指定難病 遺伝性血管性浮腫(HAE)の症状記録アプリ開発~埼...

指定難病 遺伝性血管性浮腫(HAE)の症状記録アプリ開発 ~埼友草加病院 大澤 勲 院長監修、 患者会協力による「HAEノート」5月9日提供開始~

希少疾患や特殊疾患のリーディング・カンパニーである、シャイアー・ジャパン株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:グレン・スノハラ、以下「シャイアー」)は、国が定める指定難病のひとつ※1である「遺伝性血管性浮腫(HAE)」の発作の始まりや終わり、強さ、発作の部位などを簡単に記録することができるアプリ「HAEノート」を5月16日遺伝性血管性浮腫の日(HAE DAY)に合わせて5月9日より提供いたします。

「HAEノート」は、埼友草加病院 大澤 勲院長の監修のもと、患者会であるNPO法人HAEジャパン(HAEJ)の協力を得て株式会社ウェルビーと共同開発した、初のHAE患者さん向けアプリです。


症状記録アプリHAEノート


HAEは、突然顔や唇、手足、消化器などさまざまな部位に腫れやむくみ、激しい痛みが起きる遺伝性の疾患です※2・3。罹患率は5万人に1人の割合で、国内の患者数は推定2,500人※4ですが、実際に治療されている患者さんは約450人にとどまるといわれています。浮腫の症状は2~5日間程度で収まることが多い※4ものの慢性的に繰り返します。


発作の頻度や発作の部位、発作の強さは患者さんによって異なり、同じ患者さんでも毎回症状が変化します。治療可能な病院が限定的であり、多くの患者さんが重篤な症状のとき以外は、症状が自然に収まるまで我慢をし、医師は患者さんの症状を十分に把握できていないのが現状です。



「HAEノート」の開発にあたっては、HAEの患者さんに現状の治療環境についてヒアリングを行い、患者さんのアンメットニーズを把握いたしました。患者さんの声をもとに開発した「HAEノート」の特徴は、HAEの症状を「記録する」・「撮影する」ことです。このアプリを活用することで患者さんは、ご自分の症状をより具体的に把握できるようになります。また、受診しなかった時の症状を医師に見せることで、医師は患者さんの症状を的確に把握することができ、円滑なコミュニケーションにつながります。


「HAEノート」には、症状の記録・撮影に加えて、未診断を減らし、患者さんのご家族・ご親族を守ることを意図した「HAEを伝える」、「ファミリーツリーを作成する」の機能があります。


「HAEノート」をご監修いただいた埼友草加病院 大澤 勲院長は、「すべての発作を診察の際に主治医に伝えるのは困難であろうと思います。主治医は、受診時にこのアプリの記録をもとに患者さんと話すことで今後の治療についてより適切な助言ができます。またご家族の診断状況がわかれば、未診断による誤診や命に関わる重篤なリスクを未然に防げます。私が担当する患者の皆さんにこのアプリを勧めたいと思います」と述べています。


また、NPO法人HAEジャパン(HAEJ)代表の山本ベバリーアンさんは「このアプリがあれば、発作の状態を具体的に把握することができ、症状を上手にコントロールする一助となります。また患者にとって受診の大きな助けとなります。これまで患者は自分の症状を主治医にうまく伝えられずフラストレーションを溜めていました。このアプリの記録を主治医に見せれば、限られた診療時間を有効に使い、より早く的確に治療を受けることができます」と期待を寄せています。


「HAEノート」を活用することで、医師と患者さんの間での円滑なコミュニケーションと適切な治療が行われ、HAEから患者さんとそのご家族、ご親族を守ることにつながることを期待しています。



■「HAEノート」の主な機能

(1) 症状を記録する

発作の症状をカメラで撮影し、症状が出た体の部位をタップ、発作の強さ、治療を行ったかをわかりやすく記録できます。メモに気になることなどを書き込むこともできます。

<アプリ参考画面 症状の写真や日時を記録(症状の記録写真はイメージです)>

https://www.atpress.ne.jp/releases/155376/img_155376_2.png


(2) 記録を治療に活用する

写真やグラフで過去の発作の症状や回数を簡単に振り返ることができ、医師にわかりやすく伝えることができます。


(3) HAEという疾患を伝える

HAEは、患者さんの数も多くないため、病気について知っている人も少ないのが現状です。家族や身近な人にHAEという病気を動画・テンプレート文章を使ってメールやLINEで伝えることができます。


(4) ファミリーツリーをつくる

重い発作が起こる前に診断されていることが、家族を守ることにつながります。ファミリーツリー(家系図)を作成しながら家族の診断状況を確認できます。作成したファミリーツリーは、診察の前に医師に診てもらうことをお勧めします。



■「HAEノート」の利用方法

スマートフォンでApp Store またはGoogle Playにアクセスし「HAEノート」を検索するか下記リンク先のQRコードでインストールしてください。

(アプリの運営は、株式会社ウェルビーが行っています。 https://welby.jp/ )



■NPO法人HAEジャパンについて

NPO法人HAEジャパン(HAEJ)は、遺伝性血管性浮腫(HAE)の患者同士の交流や医療関係の情報交換など、患者や家族が毎日を健康に楽しく暮らしていくことをサポートするために、2014年4月に設立されました。国際NPO団体であるHAEi(HAE international)と協力しながら、活動をしています。

HAEJは、国際HAE患者会HAEiのNMO(National Member Organization)です。

HAEJ ウェブサイト https://haej.org/



■HAEに関する詳しい情報

HAEの症状に関する詳しい情報や医療費助成制度、緊急時の対策などをお知りになりたい場合は、下記ウェブサイトからご確認いただけます。

腫れ・腹痛ナビ https://www.harefukutsuu-hae.jp/



■HAEマークについて

指定難病 遺伝性血管性浮腫(HAE)の認知は、一般社会だけでなく医師・医療関係者においても低いのが現状です。そのため未診断の患者さんが多く存在するだけではなく、すでに診断された患者さんであっても日常生活が大きく制限されてしまっています。シャイアー・ジャパンは、希少疾患のリーディング・カンパニーとして、この状況を改善したいという強い思いを込めて、HAEの認知向上とHAE未診断患者ゼロの世の中を目指して「HAEマーク」を作成しました。

「HAEマーク」は、腫れた手の症状を表すだけではなく、優しさ、温かさを感じる要素を加え、腫れた手をもう一方の手がいたわる様子を表現しています。



■シャイアーについて

シャイアーは、希少疾患の患者さんのために尽力するグローバルリーダーです。血液疾患、免疫性疾患、遺伝性疾患、神経領域疾患(ニューロサイエンス)、内科領域疾患を含む主要な希少疾患領域に加え、成長を続ける眼科およびオンコロジーの治療分野において、クラス最高の医薬品の開発に取り組んでいます。多様な疾患領域における事業を通じて、充実した人生を送ろうと努めておられる世界100カ国以上の患者さんに製品を提供しています。

シャイアーは、アンメット・メディカル・ニーズへの早急な対応が必要であることを強く意識し、患者さんおよび患者さんを支える全ての方々に有意義な影響をもたらす医薬品を通じて、それらの人々の生活を改善するためにたゆまぬ努力を続けています。

https://www.shire.co.jp/



■シャイアー・ジャパン株式会社について

シャイアー・ジャパン株式会社は希少疾患および特殊疾患の治療薬の開発・販売のほか、それら疾患の認知向上に力を入れています。40年以上の実績をもつ血友病治療分野では、血友病A治療薬「アディノベイト(R)静注用」「アドベイト(R)静注用」、血友病インヒビター治療薬「ファイバ(R)静注用」、血友病B治療薬「リクスビス(R)静注用」と、幅広いラインアップをもち、患者さんに貢献しています。さらに、本態性血小板血症治療薬「アグリリン(R)カプセル」、ゴーシェ病治療薬「ビプリブ(R)点滴静注用」、低並びに無ガンマグロブリン血症治療薬「ガンマガード(R)静注用」を販売しており、2017年5月には、注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「インチュニブ(R)錠」を発売しました。なお、「インチュニブ(R)錠」においては、塩野義製薬株式会社が承認を取得しており、プロモーション提携をしています。

https://www.shire.co.jp/



■参考文献

※1.厚生労働省 平成27年1月1日施行の指定難病(告示番号65)

  (1) 原発性免疫不全症候群に含まれる疾患 (7)-II.遺伝性血管性浮腫(C1インヒビター欠損症)

  http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000062437.html

※2.Bork, K., et al.:Am. J. Med., 2006, 119 (3), 267

※3.Bowen, T., et al.:Allergy. Asthma. Clin. Immunol., 2010, 6 (1), 24

※4.「遺伝性血管性浮腫(HAE)ガイドライン改定2014年版」(一般社団法人日本補体学会HAEガイドライン作成委員会)

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