世界初のアルキルアルミ類用火災抑制剤「アルキルフォーム(TM...

世界初のアルキルアルミ類用火災抑制剤 「アルキルフォーム(TM)」が 消防防災科学技術賞“優秀賞”を受賞

三井化学株式会社(所在:東京都港区、代表取締役社長:淡輪 敏)と米国アルベマール社の折半出資会社である日本アルキルアルミ株式会社(所在:東京都千代田区、代表取締役社長:高橋 靖寛)は、世界初のアルキルアルミ類用火災抑制剤「アルキルフォーム(TM)」について、共同開発を行ったヤマトプロテック株式会社(所在:東京都港区、代表取締役社長:乾 雅俊)と共に、消防庁より平成29年度消防防災科学技術「優秀賞」を受賞いたしました。

本賞は、消防庁の主催・選考により、消防防災機器等の優れた開発・改良を行った方、消防防災科学に関する優れた論文を著した方、原因調査に関する優れた事例報告を著した方を消防庁長官が表彰するもので、消防科学技術の高度化と消防防災活動の活性化に資することを目的として、平成9年度(1997年)から実施されており、今回が第21回となります。


授賞式の写真(2017年11月29日、東京都港区:日本消防会館にて)


■受賞理由

自然発火性物質、且つ、禁水性物質であるアルキルアルミニウム及び有機金属化合物(以下、「アルキルアルミ類」と称する。)は、漏洩し空気に触れただけで発火し、また、水と爆発的な反応を生じるため、これまで消火活動を積極的に行える消火剤がありませんでした。新規開発の「アルキルフォーム(TM)」は、主成分に水を用い泡性状で使用する消火薬剤ですが、既存の泡消火剤と同様の使い方でアルキルアルミ類火災を容易に火災抑制及び消炎でき、同時にアルキルアルミ類を不燃物に分解する性能を持つため、アルキルアルミ類の火災に対し積極的な消火活動に使用できる薬剤であるとして高く評価されました。



■アルキルアルミ類とは

アルミニウムにアルキル基が結合した化合物の略称。ポリオレフィンやゴムの重合触媒、半導体の原料などに広く使われています。無色透明の液体で、空気と触れると自然発火し、水と触れると爆発的に燃え上がり、約200℃で分解ガスが発生します。その燃焼熱はガソリンと同程度であり、火災時の消火活動は困難を極めます。消防法上は危険物第3類に区分されています。



■アルキルフォーム(TM)とは

日本アルキルアルミが、消火剤の日本トップメーカーであるヤマトプロテック社とともに開発した、世界初の消炎・冷却・分解の機能を持ったアルキルアルミ類用消火剤です。

タンパク質と水を主成分とした液体で、吹き付けた際に泡状になってアルキルアルミ類の液面を覆い、空気を遮断することで燃焼を抑えます。泡の状態を維持できる時間を従来品比で6倍超に向上させることに成功し、アルキルフォーム(TM)に含まれる水分がアルキルアルミ類との接触面のみで結びつき、不活性な水酸化アルミニウムに変化します。接触面だけで反応するため、水と触れているにも関わらず爆発的な反応が起こらず、消火後の再燃も防ぐことができます。また水が蒸発する際の気化熱により保存容器内等の温度上昇を抑え、容器内の分解ガスの発生に伴う圧力上昇、爆発の危険性を抑えることができます。


・アルキルフォーム(TM)の機能



■日本アルキルアルミ株式会社

三井化学株式会社と米国アルベマール社の折半出資による合弁会社。1968年の設立以来、高品質なアルキルアルミ類を幅広いラインナップで製造・販売しています。その用途はポリオレフィン用触媒から、医薬品合成用の還元剤、不斉合成用触媒原料、電子情報材料用原料など、産業・社会を支える幅広い用途で使われています。


URL: http://www.naa.co.jp/index.html

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