サンデン、中国市場初 電気自動車向け ヒートポンプシステムの本格展開を開始
サンデン・オートモーティブクライメイトシステム株式会社(以下 SDAS、代表取締役社長:近藤 唯志)は、中国自動車市場シェアNO.1の上海汽車(*1)の電気自動車ROEWE MARVEL X(ローウェイマーベルX)とEi5(イーアイファイブ)向けに、2019年6月より、カーエアコン用ヒートポンプシステムの市場展開を世界最大規模である電気自動車市場の中国で本格的に開始いたしました。
本ヒートポンプシステムは、中国市場初となる製品(*2)として、SDASが2016年7月より開発を開始し、華域三電汽車空調有限公司(以下 SSB)の石龍(しゅうろん)工場で生産・組立てを行っています。
地球規模での環境意識の高まりと各国の環境規制により、自動車業界は車の電動化へのシフトを益々加速させています。電気自動車の大きな課題の1つが航続距離であり、バッテリーの大型化か省電力化という選択肢の中、低電力が特徴であるヒートポンプシステムが注目されています。
電気自動車は従来のガソリン車のようにエンジンがないため、その排熱を利用できず、暖房用の熱源が不足してしまいます。通常は電気ヒーターで補いますが、それにより、駆動用バッテリー消費が大きくなり、走行距離の低下が課題でした。このシステムは外部から熱をくみ上げ、省電力で暖房することができます。
SDASは、業界トップの性能を目指し、年間を通じて冷暖房時のエネルギー消費効率のバランスを重視し、以下の特徴をもつ独自のヒートポンプシステムを開発いたしました。これからもサンデンはパイオニア精神をもとに、人と社会を豊かにする製品、システム、サービスを世に送り出し、業界初へのチャレンジを続けてまいります。
【本製品の特長】
・中間期(外気温5~25℃)の冷暖房使用時のエネルギーの効率化を図ることにより、走行可能距離の低下を軽減
・縦流(冷媒を縦に流す構造)の室外熱交換器採用により、効率と排水性が向上し、横流の室外熱交換器に比べ、冬季の走行可能距離の低下を軽減
【中国電気自動車動向】
2018年の中国での自動車販売台数は、2,805万台。そのうち電気自動車は119万台(電気自動車比率:4%)である。2023年の自動車販売台数3,317万台、そのうち電気自動車は522万台(16%)。さらに、2025年においては、自動車販売台数3,434万台のうち電気自動車は684万台(20%)と予想している。
●上海汽車集団股イ分有限公司乗用車公司
技術センター副総裁 Weiguo Gong(ウェイグオ・ゴーン)氏のコメント
上海汽車のROEWEブランドは、技術とお客様からの要求を結合し、お客様に満足いただく高効率、省エネを追求しています。MARVEL Xは中国での電気自動車のトップバッターとして、SDASが開発した先進な高効率ヒートポンプエアコンシステムを採用しました。マイナス5度の環境下でエアコンの運転可能の顧客要求を満足するとともに、暖房効率も通常の2倍を実現、また冬季の走行距離の延長にも貢献しています。中国での電気自動車の発展を技術をもって貢献しています。
●サンデン・オートモーティブクライメイトシステム株式会社
代表取締役社長 近藤 唯志のコメント
サンデングループは、昨今の中国政府の国策による環境対応車への移行に鑑み、戦略的に中国市場の進出を進めております。2018年8月には電動コンプレッサーの生産ラインをSSBにも導入し、グローバルで150万台の生産体制を完成させました。
このたび中国を代表する自動車メーカーである上海汽車様に当社のヒートポンプシステムが評価され、採用いただいたことを非常に光栄に思います。
今後も品質を第一に上海汽車様とともに一流の商品を作ってまいります。
(*1)上海汽車:上海汽車集団股イ分有限公司乗用車公司
上海VW、上海GMを傘下に持ち、中国自動車市場シェアNO.1の自動車メーカー
(*2)当社調べ
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