に抑えるためには、「Science Based Targets」イニシアチブに参画するなどして、科学的な知見に基づき、長期的な視点に立った取り組みが求められます。過去3業種で、高スコアとなった企業の多くは長期目標を掲げていました。小売業・卸売業においても、長期目標を掲げ、ライフサイクルでの排出削減を行い、再生可能エネルギーの利用を拡大することが重要です。

WWFジャパンは、今後も各産業分野について、評価を進め、その結果を発表することで、企業の取り組みを促していきます。


■添付資料:『企業の温暖化対策ランキング』~実効性を重視した取り組み評価 ~Vol.4『小売業・卸売業』編
http://www.wwf.or.jp/activities/data/20170623_climate01.pdf
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