<「子どもの骨の健康と食生活」に関する意識調査> 夏休みクライシス!?子どもの“骨”が危ない! 栄養バランスなど休み中の食に悩む母親は8割 夏に外で過ごす子どもは「週1~2日」が最多
食生活を中心とした正しい情報を発信し、効率的な骨作りを推進する「コツコツ骨(ほね)ラボ」は、夏休みを前に子どもの骨の健康について、食生活や休み期間の子どもの過ごし方に関する意識調査を行いました。夏休みは成長期に必要な栄養バランスがとれる給食がないうえに、生活リズムも乱れがちです。近年子どもの骨折やロコモティブシンドロームのリスクが高まっていると言われる中、丈夫な骨を作る知識や栄養摂取が不十分な傾向にあり、母親も夏休みの食事では悩みを抱えていることがわかりました。骨ラボでは子どもの骨を丈夫にするレシピや体操を公開しています。休み明け、子どもの体調不良や夏バテなどの影響を残さぬよう乗り切りましょう。
(レシピ) https://5252hone-lab.com/recipe/
【調査概要】
調査主体:コツコツ骨ラボ
調査期間:2019年5月24日(金)~5月29日(水)
調査方法:インターネット調査
調査対象:25歳以上の子育て中の母親1,000名
子の学齢・性:
男子[小学1-3年生]165、[小学4-6年生]165、[中学生]170:計 500
女子[小学1-3年生]165、[小学4-6年生]165、[中学生]170:計 500
将来の健康状態を左右する最大骨量は、骨を作る働きがピークとなる14歳前後で決まります。この時期に骨量を増やしておくために、「カルシウム」「ビタミンD」「ビタミンK2」の「骨のゴールデン・トライアングル」を日々の食生活の中で積極的に摂ることが大切です。ビタミンDが不足すると、骨へのカルシウム沈着障害が起き、骨に関わる病気にかかる可能性が高まるとされていますが、近年はビタミンD欠乏症によるとみられる子供のくる病や頭蓋ろうが増えているようです。夏は紫外線量が多く、日光により作られるビタミンDを短時間で効率的に増やせる時期です。1日に数分、紫外線の悪影響を受けにくい手のひらで日光に当たるなど、夏休みは親子で丈夫な骨づくりをめざしましょう。(監修:津川 尚子/コツコツ骨ラボ/大阪樟蔭女子大学健康栄養学部教授)
津川 尚子氏
■成長期に必要な食・栄養素
(1)子どもに意識して摂らせているのは「肉」「魚」「野菜」。骨を作る「きのこ」「納豆」は3割未満
子どもの健康や体づくりのために、エネルギー源となる「ご飯」のほか、「肉」「魚」「緑黄色野菜」を8割以上の母親が必要だと感じています。また、意識して摂らせている食品も同じ4食品が上位を占めています。一方、「子供に意識して摂らせている」理由に「健康な骨を作る」ことが挙がった食品はカルシウムを含む乳製品や魚が多く、ビタミンDを含む「きのこ類」は1割未満、ビタミンK2を含む「納豆」を骨づくりの意識で摂らせている人は3割未満しかいないことが明らかになりました。
子どもの健康や体づくりのために必要だと思う食品/子どもに意識して摂らせている食品
子どもに意識して摂らせている食品とその理由
■成長期に必要な食・栄養素
(2)成長期に大切な骨を強くする栄養素は「カルシウム」以外知られていない
半数以上の人が多くの栄養素を認知している中、骨づくりに大切な「ビタミンK2」は2割しか知られていません。また、子どもの骨の成長に必要だと思う栄養素の中で、意識して摂らせている栄養素にいたっては、「ビタミンD」「ビタミンK2 」ともに1割以下と大変低いことが分かりました。「カルシウム」だけでは骨は丈夫にならず、カルシウムの吸収を高める「ビタミンD」と沈着を助ける「ビタミンK2 」など、バランスよく取ることが大切です。
栄養素認知
子どもの骨づくりのために意識して摂らせている栄養素
■子どもの食事に関する悩み
(3)多忙な中でも「朝食は必ず」「少しでも多く手作り料理を」など工夫をしている
85%の母親が何らかの工夫をしており、家事以外の職の有無に関わらず、「朝食は必ず食べさせる」「規則正しい時間に食事をする」「少しでも多く手作り料理を食べさせる」など工夫している様子がうかがえます。
子どもの食に関して工夫していること
■子どもの食事に関する悩み
(4)8割以上が休み期間中は「栄養バランスが悪くなる」「メニューに苦労する」など悩みを抱えている
8割以上の母親が休み期間中の子どもの食事について何らかの悩みを抱えており、「昼食のメニュー考案」「昼食を用意する時間や手間」「栄養バランス」など、給食がない期間が母親の苦労や負担増であることがわかりました。
(夏休みなど)学校で昼食を食べない時期の子どもの食に関する悩みごと
■夏休み中の子どもの過ごし方
(5)夏休みに子どもが外で過ごす日は週1~2日が最多。自身の子ども時代より少ないと感じる母親は7割
子どもが夏休みに屋外で過ごす頻度は「週1~2日」が最も多く、屋外で運動したり、遊んだりする機会が少ないことが分かりました。また、母親自身の子どもの頃と比較しても、子どもが日常的に屋外で過ごす時間が少ないと感じる人が7割もいました。熱中症や遊ぶ場所の減少、事件・事故などの外的要因もあり、子どもが元気に外で走り回る姿は減り、運動不足が懸念される現代において象徴的な結果となりました。丈夫な骨を作るために、運動や日光を浴びてビタミンDを増やすことはとても大切です。外出する際はメラニン色素がほとんどない手のひらが日光に当たるように意識して過ごすだけでも、効果が期待できます。
夏休みに屋外で2時間以上過ごす頻度
子どもが日常的に屋外で過ごす時間の変化
■夏休み中の子どもの過ごし方
(6)骨の栄養素「ビタミンD」生成に有効な日光を遮る日焼け止め使用は7割。6割が乳幼児期(就学前)に使い始め
1998年より母子手帳から「日光浴」の記載がなくなり、子どもも紫外線対策として日焼け止めを使用することが一般的になりつつあることが明らかになりました。また、使用時期に関しても早くは生後6か月未満から、6割が乳幼児期(就学前)に使用し始めています。
子どもの日焼け止め製品の使用状況
子どもの日焼け止め製品の使い始め年齢
■コツコツ骨ラボとは
医学・栄養学などの有識者らを中心メンバーとし、健康な骨を作るための食生活を中心とした正しい情報の発信、調査、研究を通じ、効率的な骨づくりを推進します。日本では高齢化が進み、骨粗しょう症やロコモティブシンドロームが深刻な問題として顕在化してきました。日本人の骨粗しょう症の総患者数は推計約1,300万人※とされ、平均寿命の延びに伴い女性だけでなく男性でも骨粗しょう症のリスクが高まっている現状があります。また、子どもの骨折が近年増えていることなどを受け、当ラボでは、子どもから高齢者まであらゆる年代の人々に役立つ健康な骨づくりの情報を発信してまいります。(※日本骨粗鬆症学会2015発表)
・プロジェクト名:コツコツ骨ラボ
・設立年月日:2016年5月27日(金)
・活動目的:骨の健康維持に大切な『骨のゴールデン・トライアングル』の認知向上
・参画メンバー
田中 清(コツコツ骨ラボ代表/神戸学院大学 栄養学部 教授)
林 泰史(原宿リハビリテーション病院 名誉院長/骨粗鬆症財団評議員)
佐藤 秀美(日本獣医生命科学大学 客員教授 栄養士)
津川 尚子(大阪樟蔭女子大学 健康栄養学部 教授)
石川 三知(Office LAC-U代表 管理栄養士 スポーツ栄養アドバイザー)
・WEBサイト( http://5252hone-lab.com )
・主な活動概要
- 各分野の専門家による骨づくりのための情報発信
- 『骨のゴールデン・トライアングル』および健康な骨づくりの啓発活動
- セミナー・講演の開催・実施
- 骨に関する意識・実態調査・発信
- 企業・団体との共同研究 ※今後の検討や環境変化により変更する場合があります。
骨のゴールデン・トライアングルとは?
- カテゴリ:
- 調査・報告
- タグ:
- 健康・ヘルスケア 子育て・保育 その他ライフスタイル
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